2019年2月24日日曜日

Point of Information (POI)の4類型

Point of Information (POI)は即興型ディベートの醍醐味ともされています。競技ディベートの観点では、勝敗を分けえる理由にもなります。(例えば、私はある大会の決勝でPOIのやり取りの関係で優勝を逃したこともあります…)

一方で、POIに関するフィードバックはコミュニティとして少ないかと思います。この前のTitech Cupであるジャッジの方にPOIの話を(おそらく10年目で初めて)され、そういえばPOIに関して体系的に考えたことはあまりなかったな、と思い記事にしてみようと思いました。

私はPOIは4類型あると思っています。下記の4点です。
1. Clarification (確認)
2. Reminding/Hinting your argument (議論の提示)
3. Failure(相手の議論の欠点の指摘)
4. New rebuttals(新しい反論)

ak的には、幾つかのポイントがあるかと思います。

1. 4類型を引き出しとして具備せよ
POIは例えばこの4類型あるんだな、と自覚しておくことにより戦略の幅が広がります。つまり、「今はこのPOIのほうが有効だな」と言う風にケースバイケースで判断することにもつながりますし、場合によっては自分のPOIが偏っていることに気づくこともあります。まずは、自分として4つとも使いこなせるようになっておくという意識からスタートしましょう。

2. Clarificationは、最低限にすることが原則(他の3類型を基本は優先)
ただ単純な聞き逃しへの対応としてのClarification(これも定義に入りますか?等)はしっかりチームとして聞きましょう、ということに尽きるので割けるようにしましょう。どちらかというと、例えば定義が広くなり得る場合に確認し自サイドの議論を立たせようとするための確認であったり、Stanceをとらせることによって相手のケースの一貫性をつく/相手の説明責任を増やす、のような戦略的な面を除いてあまり有効ではない気がします。行うとしても1st Speaker相手かと思います。

例えば古い例で恐縮ですが、WUDC 2010 QFのTHW ban procedures that alters racial appearance.というようなモーションで、OGに対してCOはHow is this different from gender reassignment surgery?のようなPOIをしていたかと思います。これはOGが他のProcedureとの差分を説明することをある種強いているかと思います。ただ、BPという性質上、あまり議論を出しすぎるとOOに取られてしまうというなか行っているPOIだということに留意は必要です。

3. 自分が直接的に反論できないときはNew Rebuttalsを使え
AsianであればOWが新しい議論を出してきたとき、BPであればOpeningがClosingに対してであれば④のNew Rebuttalsが有効になり得ます。

特にBPであれば、直近のChina BP 2018のSFで、あるチームがOOで、CGと競っている際に、COがCGのコアとなる議論に反論していませんでした。その際GWに対してOOが直截的に反論し、それに対して対応できなかったCGを落とす理由になるなと思いながら見ていたところ、世界大会のDCAも含む他のジャッジも重くとっており、OOが上になりました。

直近のAsianのシーズンにおいても、OWで一気に議論を出される際に競っている場合はひっくり返し得る大きなファクターとなるのでぜひ活用しましょう。

4. これらの4類型は組み合わせも可能
必ずしもすべてのPOIがこの4つのどれか、というわけではなく、重なる部分もあります。便宜上分けていますが、例えばComparison的なPOIだと②と④が混ざるかと思います。具体的には、We told you the argument of X, how is this more important than Y in terms of utility?のようなPOIであれば、反論しながら自分の議論を押していることにもなるかと思います。

また、自分がすでにはなしたArgumentに対して反論が来ており、それに対する再反論で例を一つ入れ込む(直近ですと、Macau Tournament of Champions 2018のOGのImranがCOに対して行っていたような、他の国の例が当てはまらないというような反論)は、④にあたりつつも、②にも一部あたるようなものとしても捉えられるかもしれません。


以上、なかなか学ばないPOIに関するエントリーでした。