2022年11月8日火曜日

もしかしたらチェアーより難しい?あたふたしないBPジャッジのパネルのやり方入門

徐々にBPの季節に入りますね。
今回は、意外とあんまり記事がなさそうなBPジャッジのパネルについて書いてみます。
WUDCでジャッジブレイクした時のパネルの経験を思い出しながら書いてみているので、少しでも参考になれば幸いです。

【アロケーションが決まったら】
変に自信を失わない:そもそもパネル≒ジャッジブレイクできない、という訳でもありません。確かにブレイクのボーダーにいて、ACチェックが発生することもありますし、チェアーからパネルになっていると「どこかで失敗したのかな」と焦ることもあるかと思います。大会によってポリシーは様々なので気にしすぎないのが大事です (akもガチチェック受けてますね…)
チェアーも所詮一ジャッジという気持ちも持つ:もちろんチェアーは一定ネームバリューや実績がある人がやるケースも多いと思います。とはいえ、失うものもないですし、チェアーが毎回正しいCallをするというわけでもありません。役割が異なるジャッジという風に考えてよいかと思います。

【試合中は】
基本は、普段と同じジャッジをする:パネルだからといって普段と違うことをする必要は一切ありません。4チームの比較を行うことは変わりませんし。また、チェアーの反応を気にしすぎても仕方ないと思います(チェアーがなんでそこ頷くの?とか考えるとドツボにはまります。)
・もしかしたら普段より「基準」と「比較」を端的に言えるように意識する:これは詳細は次の内容になりますが、時間がないので「短く」「端的」に違いが何なのかを意識するのは違いかもしれません。AKの場合は、各チームの比較理由だけをぱっと書いた紙を置いたりしています。
・完璧さを捨てる:極論2チームの位置づけで悩んでいるとかもあると思います。その場合は素直に悩んでいるもありです。現時点ではOGだが、COとこういう点で近い、等と理由があれば大丈夫だと思います

【Initial Callの説明方法は】
普段よりも短く話す:基本的には短く話すことが重要になります(15分のディスカッション、3人だとしても1人5分しか最大でないわけですし)。一言で言うとEngageできていなかった、よりWhy True/Importantの両方を埋めることができていた、コアクラッシュを勝ち切っていた…等色々あると思います。
求められたことだけ話す:最初のRankingの説明だけと言われたらRankingのみ、4チームの中でもOGとOOの比較だけであればそこだけ。POIと一緒ですね。適宜Happy to elaborate further if needed(詳細に関しては別途)のような表現も用いましょう。
・(好みかもですが)どこがClose, Clearかは言ってもいいかも:ここは好みですが、例えばOOとCOはInterchangableのような話もディスカッション上はありがたいとは思います

【Discussionの進め方は】
・基本的にはChairに任せるものの、Chairの気持ちを持ち続ける
:進め方はChairによる色もでるので任せてよいかと思います。他方で、例えばジャッジ全員がかなりランキングが違うときには「3人ともOO>CGなのは合意しているみたいですね」のように合意しているところを言うことであったり、CG-COの議論をしていてなかなか煮詰まってしまった場合「おそらくCGの評価はOGがどこまで言ったかに依存しているため、一度OGとCGを比較しませんか」のような提案をすることなども流れによってはアリかと思います。また、明らかにReasonableに特定のチームが勝つべきところを、他のパネルがごねている時にその「火消し」をお願いされることもあるかと思います
・結局は「基準」と「比較」のメタ認知:だいたい議論がズレる場合(Rankingがズレる場合)は、見ている「基準」(詳細はこちら)がずれているか、「基準」は一緒なものの、その中で具体的にみている内容の「比較」がずれているかのどちらかです。議論の差異がどこに出ているのかを見極め、それを解消していくことに尽きるかと思います。(発展ですが、国際大会では少し古いですが「akが見た世界トップジャッジ陣のトレンドと、日本のディベート観との比較」、「【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント」なども適宜ご参照ください。去年のWUDCでも大きくこの考え方はずれていなかったので参考になるかと)ここを細かく書くとそれだけで一つの記事になってしまうのですが、「この基準(群)は妥当か?」「その基準の下比較するとどちらのチームが優勢なのか?」の2つを常に意識しましょう
・変えすぎも変えなさすぎも良くない、結局は第三者視点と第二者視点:ランキングを直ぐ変えるのも変えないのもいずれもネガティブに働きえます。結局はジャッジという第三者としてどう思ったのかという視点と、ディベーターを説得できるのかという視点を行き来することに尽きます。ディベーターに説明できない内容はDissentしていいと思いますし、他方で自分が気づいていない「基準」や「比較」の説明に納得がいく場合は「議論の中で確かにXXという基準だけでは大きな差がないと感じたので、YYという基準で差をつけるのも、フェアだと思ったので~」のような説明とセットでランキングを変えて問題ないです。
普段より短く、とはいえすべての発言でValue Addする:しつこいようですが時間はないです。ので短さは大事で、詳細を説明してよいですか?と聞きながら進めましょう。他方でこちらもClosingと同じようにNewがないと意味がないので(迎合しているだけのように見える)、Newを出せるようにするか、Newがない場合は変にその議論で価値だしするのではなく、「まとめる」ことや「ほかの議論で価値を出す」ように徹底するのも重要です。
・話し方のHonestyも大事:Honestyという表現にあえてしていますが、特定のチームができていないことはしっかりとできていないというのも大事ですし、他のPanelやChairと意見が違うのはHonestに言うことはむしろ大事なことも多いです。他方で、HonestyとRudeは違うので、That is a great point / I can understand your point, however...のように受け止めながら話すことも重要です。

【ジャッジのOralの時は】
・ジャッジのBPの気持ちで:ジャッジによってはPanelに少し補足の機会を求めてくれたりします。その時にNewが言えるといいですね
徹底的に盗む:よかったところはどんどんRFDから盗みましょう。AKも格好いいジャッジ表現はパクり続けました。特に国際大会では英語の発音,表現なども同じ土俵に上がるために必要だとは思います。AKは結構色々なひとのRFDがネットに広がっていたのも含め読みました

少しでも参考になれば!

2022年9月11日日曜日

久しぶりにジャッジするときのポイント4つ

お久しぶりです。気づいたらずっと更新していませんでした。
久しぶりということで、「久しぶりにジャッジするときのポイント」というのを書いてみたいと思います。akも社会人になって、前のように「試合勘」や「トレンド」に追い付いていないというときに結構困りました。そんな中、レベルの高い大会という輪にかけた無謀な挑戦をしてしまったものの、一昨年はWSDC、去年はWUDCでブレイクできたのでその時のLessons Learnedを書いてみようと思います。

したがって、就活なのか仕事なのか、そのほかの人生の優先順位は様々あるかと思いますが、ふと、ディベートの面白さなのか後輩から頼まれたのか、いろいろなるかと思いますが戻ってきたいなぁと思ったり、もしくは少し「チャレンジ」をしないといけないと思ったら読んでみてください。

1.ジャッジの「枝葉」ではなく、「幹」に戻る;捨てることを厭わない
ジャッジは「(一定の合理性を仮定した)第三者として、勝敗の理由を腹落ちできる形で伝える」ことがその役割です。もちろん、ジャッジのConstructive Feedback(建設的なフィードバック)等教育的な役割や、試合のフォーマットへの対応(BPだと4チームの比較になる)、適宜言語の壁の突破等、そもそもとして、気になるところは多々あると思います。

特に「久しぶり」にジャッジする場合は最近のモーション、ジャッジトレンド、ディベートジャーゴン(Symmetrical、Deltaとか…)等色々足元で気になることが多々あるのは当然の反応かと思います。

それを一つ一つすべてにキャッチアップしていくことは可能な限り行ったほうがそれはもちろん良いに越したことはないですが、ずっと現役でディベートしている人たちに比べるとどうしても期間は開いており、その時間を効率的にキャッチアップしようとしても、一定の時間を要することは当たり前かと。したがって、優先順位をつけないといけない局面ではやはり「幹」なのだと思います。

したがって、「良い教育的なフィードバック」などを一定あえて捨てる、最近のディベート用語がわからなくてもまずは気にしない(もちろんメモってどこかで聞くとかはアリかと)、一定馴染みがありそうな議題での音源から戻って、まずは「昔のディベートの勘」を取り戻すことが重要かと思います。ちょっと悲しい気持ちにはもちろんなりますが仕方ないいので、いい意味であきらめることを覚えました。

2.今こそ「加点式」に;特に新しい強みから考える
とはいえ、久しぶりに戻るとやはりできないことに目が向くかと思います。特に競技ディベートは一定ストイックなスポーツ的な局面があることは否めないので。他方で、久しぶりにジャッジしているのですから、ある種「少しずつできてきた」自分をほめる形が大事かと思います。(1年生の時に、AREAが話せるようになった、などの加点式の時代があったかと、そのイメージです。)

また、意外とディベートから離れていた期間に、新しい強みを獲得しているケースも十二分にあり得ます。就活や、場合によっては新社会人になった後では特定の業界に詳しくなっていることや、そもそも企業活動に触れていることから、Economy系のモーションが意外とできるようになっているかもしれません。同じような構図は院試対策でもあるかもしれません。AKも国際法などは院試対策で意外と学べてIRの力があがったりしたこともありました。司法試験やロースクール等の対策をしていた先輩も、意外と「ロジカルに考える」癖が強くなったというケースもあるといいます。また、話し方という面でも意外と「枕詞」をつけたり、合意形成を重視される環境下に身を置くケースもあるため(グループディスカッション対策、インターン等?)それが負けたディベーターの説得の際に活きてくるかもしれません。

そのような強みはもしかしたらあなたのジャッジの「強み」にもなりえるかもしれません。ぜひいいことに目を向けていただければと思います。

3.「何ができていないのか」を徹底的に細かく考え、経験に頼らない新たなやり方も模索
「久しぶり」な時は、ジャッジをする数もきっと限られていると思いますし、勘や勢いでできたところができなくなってきていることもよくあるかと思います。こういう時こそ、自分がなんでジャッジができていないのかを徹底的に細かく考える良い機会でもあるかと思います。

そのためには、「何が原因でいいジャッジができていないのか」、「それはディベートから離れていた中でなぜできなくなったのか」をセットで細かく考えることが有益になります。

例えばですがAKの場合は意外と「情報処理能力」が落ちていたなと思ったことがありました。特に最近Rapid Speech(速すぎるスピーチ)を差別化戦略として採用しているディベーターもいるため、なおさら困ることもあるかと思います。冷静に、7分前後のスピーチを6-8回聞くというのは、1時間弱の内容を頭の中で一気に処理しきることとイコールであり、なかなかそのような機会は日常生活ではあまりないのかもしれません。

というのは、PMくらいのスピーチなら追えますし、LOくらいまでなら追えるものの、DPMくらいからClashが増えてくるとなかなか追えなくなってしまったりしたからです。

こればっかりは、おそらくディベート現役の時は議論のパターン認識もできていた(こういう議論ではこういうのが出てくるだろうとわかる)ため議論がなんとなく初見でなく理解ができる、意識的にミクロとマクロを行き来しながら今どっちが勝っているかがわかる・・・などがあったのですが、それができなくなっていたからかと思います。

そうなると戦い方を変えるしかありません。おとなしく、議題が出たら一定私はプレパしたりどういう議論が出そうかぱっとリサーチすることにして経験に基づいたパターン認識を補い、明確に紙を数枚準備して、ディベートの中でも重要な部分だけ取り出した「マクロ」な紙を準備するようになりました。(現役の時も一部やっていましたが、あまりやらないことのほうが多かったです)これで強制的にミクロとマクロを行き来し、手元におくことでブランクを補いにいったのです。

これはあくまで私の例ですが、結局「ディベーターの話を理解できていないのか?」「理解はしているものの情報処理ができないのか(論点がわからないのか、論点間の重みづけがつけられないのか、各論点の優劣がつけられないのか?)」「すべてわかっているがうまく伝えられないのか?」等、どこに問題があるのか、なんでなのかと徹底的に考えるしかないということかと思います。

4.「効率」に徹底的にこだわる
とはいえ「久しぶり」の際は時間がないかと思います。そうなると、もう効率をあげていくしかありません。いろいろな方法があるかと思いますが、AKがWUDC、WSDC前にやったことを列挙してみますので、もしよろしければぜひ。

・ディベートの試合を倍速(もしくは1.5倍)で聞いてジャッジする
・一番よくまとまってそう+最新のジャッジレクチャーを聞く
Korea WUDCのはかなり役立ちました。特にEntingはさすがでした。)
・ジャッジの試合+実際のOA(Oral Adj)がセットな内容を探して聞く
(上記とかですし、YouTubeでも意外とぐぐると出てきたりします&昔の音源を拾い出しました。Adj Testとかもいいですね。)
・大会ではひたすらにパクって、次の試合で実践する
(恰好良い表現などは全部メモりましたし、フィードバックの仕方のパターンとかもなんとなく毎回理解しにいきました。WSDCは特にジャッジが全員フィードバックするので超絶チャンスでした)
・うまいジャッジと同じ部屋になったら臆せずにフィードバックを聞く
・過去に自分が褒められたORあまりうまくいかなかったジャッジをできるだけ全部思い出す
・OAがスムーズに出てくるように英語で話す(無駄にスピ練とかしました)
・ディベートのパフォーマンスが最大化する各種ルーティーンは全部戻す(寝る、甘いもの食べる、好きな音楽を合間に聞く…)

いかがでしたでしょうか。どれも全部自分自身が苦労した話なので、ちょっとでもお役に立てていれば何よりです!

2021年9月26日日曜日

"Reason for Decision"から逆算してプレパ時間をはじめてますか?

久しぶりの更新ですね。この前「マクロ力」についてツイートしました。

「今の強いディベーターからすると当然かもしれませんが、ここ10年で国内外においてマクロな力のあるディベーターが勝ち抜いている印象があります。議論を短時間で一定固く立てられるようになった結果かもしれないですし、ボトムアップ型のディベーターへの競争戦略の結果かもしれません。

マクロ力というのは、一段ディベートを俯瞰し一歩引きながら、戦場を選び抜き、結局どう上回っているのか見せる力とでもいいましょうか。ジャッジの視点も持ちながら、個別具体の反論などを超えて結晶化する力かもしれません。また、あえて特定の話に触れない、言わないのも特徴です。

別観点でみると、ジャッジは今どのようにラウンドを見ているんだろう?このクラッシュを仮に勝ち切っても(相手の反論を仕切っても)意味はあるのか?逆に何を言えたら勝ちなのか?結局30秒でディベート全体結論づけるとどうなるのか?というような問いに答えられている状態です。

特にディベートの言語力に自信がない方、言語力もあり内容は詰めているはずなのになぜか負ける方、ボトムアップ型の思考に頼りがちな方、長くディベートから離れてカンがとり戻りづらい方、一段上のディベーターに勝ちたい方々などは今こそ意識的に鍛えるタイミングかもしれません。

鍛える方法は色々ですが、3つ紹介します。1つは、ジャッジをしながら客観力を身につけそれを試合中の応用を目指す。2つ目は、試合後に30秒で勝った理由をジャッジにアピールできるとしたら何をいうか考え抜くこと。3つ目は、自信のある言語or一段レベルの高い大会に出ることです。」

これを別観点で話すと、プレパ時間で"Reason for Decision"から逆算できているか、ということだと思います。

もちろん試合は相手がいることなのと、Horizontal思考の落とし穴として、見えない仮想敵と戦ってしまうこともあるが故に、工夫しながら行う必要はあります。一方で、「こういうところで勝ち切りたい」という仮案があるとスムーズかと思います。

具体的には、例えば個人のClashと社会のClashがある議題だとして、(だいたいありそうですが笑)、個人のClashでは勝ちやすい、社会のClashでは負けやすい、等があるかもしれないです。そう考えると、個人のClashではしっかり必ず"勝ち切る"ことを意識したうえで、いかに社会のClashでは水かけ(Counterproductiveのような話を含めて)に持っていきつつ、個人が社会よりも重要という話をできるか、だと思います。これはジャッジからすると「個人のClashはGov、社会のClashはややOppだったが、なぜ個人>社会かを説明できたのかはGovだったのでGov」というReason for Decisionになり得るかと思います。

そこから考えると、絶対に個人のClashでどうやって勝ち切るか詰める(ImpactのLikelihoodなどで勝つ、個人のClashも細分化する、等…)、社会で水かけに持ってくためのロジックを考える、個人>社会の説得的な理由付けを考える…のように思考が走りやすいかと思いました。

この再現性を高めるにはどうすればいいでしょうか? プレパ時間に考えていたReason for Decisionと、実際のReason for Decisionの"差"をひたすらにストックしていくというベタなやり方をお勧めします。その中で見たことがない基準、とらえられ方などがでてくるかと思い、そのパターンの認識が進めば進むほど、また精度があがっていくかと思います。

ぜひ、これを機に逆算、試してみてください。

2021年3月13日土曜日

"オンライン新歓"の3つのポイントとコツ一覧

 もう3月ですね。いろいろな大学が新歓の準備に入っているところですね。

今までの関連記事として新歓のコツ?、初心者向けのフィードバック海外の高校生/初心者の練習方法などがありますので、適宜そちらもご参照ください。

オンライン新歓のコツに関して、自分が相談を受けている範囲内とかで共有します。必ずしもこれらすべてが毎回良い、という話ではなく、「あ、これやってみてもいいかも」というヒントになれば幸いです。

① "ディベート以外の会話もするウェットなコミュニティ"づくり

オンラインだとどうしてもディベートに集中してしまうところがあります。ディベート以外のちょっとした会話が、オンラインだと起こりづらい構図があります(会社とかでも、ちょっとした雑談が減っている、とか言われていますよね)。人がディベートをする理由はたくさんありますが、必ずしもディベート自体の楽しさだけではなく、そこでできる人間関係や居心地の良さというようないわゆる「エモい」部分も含めてディべートを続けることが多いかと思います。
そのため、例えばですが、下記のような打ち手が考えられるかと思います。
・履修/はじめての一人暮らし/授業の悩み/ほかのサークル選びなど、いわゆる「大学生あるある」に関しても寄り添う場
・LINEなどではカジュアルな話もする場とする
・オンライン懇親会(例えば、同じような食事/お菓子等を一緒に食べると特に楽しさを感じやすいと言います)
・属性に応じた卒業生会(女性ディベーター会、帰国生会のような特定の属性だったり、将来やりたいこと(〇〇さんを囲む会)、のようなものもよいと思います)
・部のメンバーの自己紹介プロフィール一覧(Google Docsなどで写真入りで、趣味とかもぜひ)
・ラウンドの前や後、グループワークの際のアイスブレイク(”最近ハマっていること”、"一番最初に旅行に行きたいところ"などのトピックで大丈夫だと思います)

②ディベートスキルを細分化して教える

ラウンドを行うことも当然必要ですが、ディベートというのはある種知の総合格闘技なので、いろいろなスキルが必要になります。例えば、知識×思考力×プレゼンテーション力(英語含む)等の分け方ができると思いますし、またスピーカーごとかもしれません(Prime Mnisterの80点スピーチはこちら

オンラインだと実はうまく伝わりづらい、IT環境によってはなかなか聞こえない、等色々なパターンがあり得ます。そう考えると欲張りに「いろいろ一気に身に着ける」のではなく、一気に「集中と選択」することが大事になります。
実際のラウンドをするのももちろん大事ですが、要素要素にあわせたレクチャーに加え、一般的に言われるプレパ練やスピ練以外でも、いろいろあり得ます。
・特定のPMスピーチ(録画でもリアルタイムでも)を流した後、みんなで反論の仕方などを考える
・まずは皆でのプレパ練ということでAREAでみんなに話してもらう
・英語能力をあげるためのリスニング(弁論ブログのこちらとかも使えるかも?)
・ディベートの実況中継(PMからReplyなどまで、途中途中で止めたり解説しながらまずは試合のいいところや悪いところをみんなで理解する)
・「風が吹けば桶屋が儲かるゲーム」(特定のモーションと、Argumentのオチ(例えば、女性のエンパワーメントに繋がる、犯罪が減る等))を無理やりつなげて柔軟に考える力)
・日本語即興型ディベートにチャレンジ(一部のESS系でも行われていましたが、ハードルが下がるので)
・特定テーマのレクチャー(ADITKorea WUDC Training ProgramEuropean Debate Training ProgramMonashなどのイメージです)

③ ディベート前とディベート後にこそ力を入れる

1つ目と関連しますが、練習の前や後、その間こそフォローがすごく重要なところだと思います。昔であれば、ご飯を食べながら雑談やディベートのアドバイスもあったりする場もあり、そのような代替機能が必要なのではないかと思います。(必ずしも、ご飯や飲み会などが絶対マストという話をしたいわけではないです)
例えばですが、下記などが考えられます。
・コーチ/コミュニティ制度(昔UTDSが行っていた、グループごとのメンタリング制度ですね)
・必要に応じた個別フォローアップ(1 on 1)
・フォローアップセッションとしての何名かのグループごとのワークショップ/オフィスアワー
・Instagram,Twitter等の活動内容の発信
・フォローアップのディベート関連の資料/本/動画/ウェブサイトなどの共有

オンラインでの新歓、難しいですよね。。。
少しでもお役に立てれば何よりです!

2021年1月28日木曜日

Debate Videos and Workshops by WGM Speakers / 女性ディベーターの動画集

女性ディベーターに特化したビデオのリンク集です!素晴らしい取り組みだと思うので是非!(エンティンも是非追加して欲しい、とのこと!)


https://tinyurl.com/wgmdebatevideos


2020年9月22日火曜日

WSDC 2020で感じた世界の高校生のポイント

久しぶりの投稿です。

この前WSDC 2020にジャッジとして参加しました。大学生の世界大会であるWUDC以上にジャッジプールの質が高く、あっぷあっぷでした。なんとかSFまでジャッジしてきました。

その中で感じた世界の強豪校の特徴をいくつか箇条書きで書きます。

・フィードバックに貪欲
WSDCはただでさえラウンド後にチームごとに、全ジャッジがコメントをします。もちろんタイムテーブルに余裕があるようにセットされてはいるものの、3人別々の観点からジャッジが入るというだけでも相当大きいです。また、ACから"transferrable skills"に関してフィードバックするように、というお達しもあることから可能な限り一つのラウンドだけではなく、将来も使えるようなフィードバックも求められます。
強豪校であればあるほど、個人のフィードバックに関してもすごく貪欲でした。「すごく良かったよ」と言っても「さらに良くするため、さらにクリアに勝つためにはどうすればいいでしょうか?」という質問が来るのは印象的でした。
また、とりあえず「全部聞く」というのも印象的でした。ジャッジの中では当然Splitもあるので取り方がすごく異なることもあっても、顔に出さず全部メモするのはすごいなと。
日本国内でも、大会では難しいかもしれませんが練習会では特にこういう試合方式が進むといいなと思いました。

・リーダーで決めに来る
今年のコーチ陣がそういうスタイルが多いからなのかもしれないのと、調査型のディベートは特に時間がある(+即興型でも1時間のプレパ時間がある)ことも影響していると思いますが、やっぱりリーダーの出力がいいですね。具体例もそうですし、相手の話のPreemptionもしっかり行っている印象です。まさに80点スピーチ超えのような印象でした。
(ブログの80点超えシリーズはこちらから
改めて80点スピーチづくりのための練習などは有効だと思いました。

・2nd以降は"Why Likely"でクラッシュを勝ちきりに来る
Why likelyで勝ち切るチームが上に行く印象がありました。要は例えばCharacterizationがどちらもありえるとか、シナリオ(良くなるのか悪くなるのかなど)もどちらもあり得るという時に、なぜこちらのほうがより起きやすいのか、という話で決めに来る印象が特に接戦を制したチームではよくありました。
試合では当たり前ですが、早々のことがない限りすぐTieにはならない(こちらのブログ参照)こともあり、しっかり分析の深さでとっている印象が強かったです。この前ToCでシャーミラに言われたフィードバックですが"押し込む"反論が特に日本人のウィークポイントなのかもしれませんのでそこはhorizontalで練習したほうがいいのかもです。
日本国内での対処法としても、ジャッジがそこまで踏み込み続けること(また、ずっと言われていることですが、安易にtieに逃げないこと)は一つポイントかもしれません。

・FailureはExplicitに指摘する
これはやりすぎでは?というくらいに例えば相手のmodelがよくない、コントラしている、個々のメカニズムが無い、というのは(特にアジアの強豪からは)散見されました。ジャッジとしてもそういう勝敗の基準があると入れやすいんだなと。
ただ一方で、「やりすぎ」なチームも散見され、「もうわかったからいいよ」というフィードバックをたくさんもらっているチームもありました。が、日本からすると幾つか引き出しをもって活用するのは勝ちに繋がりそうですね。

・Strategicなチームが多い
WSDCの特徴としてstrategyの項目があることも影響していますが、戦略面でどこを守り切ってどこで勝つかというのが多いような気がしました。一番強い話はsqueezeするという前提ではありますが。ジャッジからのフィードバックも「ここがもっと戦略上重要なのだから反論したほうがいい」のようなフィードバックが良く見られました。もともとシンガポール等はHorizontalな練習が多い特徴がありますが、もっともっとHorizontalになり切るのが重要かもしれません





2020年4月18日土曜日

"SMART"にディベートの目標を立ててみよう!

全国で緊急事態宣言が発令されてしまいましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
皆さんや、皆さんにとって重要な人たちの健康を最優先で行動してくださいね。
多くのディベートの大会がキャンセルになってしまい、私も残念です…。オンライン化等色々な試行錯誤の中で新歓や練習も続いていると聞いています。

今日は、1人でもできることとして目標設定に関して書きたいと思います。
なんとなく、ディベートが上手くなりたい!

突然ですが、"SMART"の原則を御存じでしょうか?目標設定の際に意識したほうが良いポイントの頭文字をとったものとなります。
グロービスのこちらのページによると下記のように定義されています。

◆要素1:Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す

◆要素2:Measurable(測定可能な)
目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す

◆要素3:Achievable(達成可能な)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する

◆要素4:Related(経営目標に関連した)
設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する

◆要素5:Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する

ビジネスで使われることも多いSMARTですが、私はディベートでも当てはまると思います。私になりに解釈すると、こうなります

◆要素1:Specific(具体的に)
ディベートのどの能力を身に着けるのか、「なぜ?」を最低3回は繰り返して明示化する。例えば、インプットとしての知識×プロセスとしての思考力×アウトプットとしての英語プレゼン力だとすると、その中でも何の知識?どういう思考力?どういうプレゼン力?となるかと思います。ここを深堀りする際には、例えば目標としているスピーチ、スピーカーなどがあるとより“解像度が高まる"と思います
◆要素2:Measurable(測定可能な)
頑張って"数字"にする。それは例えば最終的な"アウトカム(結果)"であるブレイク、スピーカースコア等も良いかと思いますが、それだけではなく"プロセス"(行為)も重要だと思います。知識をつけるのであれば何冊本を読みますか?音源ならいくつ、何時間?英語力だといくつの単語を覚えますか?…等。 
◆要素3:Achievable(達成可能な)
"2重の目標"にすることが重要だと思います。1つは本当に理想の"優勝"のようなものかもしれませんが、1つは今から少しストレッチしたらできるもの。例えばバブルラウンドで負けてしまう傾向にある場合は、それを一つ超えたブレイクになるかもしれません。本等のプロセスであれば、1日にどれくらいやらないといけないか?と割り戻してみるのも重要です(1か月で100冊、となると1日に3冊以上読まないといけませんが、授業やバイト等もあるかと思います。実現可能ですか?)
◆要素4:Related(目標に関連した)
これは、まずは一義的には大きな「ブレイク」のような目標に紐づくようなものなのか、と解釈しています。(すでに強い部分を伸ばしていても関係ない、評価されない点を伸ばしても仕方ない、等)また、最終的に自分がディベートで何を得たいのか、と言う目標とフィットしているかも重要になると思います。
◆要素5:Time-bound(時間制約がある)
それぞれの目標は短期・中期・長期等があるかと思います。お勧めは両方持つことですが、一つ良いのは大会、引退等をマイルストンにすることです。「ジェミニまでにXXする」のような。そこから「では、4月はこういう目標になる」のようになりますね。

せっかくのタイミングですので、SMARTで目標を立てているか、一度見直してみませんか?

2020年3月20日金曜日

家で1人でもできるAsian Style(3 on 3)の練習方法 "2分 Veto練"

コロナウイルスということで、以前よりも練習がしづらくなってきている状態だと思います。

まず、ラウンド以外での練習方法に関してはIndexとして「上達方法(ラウンド外)」とまとめています。色々な記事が纏まっているので、ぜひ読んでください。(ダイレクトな戦線)

今回紹介するのは、Vetoを2分で決める練習です。
(3 on 3でも、HPDUやWSDCのように、3 motionsではなく、1 motion制の大会もありますが、それでも役にたつ練習方法だと思いますのでぜひ)
昔、akが粛々とやっていたりもしました。

【どういう人がやると良いか?】
・Vetoを決めるのに5分くらいかかってしまっている人
・特にHorizontal思考が弱いと思う人
・ぱっとArgumentが出てこないという人
・特に若手(あまり多くのディベートの"パターン認識"をしていない人)

【練習方法】
(チームでやることを想定。個人の場合は、全部下記を1人でやるイメージ)
3 motionsはだいたい5分くらいでVetoを決める、ということが大会では一般的かもしれませんが、これはぜひ、普段は「2分」を目指してやってみましょう。
(海外のディベーターはなんなら2分以前にやってくることもありますね。)
具体的な流れは下記のとおりです。

(1)ストップウォッチを準備し、サイド、モーションセットを選び
UTDS等でAsian Styleのモーションを選ぶと良いと思います。もし、ある程度やりつくしている場合は、適当に2 on 2, 2 on 2 on 2 on 2, (NA/BP等)で3つ選ぶ形でも良いと思います。

(2) 2分で絶対に終わらせる
2分以上伸ばすのはだめです。絶対に2分で終わらせましょう

(3) その後、5分で選ばなかった方のサイド(GovならOpp、OppならGov)でVetoを考える

(4) その後、5分で、最初のVetoの反省に関して議論
具体的には、(a) Vetoはあっていたか?(相手サイドの話も踏まえて良かったか?) (b) (あっていた、あっていない場合どちらでも)これ以上早くするにはどうすれば良かったか? (c)Vetoをうまく決められなかった原因は何か?(各人の考え方?ディスカッション?そもそもVetoの基準がチームとしてなかった?)(d)次はどうすれば良いか?の4点をディスカッション

(5) 時間があれば、先輩や他の人にもVeto及びその理由を聞いてみて、Vetoの仕方に関してアップデートしてみる

(6) 全てのリストアップを見て、傾向が無いか考え、打ち手を考える
例えば、特定のテーマ(宗教等?)のモーションだと遅くなってしまう、というのが無いでしょうか?もしくは、モーションのHardさ/Softさではないでしょうか?

(7) その一つとして、"対立軸"を意識することは有効かも?
その結果としての打ち手は、例えば"対立軸"をしっかりと抑えきれていないHorizontal思考に起因しているかもしれません。
その場合、即興型ディベート初心者へのおすすめの「最初の詰め込み」 ~もし初大会まで5日間しかないとしたら何をするか~の記事にも書いてありますが、大きな対立軸をMonashやJPDU資料等で抑えるのも良いかと思います。

例えば、ある世界大会のGrand Finalist、EUDCのChampionはディベートを結局何種類かにパターン分けしているようです。オーストラリアのディベーターもこういう風に対立軸を意識している傾向があるように気がしています。

以上となります。ぜひ、たくさんVeto練をしてみてください。

2020年3月14日土曜日

「オンラインディベート」か、「オフラインディベート」か?の議論は本質ではないよね?

コロナウイルスの対策の一環として、オンラインディベートが盛んになり始めました。オンラインでディベートをする、と言うこと自体は今までも多く存在しておりましたが、大会としてオンラインディベートが始まったのは一つ大きな一歩だと思っています。

新しい技術/試みが立ち上がる時は、賛否含め色々な議論がされるかと思います。私は、一つポジションとしては「オンラインディベート、オフラインディベートのどっちがいいのか?」のような議論は本質的では無いと思っており、正しい問いは「どのように、オンライン/オフラインのディベートを活用していくべきか?」だと思っています。

私は特に先日、オンラインでの大会(Asian Online Debating Championship:以下AODC)にジャッジとして参加したり、過去にはオンラインツールを活用して部内大会をジャッジしたり、練習では試合を行ったりもしてきました。参加者の規模や使用したツールは毎回違いますが、私の意見としては下記のとおりです。

・オンラインディベートは、地理的/金銭的格差の解消につながるポテンシャルがある
私はディベート格差を0にしたい、というパッションも持っておりますが、その一つに資するものだと思いました。地方の学校ですと、どうしても関東圏の練習リソースにアクセスできないこともありますし、金銭的な影響から国内遠征/海外遠征にも限界もあります。
例えばAODCでは韓国とシンガポールの高校生のラウンドを家からジャッジしましたが、こういうのが増えると良いな、と思いました。また、過去には九州大学の普段の練習試合を家からジャッジすることもでき、楽しかったなと思いました。

・シンプルにオンラインディベートは柔軟性や利便性が高い
AODCでは朝1からのラウンドでしたが、普段よりも長く家で睡眠時間を確保し、朝ご飯をしっかり食べてからジャッジし、昼ごはんもさっと普段のように食べたりすることができました。仕事柄リモートワークも多いおかげか、あまりストレスは無かったです。
移動時間がないことから、次の予定を入れる上でも柔軟に対応できました。

・一方で、悩ましいなと思うことはあいにくある
(a) 【映像は欲しい!】使用するツールによりますが、映像が無いと少し辛いなと思ったり、違和感を持つ部分はありました。映像がある場合ですといいのですが、無い場合ですと、ジャッジをしている際にNon-verbal languages(つまり、ボディランゲージ等)を見ることができないので、違和感を覚える(ないしは、そこを頑張っている人が評価されない?)のは正直ありました。また、Reason for Decisionを説明したり、Feedbackをする際はかなり相手の顔を見ながら臨機応変に説明のトーン、速さ、やり方等を変えられるのですがそれができないのはすこし苦労しました。(特に初めて会う人は…)
(b) 【接続環境は怖い】私の場合は過去の取り組みでは大丈夫でしたが、一部回線が聞きづらくなった時などは(練習の時はまたもう一回お願い、とかしやすいですが)ちょっとめちゃめちゃ聞くことに集中しました。一部のツールや回線状況に応じては、ラグも少し発生したりするらしいのでそれはリアルの良さを少し感じました。
(c) 【初めて使うツールはちょっと不便】普段からよく使っているツールであれば、使い方もわかりやすくすぐできるのですが、初めて使うツールである場合は少し操作がうまくいかず、結構運営の人にご迷惑をおかけすることになるなと思いました。これは、念のため断っておくとどのようなツールでも共通です。
(d) 【不公平感への配慮は必要】たとえばですが、AODCでは結局あるチームは1部屋に集まってラウンドしていたようです。(全員がリモートだと、チャットがしづらい等あるため)それは全員をある種同じ状態にしたほうがいいのかもな、とかは思いました。また、あまり即興型のディベートに関しては日本国内では事例を見たことがありませんし、オンラインとの差分は分かりませんが、より不正行為をしやすいみたいなものはあるのかもしれず(プレパ中に、コーチと話すとか?)懸念の声はあるようです。

・"悩ましさ"の解消はコミュニティとしての工夫/使い分けに依存。立ち上げ期は試行錯誤が続く可能性はある
強調しておきたいのは、別に上記の議論は「じゃあオンラインをやめよう、やっぱアナログだよね」と言う話がメッセージではありません。もしかしたら「オンラインがいいのか、オフラインがいいのか?」というような極端な議論になってしまうかもしれず、それはコミュニティとして望ましい方向性ではないと思っています。あくまで「どうやって活用するの?」という問いが良いと思っています。

例えばですが、(b)の接続環境は、事前のテスト等を通じて可能な限り接続ができるようにしておくことや、念のためPC、携帯の両方からアクセスできるようにすることかもしれません。また、万が一接続が切れてしまった際の事後策の合意だと思います。例えば練習などであれば、「再度やり直し」かもしれませんし、大会であれば「ディベーターであればディベーターの責任」と(割り切って行う)ことも一案かもしれません。

(c)に関しても、早めに利用者が使うということであったり、丁寧なマニュアルの準備等にもあるかもしれません。また、コミに新しい役職としてTechnology Officerかもしれませんが、技術面に関していつでも質問できる、ホットラインが重要になるかもしれません。(1人では全部に対応できないので、もしかしたらLINEグループ、Facebookグループ等のように、困ったらここ、みたいな風にするのかもしれません。)

(a)や(d)はより難しい問題ですが、(a)は、まずは顔が見えるツールを使うということかもしれませんし、すでにお互い顔見知りと言う関係であればまずは使おうよ、と言う話かもしれませんし、あとはあえて「見えないことが良い」(≒むしろ人のバイアスが減る?)ということに注目する、等かもしれません。(d)はルールの準備等かもしれませんね。

・どんな方法も完璧ではない。あくまで補完関係で、みんなで「どう使うのか」議論しよう
再度強調したいですが、オンライン/オフラインはそれぞれの良さがあります。最初に書いたように、アクセシビリティや柔軟性のメリットは、オフラインの大会よりも勝っているかもしれません。一方で、諸々の懸念もあったりします。ディベートで言う"not mutually exclusive"じゃないですが、オフラインでも起きる問題じゃん、のような話もあると思います。(例えば、不正行為等。)

やはりここからはコミュニティ全体で議論していくタイミングになると思います。なぜなら、例えば現在コロナ対策で必死に大会をオンラインで開くことになると思います。その中で何か失敗や問題があった際に、例えば、それが安易なコミ批判になることは避ける必要があると思います。(コミだって分からないこと、予想できないこともあると思いますし。)また、メリットがある中で安易に「これだからオフラインだ!」という風潮になり、オンラインにより恩恵を受けられる芽をつむことも良くないと思っています。どのような技術/新しいものにもつきものですが(パソコン/スマホ全般、Uber/Airbnbのようなたらしいビジネス等)、結局は使い方次第だと思います。

・じゃあ、どうするの?

オンラインでディベートに参加することになったら:
早い段階で普段よりも丁寧にオンラインツールを試したりしましょう。Online Tabと一緒の考え方かもしれません。他の人の迷惑を最小化したいですもんね。
また、何かあっても「批判」ではなく「建設的な議論」を意識しましょう。コミはリスクを負ってくれているというのはあると思いますし。

オンラインの大会/練習を運営することになったら:
どのツールを使うのか、どのようなルールを設けるのか、どのように懸念に対応すべきか、というのは過去の参加者/運営者、テクノロジーに詳しい人等も含めて考えつつ、もしかしたらコミュニティからのフィードバックも貰った方がいいかもしれません。
まずはとりあえずは慣れているツール、ということもあるかもしれません。
また、可能な限り使った際の工夫や試行錯誤の内容は、ぜひ可能な範囲でいいので発信してくれると嬉しいです!

どちらにしろ、コミュニティの一員として:
正直ケースバイケースというのは本当にあると思います。オンラインの懸念点は、練習なら普段からどんどん使うことを否定しきらないとも思いますし。一方で、ちょっと慣れていない、こういう懸念が怖い、のような議論もとても重要だと思います。いかにステップを踏んでいくか(まずはやりたい人が練習で使う、等)、かもしれませんしね。難しい議論、意思決定が続くかと思いますし、解は現時点で絶対はないですし、関係者の"腹落ち"が必要だと思いますが、少しずつ前進できればいいなと思います。

こんな感じです。きっと数か月、もしくは1-2年もしたらこんな議論は「化石」になっているのだと思いますが、移行期であるからこそ、ぜひ建設的なディベートができればと思います。


2020年3月4日水曜日

「新歓を成功させたい!」という運営の方に向けたメッセージと昔実際にやったこと

もう3月ですね。コロナウイルスの影響もあり、新歓の見通しが見えづらくなってきているのはつらいところですね…。

新歓に関して書いたのがもはや8年前のこの記事なので、少し手を加えてみようと思います。

① まずは理想の状態を、可能な限り"解像度高く"妄想しよう!
部によって目標は様々かと思います。発足年数、地域、今いる在籍人数等によって大きく変わってくるかと思います。ただ、その中でも一定の部員数を確保したいだとか(≒辞めないで欲しい)、強くなって欲しいだとか、ディベートと言う競技を超えて仲良くなって欲しい、のようなものが色々あるかと。

まずは、自由に妄想してみてください。こういう部になったらいいな、というのを。
その際に思考を走らせるために、国内でも海外でも有名なサークルや部を調べてみてもいいかもしれません。もしくは、ディベート以外のサークルを参考にしてみてもいいかもしれません。場合によっては、過去のディベート部の話を先輩に聞いてみてもいいかもしれません。

それを思い浮かべながら、できるだけ4月にどんな感じだといいかな、夏休みは?紅葉や梅子、Noviceの時期は?冬は?そして次の春は?…と想像してみてください。

その時に、具体的に「何人」人がいるかとか、「どういう人」がいるかとか、「どういう実績を残しているか」、だとか「どういう感情を抱いていて欲しいか」等、まるでドラマのように事細かに考えてみてください。

例えば、私がむかーし部長をやっていた時は、"黄金時代"を築く、と言うのが目標でした。当時は、JPDU Tournamentでブレイクしていないと「ジャッジ権」と言って大会でジャッジ提供の資格が無い時代でした。(なので、ブレイクしている先輩がいない部活は、すごく上の先輩に頼んだりとか、他大学の方に頼んだりしていました)なのでこれが無いとそもそも参加資格が増えない、ということで当時の部員6人がまず早い段階でディベーターとしてブレイクしないといけない、というのがありました。そうなると、春Tとかはできれば先輩たちと組みたい。だけど、それだけだと足を引っ張ってしまってブレイクできないかもしれないから、どういう練習法をとろうか。まずは先輩から学ぶことを主目的に、それまでの大会でも可能な限り自分たちよりうまい人と組んで練習しよう、ないし春Tでは先輩とのプレパ練を増やそう、等と言う風に考えました。

また、部員の数は「できればBPが自分たちの大学でできるくらい」にしたい、と思いました。というのも、最大で6人、だと同期が全員集まってもフルメンバーでのBPができません。BPシーズンである冬には10人くらい部に入っていて欲しいなと。そのためには、おそらく色々な理由で辞めていってしまうこともあるから、可能な限り新歓から人を増やしたほうがいい。例えば1/2になるとしても20人、1/4だとすると40人くらい最初の方の練習会には来て欲しいなと。

まずは、こんな風に「具体的に妄想」し、「逆算」していっているというのがお分かりいただけたかなと思います。

② その理想の状態に対するチャレンジを、失敗例も含めて考える

次に大事なのは、じゃあ一気に現実に引き戻しながらどのようにそれを実現するか、と考え始めることです。向き合うのがつらい話かもしれませんが、他の人がやめていってしまった理由が聞ければそれを、また自分たちが感じていて嫌だったことなどを考えてみてください。そしてそれはなんで、そう感じたのか考えてみるのです。

例えば、お恥ずかしい話ですが私の代は夏休みにほとんど練習に行きませんでした。夏休みって色々やるものだよね、となんとなく思っていて(それはそれで合っていると思いますが 笑)本当にほとんど練習に行きませんでした。今みたいにADIですとか、銀杏杯等もなかったのも影響しているかもしれませんし、秋Tは2年生以上が出るものということもあったかもしれません。とはいえ帰属意識は一定あった私は学期中になると普通に復帰やたくさん練習はするようになったのですが、残った部員もモチベーションダウンであったり、フェードアウトしてしまった人もいました。

冷静に、やっぱり2ヵ月間のブランクがあると戻ってきづらいですよね。その間に他の楽しいことにはまっていたらそっちにも流れますし。

また、失敗以外も当然「嬉しかったこと」も色々考えてみるといいと思います。例えば私が入部を決めたのは、先輩のフィードバックがすごく良かったからです。褒めてくれましたし、改善点のためのアドバイスがめちゃくちゃたくさん具体的だった。ディベートが終わった後「ああ、こうすれば勝てるんだな…」まですごくよく丁寧にフィードバックしてくれたと。また、海外生活が長かった私にとっては英語力が高い人がいるかがとても大事でした。(英語力を維持したかったので)。帰国生で性格もいい同期がおり、その人のスピーチに感動したというのも部に入ろうと思ったきっかけでした。

また、周りに聞いてみるとモデルディベートの影響は大きかったようです。ディベートって正直よく分からない、けど英語で7分間難しい話もできているの格好いい、という憧れをもってディベートを始めてくれる層が多かったようです。

③受け継ぐこと、変えることを考える。変化を恐れない。

ここまで考えると、理想の状態と、そのチャレンジも明確になっているかと思います。ここまで考えると、今年もやったほうがいいこと、やめたほうがいいこと、新しくやったほうがいいこと等が出てくるかと思います。

例えば、フィードバックの丁寧さや、新歓時のモデルディベート等は残すことにしました。これらはすごく重要だと思ったので。なお、過去の歴代部長が残してくれた引き継ぎ書、エジュケ資料はすごく読み込みました。また、練習の時のアロケーションで、帰国生同士で当たるようにする、等の工夫もした気がします。

やめたことは正直akの記憶であまり覚えていません…

ですが、新しくやったことは色々あったなと思います。分かりやすい例でいうと夏休みのI杯という1年生大会をはじめて開催しました。(今のようにありがたいことに多くの大学の方に参加いただけるような規模になり、自大学で開催できるようになったのは、ひとえに次の代以降の功労です。)この理由というのは、多くの人が夏休みにフェードアウトしてしまうということ。で、逆に今の6人が部に残ろうと思ったきっかけは紅葉杯への参加でした。そこで遠征してお好み焼きを食べるなどして仲良くなり、かつハラハラドキドキのブレイクアナウンスメントも含めた緊張感。大会中に多くの人と会えることも醍醐味でした。最終的に、ありがたいことに全チームブレイクということがあり、「ディベート楽しい!」となったのです。なので、ブレイク制のある大会ということに拘りました。

部員を引き留めたい、と言う意味がとても強かったので、確か8月開催でした。7月だと早すぎる、9月だと遅すぎる、と思いました。ちょうど練習するタイミングにも重なるかな、と。

同期でパワポが得意な人がいたのでその同期が格好いいブレイクアナウンスメントやモーション用のスライドを準備してくれました。また、フィードバックの質が大事だと思い、完全に招待ジャッジ制をとりました(当時はそういう概念があまり無かったと思います。)

大会に限らず、他にも色々な工夫を同期がやってくれました。新歓担当のあらゆるビラ、メッセージ等もそうですし、新入生のフォローであったり、合宿の企画だったり、色々同期で乗り越えた覚えがあります。自大学の先輩は、イベントはほぼ全部参加してくれました。もちろん、他大学の同期/先輩にもかなりジャッジだったりで練習に来てもらいました。これが功を奏したのかどうかわかりませんが、スクラム戦で、部員の数は目標の数に達し、1年生だけでBPのラウンドもできるようになりました。


なんか、総じてノスタルジーに基づいた、個人的にはエモいものの、下手したら誰にも刺さらないかもしれない内容になってしまいました。少しでも参考になれば幸いです。

2020年2月2日日曜日

レベルの高いラウンドをジャッジしないといけなくなった時は 7つのアドバイス

ジャッジをするのであれば、せっかくなのでジャッジブレイクも目指したいですし、何よりもそのラウンドでいいRFD(Reason for Decision)、フィードバックをして「ジャッジされてよかった」と思われたいですよね。

私も自分のスピーチよりもレベルの高いラウンドにジャッジとして入る際は緊張しながら入ります。ディベーターだけではなく、ジャッジにも見られている感覚も含めてあんまり好きではないです…。

では、そういう時はどうすればいいのでしょうか?7つのアドバイスを送りますので参考にしてみてください!

【短期的(大会でジャッジすることになっちゃった、という時)】
①意外となんとかなるはず、という気持ちで臨む
これって意外とあります。「オーソリ」とかって呼ばれる人も別に突拍子もないようなアーギュメントばかり言うわけではないです。それに、意外と失敗もします。極端な話「同じ人間だし」くらいの気持ちで向かっていくのは大事です。

②試合で出そうなアーギュメント、クラッシュを予想する(+人に聞く)
これは賛否両論あるのですが(変なバイアスがかかる、という場合もあるので)、個人的には推奨派です。どういう主張が来るのかなぁというのは、自分の周りの人に聞く、場合によってはACに雑談を仕掛けに行く、必要に応じてグーグルで検索する、等もいけると思います。また、「似たようなモーションがないかなぁ」と考えるのは大事です。(オーストラリアのディベーターは特にこういったパターン認識が上手なイメージです。)

③ラウンド中は、普段よりも「今ならどこにVoteするか?」と頻繁に問いかける
よく色々な人が、スピーカーごとにどっちが勝っているのか考える、のように言うと思います。これの背後にあるのは「正しく聞く(インプット)」と、「その結果どっちが勝っているのか考える(プロセス)」、「なんで勝っているのかと説明する(アウトプット)」の3つがぐるぐる行ったり来たりするほうが効率的!というところです。「ラウンドが終わってから考えよう」だと慌てふためくことになるので、普段よりも、PM、LOというスピーカー単位であったり、できればClash単位(例Free choice vs Paternalismの観点で今どっちが勝っている?」で、考えるのが大事です

④難しすぎて答えが出ないときは、いったん仮の答えを出して、後に進む
勿論本当は全部を正確に理解したいところですが、よく分からないArgument、Refutation等あると思います。ここでのポイントは、「とりあえず先に進む」ことです。意外とそれが重要ではない話かもしれないので、「今の私にはこれが限界!とりあえず分からなかったのは分からなかったとして置いておく!」って大事です

【中長期的(今後レベルの高いラウンドをみるために)】
⑤ラウンドが終わったら、ジャッジやディベーターからフィードバックをもらう
意外と色々教えてくれます。勉強中何で教えてください…とぜひ話しかけに行きましょう!

⑥ゆっくりでもいいのでトップラウンドを聞いてみる
例えばPMをメモを取りながらきく。そこで止めて、間に時間を置いて考える。そしてLOを聞く、止める、考える、等でもいいです。昔JPDUでこういう練習会もありました。先輩とかとやってみてもいいかもです。PM終わったけどもその実況と解説!みたいな感じで、このArgumentはこれくらい良かったねー、こういうところは弱そう、とかとある種「頭の中の思考」を共有する感じです

⑦結局、どこで躓いているのか明確にする
さっきの、「正しく聞く(インプット)」と、「その結果どっちが勝っているのか考える(プロセス)」、「なんで勝っているのかと説明する(アウトプット)」でいうとどこで躓いているのか明確にするのがいいです。その結果、色々な対策が出てきます。
例えば、
・インプットの課題:ノートの取り方で全部メモしてしまっている→略語を多く使う、一言では何か、を聞きながら考える
・プロセスの課題:クラッシュが見えなくなってしまっている→クラッシュ専用の紙を準備する(akの場合はスピーカーごとの紙とクラッシュ専用の紙を分けています)
・アウトプットの課題:勝ち負けの基準が足りない→基準のストックを増やす(例:こちらの記事等)

ちなみに、その他ジャッジに関連する記事はこちらにまとまっていますので適宜ご覧ください!(全般的な、主要記事まとめはこちらです)

ではまた!

2020年1月1日水曜日

ディベートの関わり方を悩んでいる人へ

2020年もどうぞよろしくお願いします!

ディベートの関わり方って悩みますよね。akも何度も悩みました。
長くディベートに携わってきた身としては、ありがたいことに色々な関わり方をさせてもらいました。それをまとめるとこんな風になります。



色々な人が色々な関わり方、まさに十人十色の関わり方があります。
ぜひ、色々な人に話を聞いてみてください。

私の場合はこんな感じです。(少しでもご参考になれば…)

・競技者としては、短い時間でチームメンバーと共に勝ち負けを競う知的スポーツであるところ、前よりできるようになる成長実感が日々楽しみでした。目標とする大会でのブレイク、優勝等は今でも覚えていますし、負けた試合は思い出すと今でも悔しさがこみ上げてきます。

・ジャッジとしても、国内外のディベーターを説得できた時の嬉しさがありました。特に最初は不慣れで、明確にイラジャだったと思います。それがうまくなっていくプロセスも好きでしたし、そもそも色々な話を知ることが好きな私は、「こういう話もあるんだ」「こんなアーギュメント思いつかないな」と感動を覚えました。

・上級生になってから、コーチをする機会が増えてきました。特に大学院になってからはその機会は増えました。ゼミと言う形をとったこともあります。ある時期は、1か月くらいつきっきりで後輩の練習を見ていた時期もありました。後輩の活躍は、自分の活躍よりも嬉しいものでした。

・運営/コミは私よりも上手な人、たくさんやられている方々もたくさんいらっしゃいますが、どちらも有意義で面白かったです。特に若いころにかかわった大会が今も続いているのを見ると感動ものですね。部長時代は仲間と共に過去の先輩たちのレガシーを梃に黄金時代を創ろうとしたこと、色々迷惑もかけましたし失敗もしましたし、当時の自分がイケていない部分はたくさんありますが、当時としてはやり切ったつもりでした。チームでなにかをつくっていく、というのはすごくいい経験でした。

・ディベートの研究は答えがないところにチャレンジする意味でとても面白いですし、社会に広める活動が最近は増えてきました。ディベートの良さ、楽しさをより多くの人が知ってくれるようになれば幸いです。

・また、ディベートの経験をもとに、色々なサークル、仕事等でご活躍している人たちがたくさんいます。akもディベートのAREAやHorizontal思考は特に色々なところで役立つなぁと思っています。

・また、何よりディベートで培った先輩・同期・後輩との関係は何事にもかえがたいですね。ある種の"戦友"ですし、"同志"です。今でも仲良くさせて頂いている方々もたくさんいて、ディベートをやってて良かったなと思います。

2019年10月13日日曜日

Kyushu Debate OpenにおけるEquityの取り組み

QDOにおけるEquityの取り組みをご紹介します。

・Equity Policyや、それに限らない大会の質向上の取り組みは不可欠だと思っています。
・QDOのEquityに関する取り組みも完璧ではないと思いますし、今後の改善の余地も多々あるかと思います。
・もちろん可能な限り多くの取り組みが導入されることは望ましいかと思いますが、お読みいただければわかるかと思いますが、すべての大会で全部を行うことは実現可能性上難しいこともあるかと思います。
・何かあれば、akにまでご連絡ください。(akの私見・最終決定が多々あるため、コミやほかのACの責任ではございません)

まずはEquityに関するスライドを共有いたします。



以下、各種取り組みに関してWhat?=何を行ったのか、 How?=ほかの大会で行う際のポイントなどをご共有します。

【1. Equity全般のの予防策】

A. 国際的なEquity Briefingの活用
(What?)HKDO、CBP等NEAで広く活用されており、ヨーロッパ・SEA・オセアニア等幅広い地域のEquity Officerにより運用されているEquity Briefingを採用しました
(How?)既に国内にあるEquity Briefingと大きな差はないと認識しているので、最新版の活用+それのアップデートが良いかと思っています

B. Equity Officerの選び方
(What?)Equity Officerの経験があるand/or運用に詳しい、韓国/中国/日本国籍の方計3名にお願いしました。また、これらとは別にCAP Equity Officerを1名任命し、モーションに関するEquity Violationが起きないように努力いたしました。なお、結果的に3/4名が女性でした。
(How?)上記の条件ですと、Equity Officerを務められる方が限定的になってしまう+その方々に負担が集中してしまうリスクがあるため、母数を増やす、未経験者/経験者のバランスをとる等の工夫は必要だと思っています。(=Best Effortでの対応になることが多いかとおもいます)

C. IA/ACの選び方
(What?)ディベート/ジャッジの実績に加えて、①地域/言語/ジェンダーのダイバーシティ、②過去のEquity Officerの経験の有無(6/7人がEquity Officerを経験)、③SDGsへの過去・将来の貢献可能性に関する記載を勘案して選出致しました。
(How?)国際大会である特性上、特にその候補者が多かったため実現しやすい点はあったことに加え、③はQDOの特性でもあることに留意は必要だと思いました。(=Best Effortでの対応になることが多いかとおもいます)

D. 全参加者のTerms of Conditionsへのサインへのお願い
(What?)WUDC等の国際大会の取り組みを参考に行いました。幾つかの項目がありますが、犯罪行為や反社会的行為があった際に大会から追放させていただく旨も書かれています。
(How?)こちらは、九州大学の法務関連の職員の方とも相談しながら作成したものであり、0から各大会で作成することは難しいかもしれません。もしかしたら、共通テンプレートの作成等が良いかもしれません。

E. Motionの選び方
(What?)Motion Discussionの際に、Is this fair?  Is this interesting? のような問いに加え、Could this be triggering/offensive?という問いも考慮しました。結果的に、少しでもリスクがある場合はTrigger Warningを出す、劣後するなども行いました。
(How?)何をもってOffensive, TriggeringなのかはACの中でも議論が分かれ、絶対的な答えがありませんでした。今回はComplaintがありませんでしたが、もし発生した場合でも、「完璧にすることはできない」ことへの理解を示しつつ、プロセス評価を行うことの重要性も感じました。
なお、テクニックとしてモーションをあえて抽象化する、wordingを一つ一つ練る、のような時間がかかることにはご留意ください。AC未経験者がACとして参画することを躊躇する、のようなリスクもあるのではないかなとやりながら思いました。

【2. Iron Personing/Opt Out】

A. In-Round(予選)におけるIron Personing/Opt Outの運用
(What?)"in cases of medical/deeply personal reasons"において、モーション発表後3分以内にACにご連絡いただければ認めました。
なお、deeply personal reasonsを詮索することはしないことを約束する一方で、単なる好き嫌い等で利用することは行わないようにメッセージを発させていただきました。
具体的なブレイクへの影響等はBriefing資料をご覧ください。
結果的に、Iron Personing/Opt Outは一度も発生しませんでした
(How?)運用のためには、多くのシャドウの方の準備が必要でした。QDOでは、運営の工数が必要で、かつ九州地域で行われる唯一の最大規模の大会であることから、シャドウの人数が限定的になる傾向にありました。
今回は、未経験者の1年生等に頭を下げて行うことにもなる可能性があったほどです…。最大で6人のシャドウを準備しつつ、さらに数名がOpt Outした場合は、10名程の余裕があるかどうかにもよるかと思います。
また、QDOはディベート未経験者の方やオブザーバーの方もいらっしゃり、かつ教室の使用時間も厳しいことから場合によっては混乱も予想されたため、導入に際しては議論がありました。

B. Out-Round(ブレイクラウンド)におけるBack-up Motions/Swing Teamの活用
(What?)予選と同じような状況になった場合は、別モーションを出す準備をしていました。(また、状況によってはSwing Teamによるラウンド)
結果的には、発生しませんでした。
(How?)運用のためには、モーションのバックアップを多く準備しておく必要があります。テーマでの被り等も勘案すると、3-4つ以上のBack Up Motionが必要になるかと思い、ACへの負担はあるかと思います。

【その他Q&A】
Q. AC以外のEquity Officerによるモーションの事前チェックは?
A. こちら、AC内でも議論したのですが、今回は見送りました。その理由としては、①CAP内のEquity Officerを任命することで、そのチェック機能を最大限確保したのと、②参加者が「Equity Officerも大丈夫だと感じている」前提でモーションを見た際に、本当にTriggering/Offensiveの際にOpt Out等をしづらくなるリスクが否めなかったのと、③ACの責任である部分が、Equity Officerに関しても責任範囲が広がってしまう(=Equity Officerの過度な負担のリスク)ことを感じたからです。
ただし、今回の大会ではこのように考えたので、他の大会でもそのようにすべき、という論調ではないことにご留意ください。

2019年10月6日日曜日

【1~2年生向け】大会が終わった後に学びを最大化する方法

今日は梅子杯があるみたいですね。自分が出たのが10年以上前だと思うと驚きですね…。
Twitterなどを見る限り、今年も盛り上がっているようで、行きたかったなぁと思っているakです。

結果が出た人も出なかった人もいるかと思います。梅子に出れなかった人もいると思います。(僕の同期にも何人もいます。)特にESSの方々は、セクションが決まったのが最近ということもあるかと思います。まだディベート人生は長いのもあるので、引き続き応援しています。

さて、大会というのは大体の方々が少なくとも4ラウンドは予選の試合を行い、オープンラウンドが3つはあるので3つのフィードバックは聞いており、4ラウンド目もジャッジに質問しに行っているかと思います。実は、4回もフィードバックを短期間で、かつ別大学の人たちから得られるのはとても貴重なので、学びにつなげてほしいなと思っています。

1. フィードバックをお願いすることは遠慮しなくて大丈夫です!
上の文章を読みながら「あ、4ラウンド目聞けてないや」「予選も実は時間がなくて個人フィードバックを聞けなかった…」等のようなパターンがあるかと思います。
不安がらないでください。そして安心してください、フィードバックはぜひ聞きに行って大丈夫です。
大会会場にいる場合は、その人のところに紙などをもって行くと周りも察してくれます。(談笑で盛り上がっているところでいっても、だいたい気づいてくれる…はずです。)怖かったら相手のチームや先輩等と一緒に行きましょう。また、それでもチャンスを逃してしまったら思い切ってFacebook等のメッセージを送ってみましょう。
私もFacebookでメッセージをもらうことが多かったです。大会後でも数日は覚えていることが多いので、それであればどんどん聞いてしまって大丈夫のはずです。
(なお、更にはakは図々しいので試合を見ていたオーディエンスの他大学の先輩やOBOGの方にも梅子の時に質問しに行っていました。。。今思い返すと丁寧に対応してくださった皆さんに感謝です。また、最近ですとモーションを出すACの人たちに質問するケースも増えているようです。(私も、数か月前、数年前の大会のモーションに関して今でも聞かれます)

2. よく言われたフィードバックを「グルーピング」しよう
少なくとも3-4人に言われたフィードバックですが、その場だとよくメモを取るかと思うんですが、意外と「グルーピング」することって多くの方がやっていないことだったりします。(やっている人はKeep Goingです)

多くの人に言われること、言われたことというのはおそらく外観的には正しいのだと思います。(もちろん、彼らが見ているラウンドの数のn数が少ない等はあるので留意は必要ですが。)なので、そこは聞いてみるといいと思います。

ここでのポイントなのですが、「全体フィードバック」「相手のフィードバック」「チームメイトのフィードバック」も含めてメモをとりながら、最終的に自分の強み・弱みをあぶりだす、というところにあります。というのは、必ずしもあなただけに向けたフィードバックで全部を構成していなかったり、ジャッジとしても多少言いづらい部分が他のところに入ってきているからです。

akの場合は1年生の時はよくロジックがある、抽象論は分かる、反論が良い、のようなコメントが多く直接的には言われました。一方で、チームメイトは「イラストが上手、感情的にすごくわかった」のようなフィードバックを良くもらいました。ここから導出できるのは、「ロジックや観点はいいのだけれども、感情的に訴えるような表現が足りない」というところになるかと思います。「即興型ディベートに必要な能力を身に着けるための練習法シリーズ② プレゼンテーション力」でいうと、"感情的な分かりやすさ"が改善の余地があるということでした。

ぜひこのようなことは「チーム」や「コーチ」と一緒にやってください。例えば、WUDCのDCAは、2時間くらい1ラウンドが終わった後チームメイトとディスカッションするみたいです。

3. フィードバックの際に、こちらからも質問しよう
ジャッジからすると、限られた時間であなたの今までの悩みをトレースすることは難しく、どのようなレベルで何を話せばよいのか迷ってしまう、ということがあります。

もちろん、オープンクエスチョンで聞くのも全然良いのですが、より個別具体のクローズドクエスチョンを聞けると、お互いにとってハッピーになりがちです。

質問の種類は例えばざっくりと思いつくものでも3種類あります。

A. 確認系
ーシンプルに分からなかった部分の定義は何か教えてもらう (それってどういう意味ですか?)
ー何かをより具体化してもらう (それって具体的にどういうことですか?今回のラウンドでいうとどのあたりの話になりますか?)

B. 自分の強み・弱みのアセスメント系
ー自分やチームのよかったところ、改善できるところを教えてもらう (よかったところ、チャレンジってどのあたりだと思いますか?)
ー上記の具体版 (ジャッジにはよくXだと言われることが多いんですが、今回ってどうでしたか?今、Yがうまくなれるように頑張っているんですが、どうでしたか?)

C. 改善のための方法系
ーどのように練習した方がよいか、教えてもらう(Xさんってどうやってうまくなりましたか?参考にしている人やスピーチはありますか?)

このような具体論があるとジャッジからもより聞きたいことを引き出せたりするのでおすすめです。

4. "Reason for Decision"から学び取ってほしいのは、勝ちのための「引き出し」
Reason for Decisionは、特にVoteで負けです、と言われた後に聞くのはなかなか辛いものです。絶対に勝っただろ、と思った際に出てくる怒りのような感情。負けたなぁと思った時の再度押し寄せる絶望の感情。気持ちはすごくわかります。
可能な限り、そこで思ってほしいのは「次のために、自分の成長のために聞こう」というマインドになるかと思います。難しいですが…。
大会の際は、色々なジャッジがそれぞれのReason for Decisionを説明してきます。普段聞きなれていない表現であったり、見方、重みづけだと思います。
(いわゆる「え、そこで見たの?」というような感覚もここかと思います。)

例えば、以前も「色々なジャッジのやりかたの考察 ~ジャッジが使用する基準リスト、よくあるジャッジスタイル等~」という記事でこちらを取り上げました。Principleを重視する人とPracticalを重視する人、ロジック重視・感情重視等、Diversityとしていろいろあり得るわけです。

「その見方は違う」と言って怒ったりTwitterに何か書き込むよりも、「色々な人を説得できる」(=別の土俵でも戦える)という方がかっこいいし、イケてると思うんですよね。(akは結構かみついたのでイケていなかったのですが…)ぜひ、大会を期に自分は「どういう癖を持っているのか、どういう強みがあるのか」、「ほかのこういう人まで説得するには?」と考えてほしいです。

また、より足元で分かりやすい話としては、"exclusivity"のような、普段仮に聞きなれない表現があればぜひメモってください。そしてそれがどういう意味かも聞いて、自分のものにしていきましょう。

なお、長期的には「どうすれば、上手くなれるのか? -"成長エンジンの設計方法"-」のような内容も実践いただければと思います。



この記事に関する質問も大歓迎です。https://twitter.com/ak_debate こちらへのDM等もいつでもお待ちしています。

2019年9月21日土曜日

久しぶりに大会に出るときに 5つのポイント

久しぶりの更新です。

・就職活動や院試、留学等のため、暫くディベートから離れていた…
・しばらく他のサークルやバイト等をやっていたけど、久しぶりにディベートコミュニティに復帰したい…
・社会人になって集中していたので、しばらくラウンド等もできていなかった…
・一回引退宣言してしまったのだけれども、色々あってディベートしたくなった…

最後のケースはあまり無いかもしれませんが、上の3つはよくあるのではないでしょうか。

私も、就活の時はディベートから一時期離れていたり、社会人になって大会に出る頻度がすごく下がっている時期などが何度かありました。(現に、今年は半年くらい一度もスピーチしていない)

akのやり方がベストだとは思わないのですが、ポイントを5つほどご共有します。

1. 最近のディベートのトレンドが何か、を早めにアップデートする
これは特に半年や1年単位で大会に出ていない場合等はおすすめです。

10年間定点観測的にディベートを見ていても、Practical重視時期、Principleが重視になる時期、特定のディベート用語が流行する時期(mutually exclusive、counterfactual)、特定のスピーチスタイルが流行するとき(詰め込み型、ゆっくり見せる型)、特定のArgumentが流行する時期(social discourse、echo chamber)等色々あります。

その際には、例えば少なくとも
・最近の現役生がACを行っているモーションはどういうのが多いのか?
・最近のBriefingやAdjudication Examでの特徴は何か?
・最近特にみんなが見ている国内外の音源/ディベーターはだれか?
の3つを抑えると良いと思います。

私のように古い人間だとどうしても、2010年頃の世界大会の決勝を見たり、
困ったらSQ, AP, Impactだ!のようになりがちで、
スピ練をするにしても、昔見たことあるモーションに依存するような、いわゆる"comfort zone"から抜け出せていない、ということが知らず知らずのうちにあります。ぜひ私の二の轍を踏まないように…。具体的には、一回現役の練習にも(恥ずかしいですが)顔を出すなども有効です。

2. 一方で、自分が大事にしていた"ディベートの型"を取り戻す

上の話と矛盾するようですが、実はそうでもないです。時代が変わってもディベートで本質的に必要なスキルなどが大きく変わるわけではありません。

例えば結局のところ、私としてはAREAの考え方であるサンドウィッチ式が伝わりやすいというのはディベート外でも積み重なれた理論ですし、
SQ, AP, Impactの話も、近年Impactの概念がメタの話まで入り込んできている、等のチューニングは必要であったり、必ずしも比較対象がSQ, APではないかもしれないが使える部分があったり、
思考方法としてのTBHは、例えばモーションによっての向き不向きはあるものの、引き出しとして有益である部分もあります。

どう頑張っても一気に現役のころのような勘が急速にとり戻るわけではないこともありますが、一方で自分が現役のころだった時、調子が良かった時にどういうことをやっていたのか、その時の80点を取りに行くことは行ったほうがいいです。

その方法ですが、もし現役のころからルーティーンにしていたものがあれば、まずはそれを行ってみるのが良いです。akの場合は「ディベートノート」と「マターファイル」(詳細はこちら)が絶好調の時はほぼ全部頭に入っている状態だったので、まずはほこりをかぶっているそれらを読み返します。

最近は仕事柄英語もよく使うのですが、一時期使わなかったときはシンプルに一回話してみて口を慣らすこともやっています。社会人ディベーターの弁論同好会さんも似たようなことをやっていますね。(記事はこちら)。また社会人の話し方だとゆっくりと前提から話しすぎる傾向がでてくるので、それを短い時間で話す練習とかもよくやります。

現役のころ再現性高められるようにいくつか理論化している人のほうがこの復帰は早いのですが、もししたことがあまりない方であれば、

・自分がうまかったころのスピーチを聞いてみて、今の自分と比べてみる
・昔レクチャーなどをしていたらそれを読み直す、見返す
・どんなふうにプレパしていたかなどを思い出す、昔のパートナーに聞いてみる

あたりがおすすめです。

3. ラウンドはやったほうが良い、できればWhip等ラウンドの後半で、課題を一気に明確化しよう

ラウンド偏重はもちろんだめなのですが、
一方で、ラウンドは何度かやったほうがいいです。

結局プレパ練だと相手が何を言ってくるかわからなかったり、
反論や立論の優先順位のつけ方、
特にBPでの「立ち回り」等は試合をやったほうが早いです。

事実、社会人になってBPをほぼ1回もできずに大会に出ると、
全然Extensionも出せないし、反論の仕方も忘れていてあわあわし、全然パフォームしなかったときとかもありました。お恥ずかしい…。

その時の反省は、スピ練とかだけだと限界があるなということでした。

特に、PMやLOは比較的練習しやすいのですが、
Whip等、ラウンドの後半のほうがより勘が取り戻されやすいのでお勧めです。

また、ラウンドはそんなに何回もできない場合もあるので、
この前QDOのワークショップでEntingも言っていましたが、終わった後のチームメイトとのディスカッションにむしろ1-2時間かけるくらいの勢いで
「何を学んだか?」「何が良かったか?」「何を改善するといいか?」のようなディスカッションができるといいですし、
akもそちらをLINE等含めて行うようにしています。

4. 今だからこそ出せる「強み」にも注目する

ここまで、ややネガティブであったりチャレンジングな話も多くあったかと思います。
正直ディベートで復帰するって色々難しいです。それはすごくわかります。

一方で、実は「強み」もあることを忘れないでほしいです。

例えば院試であれば特定の分野の知識がよりあがっているかもしれない
留学であれば英語力があがっているかもしれない
他のサークルの経験で何か得たものもあるかもしれない
社会人になって新たに得たスキルがあるかもしれない

このように、他の経験を通じて実は新しい「強み」がある場合が多いです。
社会人であると、経済モーションが強くなるとか、よくあるパターンかもしれませんね。

また、シンプルに「久しぶりにディベートを見る」という客観性が
実は新たな戦い方のヒントの着想に繋がることもあります。

中にいたときは気づかなかったが、外から見て気づくことは色々あります。

例えば、私の場合は、イントロの重要性。昔はイントロを省いてでも3つ目のArgumentを言おうとかと思っていましたが、改めてラウンドを聞いてみると分かりづらい、ジャッジとして取りづらいというところがあるんだろうなと思い、イントロにより魂を込めて差別化するということもあるでしょう。

久しぶりに来たことで感じた「違和感」「気づき」は、戦略にも昇華できる余地があるのです。

5. 一歩セットバックして、ディベートでの目標を改めて設定する

また、やや次元が高い話になりますが、重要になるのはディベートに戻って何を得たいのか、というのをはっきりすることでもあるかと思います。

就活から戻ってきた場合は、再度リベンジし、ブレイクや優勝などが目標になるかもしれませんし、
社会人の場合は、取り急ぎ現役のころのパフォーマンスは諦めて、久しぶりにラウンドして楽しさを思い出す、とかもあり得るかもしれません。

また、長期的にみる場合は、取り急ぎ足元の大会では勘を取り戻す、この大会ではSF以上を目指す、等と時間軸をずらすことも重要です。

特に社会人としてコミットする際に「プロディベーター」として時間をたくさん割ける例外的な場合はともかく、
普段の仕事やプライベート、人によっては家庭もある中で現役とただ張り合って優勝しよう、という目標は場合によってはあいにく現実的ではないことも多いです。

akの場合、とはいえ負けず嫌いなので優勝なども含めて目標をセットするのですが、前よりも目標を下げることもありますし、
また、それ以上に「ディベートを通じて(仕事にも活かせる)自分の弱みを改善する」ことに目標を置いてきました。

例えば仕事柄経済まわりや教育周りのインプットが多くなっていた時は、
あえて国際関係等普段見ていないことをインプットすることを目標にしていましたし、

コンサルで必要なロジカルシンキング(MECE等)が弱かった時期は、
それをディベートを通じてアウトプットする、というようなことを目標に置いていました。

また、シンプルにラウンドでのアドレナリンやチームワークなど、場合によっては観光なども楽しいですよね…!社会人になるとより染みます。。。


いかがでしたでしょうか、普段と違う切り口でしたが、
参考になれば幸いです!

2019年7月27日土曜日

「え、何このモーション」となった時に行う6つのこと

久しぶりの更新です。ディベートを長くやっていても、「え、何このモーション」となる時ってあるかと思います。初心者の方にもありがちですが、私も、国際大会を中心に見たことないモーションを見たとき、久しぶりに大会に出たときに最近の流行となっているモーションを見たとき、なります。そのようなときのTipsをご紹介します。

1. まずとりあえず落ち着いてモーションを読む、書く
慌てても逆効果になってしまいます。とりあえず、まずはゆっくりとモーションをもう一度読む、場合によって実際に書く、ということを行います。
また、私は「難しいモーションの場合、相手も焦っているはずだ」と思うことにしています。テストで難しい問題ができたときの「他の人もきっと解けないはずだ」精神かもしれません。ディベートは相対的に上回れば勝ちにはなるので、落ち着くことが大事です。

2. 何が、「何このモーション」と思ってしまった理由なのか考える
このような状況に追い込まれる際には幾つかのパターンしかないはずです。
① 単純にモーションに書かれている言葉やコンセプトを知らない
(例えば、アフリカのこの国のこういう部族、最近あった具体的な人名等をみて焦ることがあるかもしれません。)
② モーションのワーディングの関係で、意味がすっと分からない
(特に長文である場合、構文が一瞬理解できない。日本のディベート界であまり見ない表現が急に出てくる、等もあるかもしれないです。よく「あるある」だとlift sanctionsってあれ、どっち、となる方が多いとか。)
等はよくある場合ですね。その原因が分かると落ち着いてその対応策を考えられるので、便利です。

3. 分からない場合は早めに他の人に聞く
プレパ時間はあまり長くなりません。まずはパートナーに素直に「分からない」と言うことを伝えましょう。私がディベートの大会に出るときは最初にそういうルールをつくっておくこともあります。意外とパートナーが冷静でよく知っている場合があったりします。また、AC陣(Chief Adjudicator, Deputy Chief Adjudicator)等モーションの意味を聞きに行くこともできます。

4. 思考方法を意識的に切り替える
TBH思考法は、それぞれに得手不得手があります。(意外と知られていないかもですが。)したがって、チームとして普段行うプレパでない形で考えるのも時には重要です。例えば、ボトムアップ型のディベーターの場合、具体的なキーワードを知らない場合パニックになってしまうことがあります。その場合は「抽象的に考えると、これは結局政府がどの程度介入するのかって話かもしれない」「ある種、経済対環境の対立なのでは?のように、1st Principleから考える、などが有効になるかもしれません。議題によっては、片方のチームはよく分かる場合もあるので、Horizontalに切り替えることも有効です。
(思考法に関しては、概要としてのこの記事や身に着ける方法としてのこの記事などが参考になります)

5. 完璧を捨てる
最後に、1でも少し触れましたが、ディベートは相対的に上回れれば勝ちです。また、毎回自分の最高得点の更新を狙う必要もありません。私もジェミニのときは、分からないモーションが出たとき、Matter 4点 Manner 5点(今でいう、65-85点の間であれば、67点とかに相当)で辛勝したこともあります。2nd Speakerが話す3rd Argumentがないこともあります。(あるMDO EFL Championのチームは、何度か3rd Argumentが無い状態に陥ったようです。笑)普段と違うパフォーマンスではあるものの、Harm Minimizationを行う、のがテクニックです。

6. ラウンド外で、冷静になってPDCAを回す
試合が終わった後、「なんでこうなってしまったのか」という反省を基に、PDCAサイクルを回すことが重要になります。例えば単純な苦手分野の場合はそのリサーチということになるかもしれませんし。即興型ディベートは多くの議題に触れないといけないことから、議題の選び方から工夫したほうがいいかもしれません。(詳しくはこの記事参照。)

2019年5月3日金曜日

"戦場"としたいイシュー、選んでいますか?

令和になりましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今日はディベートの戦略のヒントとなることに関してお話したいと思います。

突然ですが、皆さんは「"戦場"としたいイシュー」を選んでいますか?
それとも、取り急ぎ思いついた幾つかのイシューやアーギュメントを出していますか?
(※ イシューは、取り急ぎ相手から反論もされる"観点"、"Clash point"と同義だと思っていただいて構いません。)

最初のうちは思いついたイシューでの「ごり押し」でも勝てるのですが(何を隠そう私もそのタイプのディベーターです…)上手い相手になると、どのイシューを選ぶのか、所謂「イシュー・セレクション」が重要になります。(TBH思考法でいうHorizontalの話かもしれません。)

1. なぜ"戦場"としたいイシューが重要か?

少し話を抽象化して、「勝てる土俵を選ぶ」という表現はご存知でしょうか?自分に有利となるような分野であったり、テーマであったり、"モノサシ"であったり、色々あるかと思いますが、どこで戦うかが重要だということを表しています。

ディベートの各議題において、Gov/Oppが公平だということは、つまりは「Gov、Oppどちらにとっても有利な土俵が存在している」という意味でもあります。

より卑近な話で言うと、かなり相手から反論"されづらい"、とても強いイシューがあり得ます。説明責任も軽く、直観的(Intuitive)な話が多いかと思います。
例えば、THW mandate organ donations after death.というようなモーションで、Governmentで臓器不足が一定解消され、命が助かることはOppositionとしては戦えはしますがなかなか反論しづらいでしょうし、THW ban cosmetic surgeryのOppositionで、奇麗になれる、嬉しい、というような話も強いかと思います。

もちろん、それぞれそのような強いIssueへの対応策は諸々考えるのですが、「勝てる土俵」(≒戦場としたいイシュー)かというとそうではなく、「不利な土俵」(≒戦場とはしたくないイシュー)であることは間違いありません。

必死にミクロな反論を4-5個うったところで、「弱められてはいたが、残った」(≒mitigatoryだった)と評されることが多いかと思います。結局Closeになっても勝てない、というのはこれが原因だったりします。

2. "戦場"としたいイシューはどのように見つけるか?

では、どのようにして戦場としたいイシューを見つけるのでしょうか?

第1に、自分として"戦場"としたい基準を幾つか持っておくことが重要となります。これは、前述したような、説明責任の軽さや、直観的か否かということが基準になり得ます。Moral High Groundをとれるか(≒聞こえの良い話ができるか)、というようなものも直観的の一要素かもしれませんがあるでしょう。場合によっては、自分が知識的に知っている分野であったり、自分の信条とフィットしており話しやすい、というようなこともあるかもしれません。いずれにしろ、まずは議論単体であったり、あなたの強みと照らし合わせて考える部分が存在します。

第2に、相手に「反論されづらい」かどうかを見る必要があるかと思います。ここでは、自分の話に対して相手がどのように反論してくるか、何度か行ったり来たりすることがオススメです。どのような角度から来ても、そこそこ残りそうな話であればそれを"戦場"として相違ないということかもしれません。

第3に、あくまでこれは「相対論」となるので、他のイシューと簡単にでも良いのでスキミングできると良いです。つまり、複数イシューがあり得る場合はその中でもどれが強くなりそうか、という比較になり得ますし、相手が出してきそうな最も強いイシューと同じなのか、そうでないのか等も勘案できるとベストです。

3. どのように自分の"戦場"に持ち込むか?

ここまでくると、どの戦場で戦うかは分かったので、次は実際にその戦場に持ち込む必要性が出てきます。ここはある程度ケースバイケースではあるものの、例えば下記のような戦術が考えられます。

(a) その"戦場"に時間をかける
分かりやすい話かもしれませんが、1st Speakerの最初のArgumentから含め、スピーチのエアタイムを増やすことは一つできることかと思います。ジャッジとしても無視しづらいので。そして単に同じことを繰り返すのではなく、ロジック、例等可能な限り強めます。これをある種"squeeze the argument", "leverage the argument"というような表現を海外勢はしています。最大限活用するということかと思います。
(なお、ただし、結局のところArgumentは量×質なので、質があまりにも悪いとジャッジとしても判断してくれませんが…。)

(b) その"戦場"がなぜ大事か説明する
"This debate is about..."というようなフレーミングが一時期流行していましたが、このイメージです。なぜ話しているIssueが最も重要なのかを明示的に説明することが一手となります。結局はこのtradeoffが普通だよね、というSpirit of the Motionや、Core Issueに近いことを示すことであったり、相手の話を踏まえて"このイシューが最も重要だよね"ということを明示的/暗黙的なコンセンサスだとしてしまうパターン等諸々あります。

(c) 相手の"戦場"が関係ない/重要ではないと言いに行く
なぜ相手の話が重要ではないか、ということを示しに行くことも一つの戦術となります。明らかに関係ないよね、インパクト小さいよね、Exclusiveじゃないよね、Set-upと関係ない話をしているよね、等色々あるかと思います。

4. どのように"戦場"選びを型化していくか?

これらを一過性の取り組みとしないためには、幾つかの方法論があります。

・プレパの一つの問いにしてしまう(例えば、以前プレパ・シートについて書いたかと思いますが、ポイントとなるのは思考を走らせるための問いなので、そこに入れるのが良いかと。)
・"戦場"の基準を精緻化していく (2.の話ですね。これは、例えばうまいディベーターがどのようなイシューを最初に選んでいるのか、ジャッジがどのようなイシューでVoteを決めたのか、というようなところから考えるのも一手となります)
・大きな対立軸(≒Cookie Cutter)とセットで覚える (こちらの記事でも書きましたが、「大きな対立軸」っていくつかあります。結局はトレードオフがある程度ディベートは不可避なので、例えばRetribution vs Rehabilitation、Economy vs Environment等、幾つかのパターン認識を持つというのも効率的です)
・"戦場"選びに失敗したパターンのストック (akもよくやるのですが、なぜ失敗したのかを深堀りします。自分のバイアスが入りすぎた、相手に細かく対応しすぎた、等幾つかの恥ずかしい失敗事由にたどり着きます…)


いかがでしたでしょうか。ぜひ"戦場"としたいイシューを正しく選んでくださいね!

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主要記事まとめはこちら

2019年3月28日木曜日

3 Motions、どうやって選んでいますか?

Asianの醍醐味の一つでもある3 Motion。どうやって選んでいますか?というとなかなか答えられない人もいらっしゃいます。

ここでは、ak流のポイントを幾つかご紹介します。

① 3つの順番ではなく、まずはVetoを決める

もちろん、1, 2, 3を付けるのが最終的には大事なのですが、その中でも1, 2をどちらにするかという論点よりも、「どれをVetoするか(≒3にするか)」という論点のほうが重要です。つまり、自サイドにとって一番難しそうなモーションを選びぬくのです。

したがって、最初に3人で話し合う時は、どれをVetoするかをまずは話しましょう。

例を一つ出すと、下記のような状況になったとしましょう。

モーション Xさん Yさん Zさん
  A    1   1   1
  B    2   3   3
  C    3   2   2

この場合、Aは行うということなのでしょうが、BとCのどちらをVetoするのか?という点を最重視して議論すすことになります。この場合Xさん例えばCをVetoする理由を話し、Yさん、ZさんがBをVetoする理由を説明し、その比較を行うことになるかと思います。

② Vetoの"基準"をチームで共有する

Vetoがなかなか決まらないときにありがちなのは、Vetoの基準がチームとして存在しないことに起因することがよくあります。(もちろん、そもそもモーションがチームで見たときに悩ましい、のようなケースもありますが)巷でよく使われる基準としては下記のようなものが多いかと思います。

- 自サイドの分かりやすい、強い話が最後まで立つか?
- 相手サイドの分かりやすい、強い話にカウンターできるか?
- バーデンが重くないか?(all、neverのような場合は要注意。またモーションの性質上、分かりやすいか)
- Strategic Stance(model, counter-plan)によって大きく不利にならないか?もしくは有利にできないか?
- 自分たちが話しやすいか?(スタイルとして慣れている話、知識面でよく知っている話)

結局のところ、これらを総合してakは「勝ち筋が見えるか?」という観点を最重視しています。3行くらいでReason for decisionを説明できそうな試合展開ができそうか、というところですね。

このように基準を言語化しておけると、ブレイクラウンドなどあわただしい時にも慌てずに、基本に忠実に決めることができることが多いです。

③ 本当に困ったときの意思決定方法を決める

とはいえ、悩むことはあるかと思います。そうした際の決め方も事前に決めておくと納得感が高まりやすいです。

学生で現役だった頃からよく使っている基準は「リーダーが話しやすいか」です。結局のところリーダーでがん立ちさせる、ことが勝ちへの第一歩だからです。リーダーが自信がないと、後手に回ってしまいますし、プレパ中もMatterの共有で大きく時間を使ってしまうことにもなりかねない、という側面もあります。

他にも使ったことがあるのは、多数決です。これも分かりやすいですね。また、だれか意思決定者を置くというパターンもあります。これは賛否が分かれるかもしれませんが、「負けたら先輩のせい」マインドの重要性は以前「後輩と組む時に ~akが考えていたこと、やってもらえて嬉しかったこと~」でも書いた通りですが、あえてakが責任をとるというパターンもありました。何かあったら「僕がvetoをしくったから」ということも言えますし。また、思わぬ副産物として、「絶対に逃げられない」状態になるために必死に考えるようになるというメリットも実はあります。

④ ベストは1分半で意思決定する、という水準感で無駄をそぎ落とす

日本だと5分かけることが当たり前だという状況かと思いますが、UADCに2回、Australsに1回選手として行った経験から、中堅~強豪チームは1分半程で(場合によってはより早く)決めてきます。その時に衝撃を受けた覚えがありました。

「なんとなくの5分」の上限に甘えていたかもな、とその時思い、それ以降プレパ練では1分半で決めれるような目標として行っていました。

実は、①~③を念頭に何度かチームで合わせておくと、ディスカッションを効率的に行う仕掛けをセットにすれば十分に実現可能な水準です。「なんで1分半でできなかったんだろう?」と考えると、無駄が色々見えてきます。

例えば、細かい話でいうと、akはそのために、モーションを紙に書かないで考える癖をつけました。(書いている間に1分くらい立ってしまうことを経験したので、明確に問題だったなと思い。)

akがコーチした事例だと、他にも実はダラダラ話してしまっていた、すぐ確認したほうがよかったwordingを議論しなかった、gov/oppをしっかり確認していなかった、などよくありがちなミス・無駄に気づくというパターンなどもありました。


以上、3 Motionsの選び方に関するポストでした。

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主要記事まとめはこちら
3 motionsを選んだあとのプレパなどに関しては、「プレパ・シート」のシリーズなどがおすすめです。

2019年2月24日日曜日

Point of Information (POI)の4類型

Point of Information (POI)は即興型ディベートの醍醐味ともされています。競技ディベートの観点では、勝敗を分けえる理由にもなります。(例えば、私はある大会の決勝でPOIのやり取りの関係で優勝を逃したこともあります…)

一方で、POIに関するフィードバックはコミュニティとして少ないかと思います。この前のTitech Cupであるジャッジの方にPOIの話を(おそらく10年目で初めて)され、そういえばPOIに関して体系的に考えたことはあまりなかったな、と思い記事にしてみようと思いました。

私はPOIは4類型あると思っています。下記の4点です。
1. Clarification (確認)
2. Reminding/Hinting your argument (議論の提示)
3. Failure(相手の議論の欠点の指摘)
4. New rebuttals(新しい反論)

ak的には、幾つかのポイントがあるかと思います。

1. 4類型を引き出しとして具備せよ
POIは例えばこの4類型あるんだな、と自覚しておくことにより戦略の幅が広がります。つまり、「今はこのPOIのほうが有効だな」と言う風にケースバイケースで判断することにもつながりますし、場合によっては自分のPOIが偏っていることに気づくこともあります。まずは、自分として4つとも使いこなせるようになっておくという意識からスタートしましょう。

2. Clarificationは、最低限にすることが原則(他の3類型を基本は優先)
ただ単純な聞き逃しへの対応としてのClarification(これも定義に入りますか?等)はしっかりチームとして聞きましょう、ということに尽きるので割けるようにしましょう。どちらかというと、例えば定義が広くなり得る場合に確認し自サイドの議論を立たせようとするための確認であったり、Stanceをとらせることによって相手のケースの一貫性をつく/相手の説明責任を増やす、のような戦略的な面を除いてあまり有効ではない気がします。行うとしても1st Speaker相手かと思います。

例えば古い例で恐縮ですが、WUDC 2010 QFのTHW ban procedures that alters racial appearance.というようなモーションで、OGに対してCOはHow is this different from gender reassignment surgery?のようなPOIをしていたかと思います。これはOGが他のProcedureとの差分を説明することをある種強いているかと思います。ただ、BPという性質上、あまり議論を出しすぎるとOOに取られてしまうというなか行っているPOIだということに留意は必要です。

3. 自分が直接的に反論できないときはNew Rebuttalsを使え
AsianであればOWが新しい議論を出してきたとき、BPであればOpeningがClosingに対してであれば④のNew Rebuttalsが有効になり得ます。

特にBPであれば、直近のChina BP 2018のSFで、あるチームがOOで、CGと競っている際に、COがCGのコアとなる議論に反論していませんでした。その際GWに対してOOが直截的に反論し、それに対して対応できなかったCGを落とす理由になるなと思いながら見ていたところ、世界大会のDCAも含む他のジャッジも重くとっており、OOが上になりました。

直近のAsianのシーズンにおいても、OWで一気に議論を出される際に競っている場合はひっくり返し得る大きなファクターとなるのでぜひ活用しましょう。

4. これらの4類型は組み合わせも可能
必ずしもすべてのPOIがこの4つのどれか、というわけではなく、重なる部分もあります。便宜上分けていますが、例えばComparison的なPOIだと②と④が混ざるかと思います。具体的には、We told you the argument of X, how is this more important than Y in terms of utility?のようなPOIであれば、反論しながら自分の議論を押していることにもなるかと思います。

また、自分がすでにはなしたArgumentに対して反論が来ており、それに対する再反論で例を一つ入れ込む(直近ですと、Macau Tournament of Champions 2018のOGのImranがCOに対して行っていたような、他の国の例が当てはまらないというような反論)は、④にあたりつつも、②にも一部あたるようなものとしても捉えられるかもしれません。


以上、なかなか学ばないPOIに関するエントリーでした。

2019年1月7日月曜日

ディベート関連のお勧め資料一覧(暫定版)

2019年もどうぞよろしくお願いします!
以前Do not reinvent the wheel!という話をしましたが、では具体的にどういう資料をお勧めしているのかという話をさせてください。

(皆様の情報提供に応じて適宜アップデートしますので、お勧めの資料があればご教示ください!)

【日本語】

JPDU Resources
有名ディベーターの資料がたくさんあります。1年生の時にその時ネットにあがっていたものは全部読みました。もちろん、今の文脈では少し古くなってしまっているものもありますが、示唆に富みます。例えば、以前も、もし初心者が5日後に大会に出ないといけないとしたら、という記事でご紹介しましたがこちらのページにある奥田さんのPrinciple等は素晴らしいです。インテリジェンスに裏付けられておりかつ実践的です。
また、こちらのBPの資料は実は世界トップクラスのコーチであるローガン、シャーミラ等がレクチャーしていたADIの資料なので初心者向けではありつつも本質的な内容になっています。

Asian Bridge関連の資料
1年生のAsian入門の大会では、毎年教えることもお上手な方がお話されています。例えば2013年の分はこちらにありますが、例えば2018年はUTの栗田さんの戦略や、WADの藤田さんのArgumentに関するレクチャー資料はとても示唆に富みます。どちらも理論と具体例のバランスが素晴らしく、さすが1時代を築いたディベーター達ですね。(他の資料はFacebook Page等に上がっているかと思います)

去年の西日本のBP Noviceでは、色々な方々がディベートの練習方法などに関して書かれています。例えば、田中さん(仮)の「復習」という内容は骨太ですし、お勧めです。いかにしてPDCAサイクルを回すかということが具体論で書かれています。また、歴史的に見ても関西で殿堂入りするであろうディベーターである鍋島さんの練習方法に関する記事は、ぜひ地方大学/EFL/伸び悩んだディベーターには読んで欲しいです。

各種団体/大学ブログの記事
様々なブログで名記事があります。例えば、JPDUブログでは、圧倒的な分かりやすさを武器に独自のスタイルを築き現在はHPDUでもチーフコーチを務めている小野さんはAsianの在り方を一つ提示しています。他にも各大学のブログでは、色々な記事があります。

少し古いですが、有志によるブログです。色々な人が書いているのでオススメです。お好きな記事を検索していただければと思いますが、「純ジャパ」としての戦い方、各種大会のモーション解説、経済入門、Whipのやり方等色々あります。全般的に示唆に富みます。

後白 翼(WAD)さんの「debate音源入門
多くの人が聞いている有名音源をビジュアルにもきれいなパワーポイントでまとめつつ、音源の使い方までしっかりと踏み込んでいる良い資料です。特に1-2年生にはまず勧めたいですね。

田村 光さん(KDS)さんの「How to judge BP rounds
実力は既にご説明する必要はないですが、理論化に関して個人的に歴史的に見てもピカ一だと思う田村さんのジャッジのAll-In-Oneの記事です。ステップバイステップで相当に丁寧に書かれているので、少しBPをやりはじめたら読んで欲しいです。

yowainuさんの「弱者の遠吠え
「ディベート留学」「EFL」「地方大学」がキーワードのブログ。動画の解説では有名音源を取り上げていたり、ヨーロッパの名門校・Leidenでのディベート留学での軌跡等も読みごたえがあります。

その他各種個人ブログ
一つ一つご紹介しようと思いましたが、弁論ブログでディベートブログで良記事がありましたのでそちらをご参照ください。(なお、弁論同好会さんは視点が素晴らしく、毎回更新を楽しみにしています)

その他国内のディベートレクチャー
弁論同好会さんがまとめられているこちらのプレイリストがとても良いです。上記でもご紹介しているAsian Bridge以外にも、Asian Okahashi、Gemini等多くの練習会の動画があり、必見です。

【英語】

MonashのDebate Handbook
言わずと知れたオーストラリアの強豪校のMonash大学が出している資料です。First Principleがコンパクトに美しくまとまっています。少し長いですが、ぜひ何度も読み返してほしい内容です。また、MonashのTraining Videoもいいですね。(過去に全部分担してノートをつくる、とかやりました)

EUDC Training Center
最近特に動画を見ているのはこれですね。ディベートのスキル×知識両面で、世界のトップディベーターの分かりやすい動画が多いです。
例えば、最近観てよかったのと思うのはSeven argumentation mistakes to avoid, with Olivia Sundbergですとか、Case strategy and construction, with Ashish Kumarとか。結構全部タメになります。最近のトレンドもわかりますし。

WUDC Mexico Training
2つ前の世界大会のトレーニング資料です。特に一つ目の動画のMDGのFramingの話はシンプルかつ具体的に今のArgumentの在り方を示しているかと思います。また、余裕があればジャッジのマニュアルも読んでみるといいと思います

Alfred SniderのVideo
ディベートの巨匠のディベート動画です。(ホームページの方は動画が残念ながら消えてしまっています…)オックスフォードのリディアン・モーガンのレクチャー等含め、今見返しても面白い動画が多いです。

LoganのVideo
二回も世界大会でCAを行っているアジアのスーパーディベーター・ローガンの動画です。このWhipとReplyに関する動画だとか、具体のモーションのブレストの内容(例はこちら)などもとてもタメになります。

その他個人の動画
・世界チャンピオンであるWill Jonesのディベートレクチャーはこちら
・世界最強豪のSydney大学で、世界チャンピオンであるChris Croke、Steve Hindのレクチャーはこちら