2018年4月1日日曜日

フィードバックのコツ② 対初心者向け(新歓期)のフィードバック

前回のフィードバックのコツ① フィードバックの型 ~4つの点を伝えることを目指す~の続きです。

今回は4月ということもあり、初心者向けのフィードバックの話をしたいと思います。
(それにしても、新人だったころって何年前ですかね…ak_debateにも今より可愛い時期があったというと、信じてくれないんですが…)

初心者のときってどういうことを言われたら嬉しかったですかね?不安な中、チャレンジングなゲームをやった際の落ち込みって色々ありますよね。その時を思い出してフィードバックする、ジャッジした目の前の人のことを思ってフィードバックするという当たり前の原則を起点にすると色々な工夫ができるかと思います。今回は、ak_debateが気を付けてきた各論を話そうと思います。(これ以外も当然あると思います)

1.4つの型で言うところの、「良かったこと」を特に多めに言うこと
前回の記事で、フィードバックの"型"として、①良かったこと、②改善できること、③今後の実行方法/練習方法、④今後の期待の4点を徹底することをオススメしたかと思います。
特にこの①の「良かったこと」を多めにしましょう。昔UTDSでは8割くらいのイメージ感というところでやっていました。
「とはいえ、そんなに褒めるところがありますか?」という懸念があるかもしれません。確かに1分のスピーチとかだと最初はなかなか難しいかもしれません。
とはいえ、必ず何かしら褒めることがあるはずなのでそれを探索してください。例えば、ak_debateはassertionでもいい話が一言でもあったら(事実、自分が思いつかない話とかも良く出たので)伝えました。また、フィードバックの際に「どういうことを言おうと考えたりしていたのかも教えてもらってもいいですか?」「他にどういうことが言えそうですかね?」のように「言おうとしたが言えなかったこと」や「今思いついたこと」も聞いたりすることもしていました。(こうやって書きだすと少し恥ずかしいですね)

2.「改善できること」はポイントを絞って、シンプルにすること
特に上級生になると、うまくなっているのでたくさん言いたくなると思います。うわあ、Logicがないな、Refutationで反論と言いながら話をぶつけてるだけだな、Principleっぽい話しているけどふわふわしているな、等、等、等。もちろん細かいフィードバックは当然ありがたいのですがあまりたくさん言うとパンクしてしまいます。キャッチボールは取りやすい球を投げることが鉄則ですが、最初の球が何度も、文字通りハイボールでくると十分に吸収できないことがよくあります。なので、特に一番効果がありそうなことに絞るといいでしょう。(例えば、UTDSでは昔はSQ, AP, Impactというような型をAREAでしっかり言えるようにすること、を最優先にしていました。)

小技ですが、この際「ディベート用語」の多用には気を付けたほうがいいです。Uniqueness、Relevancy、Exclusivity、Framing等の言葉は我々にとっては当たり前かもしれませんが、ディベート初心者からすると新しいことばかりです。特に最初は各スピーカーの名前やルールから覚えたり、POIであたふたしたりしているはずなので、パンクしてしまいます。もちろん、この際例えばUTDSではレジュメと併用していたのでそこで良く出る言葉は書く、のような工夫はしましたが、それでも限界はあるかと思います。

3.普段にもまして具体的に話すことを意識すること
コミュニケーションは徐々に「阿吽の呼吸」になっていくこともあったりしますよね。それはある種お互い「あああの話ね」というイメージ感がより擦りあっていくからできるものです。例えば「具体性をつけよう」と言われたら「ああ、アクターが可哀そうである状態を描写しないと」、「具体的なケーススタディをロジックの後に出そう」のような解釈が一種できる、ハイコンテキストな会話になるのですが、初心者はその前提を共有していないので、ぽかんとなってしまいます。ただでさえディベートはチャレンジングな部分が多々あるため、しっかりと具体的にリードしてあげましょう。

なので、普段にもましてフィードバックでは「例えば」というような話をつけてあげましょう。具体的なアーギュメントを説明する、事例を説明することもいいと思います。反論も「こういうのが良くなかった」という指摘ではなく「こういう風に言うと良い」という例示とセットであることが大事です。

4.今後の期待を話す際は、特に「最初はできないもの」であることを強調すること
最後になりますが、これが一番大事かもしれません。ディベートって難しいです。特に難しい社会問題に関して20分で話すとか、社会人になっても人に驚かれます。特にそれが英語の場合、英語を第二言語としている人の苦労は計り知れません。
そして「うまくいかなかった」ことというのは本人もよーーーくわかります。スピーチが1分しかできなかったらそりゃ落ち込みます。他の人と比較できたらなおさらです。それが負け、というものとセットときたらさらに辛いです。
そこで重要なのは「今後できるようになる」というイメージ感をしっかりと伝えることです。チープなことですが、「最初は1分しか話せなかった人もたくさんいるけど、そのうち7分じゃ足りなくなるよ!」というような話であったり、いわゆる海外経験がない人に対しては「海外経験がある人も倒す例ってどんどん出てくるよ」というような話は本当ですし、とても助かります。

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