2013年12月16日月曜日

提案 ブレイクラウンドのRFD説明制度

ブレイクラウンドも、オーラルフィードバック(主にRFD説明)ありにするのってどうでしょうか?具体的には、結果発表後10分くらいORに近い部屋にてフィードバックをする感じです。部屋にいたディベーターもそうですが、オーディエンスとかも自由に聞けるイメージです。

これは第一に予選と同様ディベーターの知る権利を担保します。第二に、オーディエンスや他のジャッジもそういったレベルの高いラウンドのRFDを聞くことによって色々な見方の勉強になります。第三に、現状うわーっとジャッジに一気に集まる状況を緩和することも期待できます。

現在よりタイムテーブルが10分くらいずつ押してしまう恐れがありますが、第三の理由で述べたようにむしろ現在の混乱も緩和できるかと。そして何より、第二の理由は結構大きいのかなと思っています。特に2日目学びたいジャッジやオーディエンスへの便益はかなり大きいんじゃないかなあと。

2013年11月16日土曜日

ジャッジの裁量論 NEAO Adjudication Guidelineより

http://issuu.com/juseungdanielyi/docs/guide_to_judging_at_neao2013?e=7020498%2F5547249

ジャッジは必要に応じて「裁量」が与えられているという話は前にしたかと思います。

今回NEAOのジャッジガイドラインをみていたら、それを示唆する記述がいくつかあったので抜粋します。


-judges are expected to spot responses whenever you make them
-you are allowed to display enough intelligence and world-awareness to question logical links and gaps in substantiation and not accept arguments at face-values.

一般常識的に、論理性や関連性の「裁量」はあると推定されます。
もちろんしっかりと合理的に説明することが求められますが。

2013年11月13日水曜日

僕の精神論メモ

僕の精神論というんはそういえばいくつかあります。

1.慢心しないこと
これは正直難しいです。(笑)調子に乗りやすい人間ではあるので。ほめられたら嬉しいですし。でも、ほめられるだけになったら終わりですし、そこで成長が終わってしまいます。周りをみてみると、上も同期も下もがんばっているわけで、負けてたまるかというスピリットを常に持ち続けないといけません。勝っても負けてもフィードバックは聞きにいきましょう。毎日考えることです。

2.逆境を楽しめ
正直ディベートはつらいこともたくさんあります。ブレイク落ちしたり、ジャッジにぼろくそ言われたり、自分のせいで負けたり。あげていたらきりはありません。僕自身も何度も何度もつらい思いをしています。でも思い返せば思い返すほど逆境は自分の成長に一番つながるときでもありました。

3.部に貢献すること
自分は部のおかげで大会に出させてもらっています。ジャッジなり、上の練習なり。正直言ってなのでファーストプライオリティは自分の部であるべきです。「部として強くなること」をしっかりと日々意識することが必要ではないでしょうか。(べつに、ディベート界全体に貢献するなというわけではなくて、部をないがしろにしないこと、という意味です)

「理論化」をすること

ディベートにおいて重要なのはいかに「理論化」するかだと思います。

ディベートは答えがないスポーツです。「ケースバイケースだよねー」と言われることもよくあります。しかし、それでは前に進めません。ディベートの「各論」という「枝葉」の部分だけになってしまって、根本的にどうすればディベートがうまくなるかというところにスポットライトをあてていないからです。

重要なのは、「いつケースバイケースになるのか」「どういうときにこの理論が役立つのか」などとしっかり考えていくことです。「難しいよねー」ではなく、無理やりにでも理論にするのです。

そして、それを改善していけばよいのです。残念ながらそのまんますぐ理論にはならないかもしれません。似たようなことを考えている人もいるかもしれませんし、欠点があるかもしれません。でもそれを話していくうちに改善されていきます。理論をつくることは、たとえそれがすぐに理論として流布しなくても、理論化のプロセスに貢献することは間違いありません。

自分が主張している理論の中で、「タテヨコ理論」「Triple A」などがありますが、これらも別に一人で思いついたわけではなく、色々な人と話しながら着想を得ているわけです。

色々な人と「理論化」の営みをしてください。

2013年10月3日木曜日

BP Strategy (Advanced) Video

2年前のBP Novice (BP Novice 2011)の資料の一環で、BP Strategyに関してです。 具体的なモーションをとりあげながら解説しているので、おすすめです

2013年9月20日金曜日

イラジャの4類型


イラジャって、僕は4類型あると思っています。

①英語がききとれない、ディベーターの言っている事が分からないレベル。(「介入」もここに入ります)
②ディベートにおける優劣をつけられないレベル。
③うまくディベーターに伝えられないレベル。
④ディスカッションが下手なレベルです。

おそらくなのですが、この4類型は便宜的なものでしかないです。ただ、この4つの「どこ」が苦手なのか留意してジャッジを練習したほうがいいです。最初の2つのレベルであれば、ジャッジテストを見たりリスニング能力上げたりしながらで大分改善します。

うまくディベーターに伝えられないというのは、(1)時間が足りない場合と、(2)時間は十分にあるがプレゼンが下手な場合に場合わけできると思います。(1)の場合はスピードをあげる訓練であり、(2)の場合はディベーターのマナーのテクニックが応用できるでしょう。

最後にディスカッションが下手な場合は、こればっかりは練習するしかないです。ただ、重要なのはディスカッションにおいては「ジャッジ間の合意をとること」ではなくあくまで「ディベーターを説得するためのRFDづくり」がゴールにあることを忘れないでおきましょう。

また、重要なのは多くの人は最初はイラジャだということです。さらに、ジャッジブレイクとかACをしている人たちですらも、まだ改善の余地はたくさん残っています。大事なのは、慢心せずに常に他人と相対化しながら自分を理解し、「ディベーターの説得」の技法を磨くことのはずです。

2013年8月18日日曜日

ディベートにおける学際化


僕はそもそも学問というのは「思考の枠組み」と「知識」でできていると思っています。
そう考えると、ディベートが強くなるにはって色々な領域の思考の枠組みと思考を知っていれば強いんじゃないかなぁと思っています。

最近はモーションに色々な「知識」は輸入されている気がします。
religionは大分話されるようになりましたし、minority rightsももはや今ではthemeになるほどになりましたね。あと、sexualityも流行のようです。
とはいえ、個人的にはIRなどはまだまだ足りなさ過ぎる気がします。全国大会とかをみても、IRは数少ないですしね。
個人的に、社会学や経済も少ない気がします。あと、倫理・哲学ももっといけるはずかと。
したがってさらにディベート界が発展するにはより多くの知識の輸入が必要でしょう。

では「思考の枠組み」というのはどういうものでしょう。
ざっくりいうと、特定の領域において「何がルールになっているか」だとか「何を重視しているか」のようなきがします。
例えばですが、いわゆるTriple A (Abstraction, Analogy, Applicability)の考え方は法律の考え方にすごく似ているんじゃないかなぁ徒思っています。
条文や制度の趣旨目的を考える→判例を参照する→今回の話をする っていう流れはすごく似ている気がします。

これはあくまで僕の持論なのですが、色々な「思考の枠組み」と「知識」を応用してみましょう!

ディベートに関するディベートをしよう


そもそも僕はディベートの理論とか、ディベートコミュニティとしてどうしていけば良いかというのは多くの人が考えていくことが必要なものだと思っています。実際、海外をみてみると、Councilだけではなくセミナー等で意見交換を活発に行っているようです。

「ディベートの在り方」は全員が関わるべきですし、多様性が一番認められるべき分野だと思います。したがって、少しでもそういった材料が提供できたらいいなーとか思っていたり、そして他の人もたくさん発信して欲しいなと思っています。

要はいろいろな人が発信していきましょうっていう雑な結論です、はい。意見の発信に、大学も学年もディベートの実績も関係ありません。そもそも、ディベーターはfree expressionを重要視しているはずですしね。(笑)

2013年8月3日土曜日

Read, read, read!


夏休みは、ぜひ時間があるので読書をしてほしいなと思っています。ディベートというのは僕は(1)特定の思考の枠組みと(2)特定の知識が特に重要になってくると思います。この両方を手っ取り早く手に入れるのがこの方法です。

(1)どのような本を読むと良いか
 ここで重要になってくるのは、まず「認知的不協和」というのを避けるということです。人は自分が好きなことや好きな考えに関することのみに関心を持つ傾向にあり、自分とマッチしない内容・考えになかなか触れづらい傾向があります。最初は自分の興味と関わるような内容から派生してもいいと思いますが、したがって、色々な本を是非読んでほしいと思います。
 全然新書でいいと思います。分厚い本とかは大変ですし。ここではいくつかお勧めの本をあげます。

苅谷剛彦 『知的複眼思考法』 講談社
山口厚 『刑法入門』 岩波新書
佐伯啓思『自由とは何か』 講談社
アマルティア・セン『貧困の克服』 集英社
中島隆信『これも経済学だ!』ちくま新書

(2)本をどのように読むと良いか
 最初に本を読むときに留意すべきなのは、自分が知らない分野というのはやっぱりハードルが高いというところです。しかし、簡単な内容から入ると結構楽しいですし、その後がすごくありがたくなります。どちらかというと、ざっと全体像を読むような読み方にすれば良いと思っており、詳細をたくさん覚える必要はありません。
 そして、重要になるのは、【英語ディベートにどう使えるか?】という視点を持つことです。つまり、英語では何ていうんだろう?ディベートではどういうアーギュメントで使えるんだろう?のように考えましょう。おそらく、ここでマターファイルをつくる時がやってきますね!

2013年7月3日水曜日

最近読んでいるニュース

ディベーターである以上、ちょこちょこでいいのでニュースを読みましょう。
日本語でも英語でも僕は構わないと思います。

例えば、

US Senate passes landmark immigration bill
http://www.aljazeera.com/news/americas/2013/06/201362721055196968.html
今、違法移民の対応がとられているようですね!
US immigrationはClassicsなので、頭の中にも入ってきやすいです。

US top court delivers wins for gay marriage
http://www.aljazeera.com/news/americas/2013/06/2013626142215256827.html
これまたアメリカで、今ホットなDOMAですね。

ロシアで「同性愛プロパガンダ」禁止法が成立
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130701-00000010-jij_afp-int
いやーこれはひどいですねぇ、というかんじでしょうか。

UN's Mali peace force begins operations
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-23125615
最近マリはこうなってるんですねー

ってかんじでしょうか?
ちょっとずつ読むのが重要です!はい。一気にやろうとすると大変なので。

2013年5月4日土曜日

「オーソリ」という幻想

「オーソリ」と呼ばれている人は、毎年いるものです。
国内でもいますし、海外でもいます。
輝かしい実績(と思えるもの)や、尊敬(と思えるもの)を集めているわけで「すげーなー」とま青もいやすいですよね。僕自身、尊敬している先輩もいるので盲目になりやすいのですが。
 
ですが、「オーソリ」と呼ばれている人が必ずしも正しいとは限りません。ディベートだってしくるし、全部知っているわけないし、変なバイアスがかかることがあるし、いいディベーター=いいジャッジとも限らないし、知識が偏っていたりしたりするわけです。

ディベーターとして対戦するときは、「なにくそ」と思って立ち向かいましょう。「##さんだから・・・」というようなスタンスでは、ラウンドが始まる前から負けています。

ジャッジとしてスピーチを見るときは、「本当に正しいのか?」「モーションとのリンクは?」「ロジックは?」等、普通のジャッジをするときと同じように批判的に見ましょう。

自分のラウンドをジャッジとして見られる場合は、「本当に合理的・公平にラウンドをみているのか?」という視点でみましょう。一緒にジャッジで入っている場合も同様です。「おかしい」と思ったら「おかしい」と声をあげてしっかりと意見を述べましょう。

日本のディベート界の場合、年功序列というか先輩後輩関係と相まって面倒くさかったりするところもあると思います。しかし、「オーソリ」ができて特定の考えが広まっていればただの「老害」でしかなく、ヘルシーではありません。ディベート界の発展も遅れるわけですから。

重要なのは、常に自分の頭で考えることです。その人の「オーソリ」で判断することは、人を学歴や出身地などで判断することと同じくらい浅はかなことですよ。

「ロールの固定化」を避けること

ディベートにおいてさらにレベルアップするためには何が必要なのでしょうか。
個人的には「ロールの固定化」を避けることが一つ重要なファクターだと思っています。


人は自分がやりたいロールをやる傾向があります。つらいものはやりたくないですからね。そして、「自分は##向きだ」という理論を強固にしていってしまいます。
しかし、ロールによって特に必要な能力は異なる以上、全てのロールを試すことをおすすめしています。

僕自身も、1年生のときはほとんどずっとリーダーをやっていました。2年生からデピュティーをやるようになり、4年生はウィップをやることが多くなったりしました。
そこで感じたのは各ロールをやることで、必要な能力がつくばかりか、そもそもディベートの勝ちパターンが見えてきたり、自分の課題がみえてきたりするんだなあということです。

例えば、ですが。以下のような能力が特につく、はずです。

リーダー:
「やらないといけない」空気作り
短いプレパで内容をまとめる能力
主要なユニークネス、A/Pの変化を端的にいうこと
モデルの説明

デピュティー:
反論・比較
印象を引っ張りなおす作業
強い3rd, new analysis

ウィップ:
取捨選択
まとめ能力
新しい分析・反論をひねりだす能力
ディベートに終止符をうつ能力

そして、これらの能力はやっぱりつながるところがあるんじゃないかなあと。例えばウィップで「ディベートに終止符をうつこと」ができやすくなれば、リーダーからそういうことができるようになったりするだとか、です。


大会における透明性の確保に関して

大会の透明性というのは、民主的正統性確保の重要な論点なわけですよね。UADCができた敬意を考えても、どうしても大会はポリティカルになりがちなわけで、そういった恣意性を排除して、公平に全員が参加していて満足度が高くなることが必要なのは言うまでもありません。では、具体的に海外ではどういうことがなされているのでしょうか?

・Adjudication Coreの選出
Adjudication Coreはモーション選び・アロケーションなど強大な権力を持つわけです。
例えば、数年前のWUDCでは「ヨーロッパ勢に有利なアロケーションがされた」として問題になったり、また他の年も「オーストラリアで行われた大会に近いモーションが出て不公平が出た」などとして問題になりました。
したがって、regional representation(例えばUADCは各国から1人のみ)の基準が大会でおかれたり、複数の"bid"という形でAC陣が国ベースの多数決にかけられます。他にも、ACが恣意的に決まらないように公募制等の措置がとられることもあります。

→日本でもAC公募制、bid制などを検討することも可能でしょう。

・大会の結果の公開(モーションフェアネス、マッチアップ)
これは、過去のWUDC, UADCなどでなされたことですが、
☆結局モーションの勝率はどうだったのか
☆マッチアップはちゃんと公平に行われたいたのか、誰がどこをみたのか
ということは、参加者が当然に知りたいことですし、チェックアンドバランスとしても働きますね

・ジャッジの成績の公開
恣意的にジャッジブレイクが決まることを防ぐために、UADCではジャッジブレイクを完全点数順で決定しています。(これには議論の余地もあると個人的に思いますが。)しかし何かしらの方法でジャッジの成績を公開することは必要でしょう。日本でも、春Tのランキング公開、BP Novice, Pre-Australs, The Kansai等での開示制度が行われており、この制度の維持・発展が必要でしょう。

これらはほんの一握りの例ですが、日本はAC制を安定的に運用できるようになりました。言い換えると、今、AC制の透明性をあげるときにきているのではないかと思います。

2013年4月8日月曜日

WUPID 20?? Civil Disobedience

 

若き頃のSteve Hind, Chris Crokeがいます。彼らがOpeningという貴重なものです。

自分なりの理論を組み立てること

ディベートにおいて大事なのは、自分なりの理論を組み立てることです。

抽象的な話をすると、「そもそもー」という問いをたて、その問いに答えていく作業が必要です。
例えば、「そもそも、強いアーギュメントとは何なのか」という問いをたてることができます。

色々な要素はあるとおもいます。人によって答えは違うと思います。

・反論されづらいArgument?
・具体的な話?
・かっこいい話?

ぱっと色々思いつきますね。それらを深めていくんです。何が反論しづらいの?全部そういうのができるの?具体化するには何が必要なの?などなどなど。

そうやって生まれるのは、自分なりの理論です。
このような問いを繰り返したてているうちに、あなたの理論ができあがるはずです。

2013年4月1日月曜日

3モーションの選び方

Asianの特性である3モーション制ですが、生かしきれていますか?

3モーションですが、早い段階で【veto motion】は選ぶことをおすすめしています。絶対無理なやつははずさないといけません。どっちを1、2にすることは大抵の場合モーション決めに影響がありませんし、あったとしても大差がない場合もあります。したがって、veto決め>1,2決めだと思われます。

他にも、留意しておくべきなのはAsian Styleは非常にAdjudication Coreのモラルハザードが起こりやすいということです。どういうことかというと、いわゆる「自己満」モーションが非常に忍び込みやすいということです。1つくらいなら・・・という理由で「え、なにこれ?」というモーションが入りやすくなる可能性がNA, BPより高いということです。(僕も人のことを言えないのですが・・・)

また、そもそも3人でわずかな時間でコンセンサスをとるというのが非常に難しかったりします。ある程度の方針は事前に決めておくような工夫が必要です。

モーションを選べることができるというのは、最大の利点でもあり、しくるとそっから勝敗も左右する重要なファクターです。ちゃんと戦略を立てましょう。

2013年2月12日火曜日

今の日本ディベート界に足りないことは?

Japanese Debating Communityが最近活躍するようになってきたことは、アジアの多くのディベーターが口を揃えてくれるようになりました。しかしながら、他のアジアの強豪や世界と比較するとまだまだ力不足なことは否めません。何が足りないのでしょうか。

まずディベートに長期的に関わる人が少ないのではないでしょうか。海外だと高校→大学→院とディベートに携わる層が少なからずいます。最近こそ「老害」組が続けるトレンドもありますが、未だ少数派です。長期に携わることにより全体のレベルアップになるかと。

次に、「Spirit of the Motionに忠実に、何を証明しないといけないのか分かっている人が少ない」ことがあるのかと思います。この傾向はジャッジになると顕著にあらわれます。ミクロで見すぎる、細かすぎる傾向はマクロ的視点が欠けるために出てくるのかと。

最後に、やっぱり英語力な気がします。端的なワードチョイス、雰囲気をつくるイントロ、Openingとの差異化、相手を悪く見せる方法等。こういうところを評価するなり、工夫するなりの人が少ないような傾向があります。「印象操作」という言葉自体、マナーを軽視しているかと。

完全に個人的な見解な気がしますが、やっぱり長い間ディベートに携わって、「Spirit/説明責任」等をみれる人を増やし、英語力を向上していくことが必要な気がします。とはいえ、自分も全然できていないですし、これらが的外れな可能性も否めないと思います。

さらに言うと、こういうディベートに関する議論、すなわち「どうやれば強くなるのか」「日本人の傾向は何か」というような議論がもっと活発になると違うのかなぁ、だなんて思ったりもします。以上、持論でした。)

2013年2月6日水曜日

2013年2月3日日曜日

発信すること

ぜひ、発信しましょう。
ディベートで感じたこと、思ったことを。
言語化、論理化という作業が、ディベートを前に進めます。

レクチャーでも、ツイッターでも、日常会話でも、ブログでもいいんです。
言語化すること。これが大事です。
(だからこそ、言語化が必要なジャッジを行うことによってディベーターのレベルがあがるんだと思います。)

2013年1月23日水曜日

リサーチがなかなか続かない人へ

リサーチがなかなか継続できないという相談をうけることがあります。
その時言うことがいくつかあるのでシェアします。

①リサーチのハードルが高すぎやしないか?
リサーチは別に分厚い本を読めということを要しません。(必要なときもあるかもしれませんが・・・)ちょっとスマートフォンやパソコンで記事を検索することもリサーチです。ちょっとしたことかもしれませんが、0よりマシですし、必要な情報を手に入れることができます。

②リサーチは相乗効果がある。最初は我慢!
リサーチは、少し知識が入ってくるとやりやすくなります。いわゆる「あ、これ前みたことある」という進研ゼミとかの広告であるようなあのパターンです。例えば僕自身最初はシリアとか何おこってるんだよEUとかわかんねー状況なときがあったんですが、繰り返しニュースをみているうちにだんだん分かっていきました。最初が大変だったりするのはどんなことでもありがちです。

③困ったら、思い切って聞く
意外と大事です。一人でやるとわからないことがあります。そういう時は詳しい人に聞いてみると、解説してくれたり必読書をすすめてくれたりします。一人で悩むより聞きましょう。

④目に見える形でリサーチをストック
マターファイルをつくったりすると自己満的ではありますが達成感を覚えます。あ、こんなに調べたんだ・・・と思うとだんだん嬉しくなるものです。しかも減るものじゃないですからね。
余談ですが、あの松井秀喜選手は「打率より打点のほうを気にしている」と話していました。これは、変動する打率よりも、減らない打点のほうが好きだからです。これと一緒!というと雑かもしれませんが増えていくもので軌跡がみえるのは嬉しいものです。

⑤他人を巻き込む
他人と一緒にやったりすると義務感もでてくるので続きやすいです。是非部としてやったりするといいんじゃないでしょうか?ちなみにうちの部はリサーチプロジェクトという形で全員を巻き込んでいます。

いかがでしたでしょうか。ぜひとも参考にしてみてください!

2013年1月21日月曜日

そもそもディベートって何なの?僕のディベート観


そもそもディベートって何なの?僕のディベート観

ディベートって何なんでしょうか?僕の独断と偏見をもとに、4年間ディベートをやった自分なりの答えを出してみました。

「ディベートとは、議題と一定のルールの下、相手のパラダイムよりも自分が守りたいパラダイムの方に優位性があることを第三者に説得する競技」だと思います。

細分化すると、以下の4つに集約されます。個人的に①②③が④より重要だと思っています。

①議題(モーション)の肯定・否定を行うこと
②相手チームに対応すること
③第三者を説得するということ
④そして、公平性を担保するためにルールが定められていること

①議題(モーション)の肯定・否定を行うこと
 当たり前のように聞こえるかもしれませんが、モーションの話をする必要があります。さすがに、タバコ廃止のモーションで国連の安保理の拒否権廃止の話をするような奇想天外なことはないと思いますが、そういう話ではありません。重要なのは、Spirit of the Motionに忠実に、関係のある話をしているかということです。Spirit of the Motionというのは、モーション作成者の議論の意図です。どういうことかというと、モーションを出す人というのは「理由があって」モーションを出しています。(少なくとも、そう期待されています。)モーション作成者の意図を汲み取って議論することが求められているのです。
 例えば、THW grant illegal immigrants legal status.というモーションがあります。違法移民に市民権などをあげるという議論ですが、これは事実2012年の大統領選時にアメリカで議論になっていました。また、2012年末の世界大会ではTHBT Japan should acquire nuclear weapons.というモーションが出ました。かなりラディカルなモーションではあると思いますが、背景には、領土問題や北朝鮮の動向、アメリカの力の低下などが挙げられるでしょう。こういった背景をベースに、話してもらいたい内容というのがあるわけです。こういった、モーションが出された背景を”context”といいます。具体的なcontextがない場合は、「こうしたほうが良い社会なんじゃないか?」というような意図や、「2つの考え方があるけれども、結局どっちが大事なんだろう?」という問いかけや、「今あるものって実は問題なんじゃないか?」という問題意識などがありえます。(THBT Chinese investment is better than Western aid.  TH opposes capitalism等。)場合によっては「将来こういう世界になったら、もしくはこういうことが可能な社会だったとしたら、何をすべきなのだろうか?」という思考実験的なモーションもあります。(例えば、Assuming that it is possible, THW forcibly erase traumatic memory of patients.)
 そして、基本的にGovernmentはモーションの肯定、Oppositionはモーションの否定が求められています。Spirit of the Motionをベースに、忠実に守りたい世界を守っていく必要があります。例えばですが、前述したTHBT Japan should acquire nuclear weapons.というモーションにおいて、Governmentは現在の日本問題、そして軍事化(militarization)の必要性を話すだけでは足りません。確かに、モーションの本質的な部分である「なぜ日本なのか?」というところには答えてはいるかもしれませんが、「なぜ核なのか?」という問いに答えていないからです。そしてもちろん、Oppositionはなぜ核がだめなのかという話をすることが必要になってきます。

 (ここはやや、今のディベート界だとGovernmentにバーデンが重いようにも思えます。ですが、世界大会でジャッジしていて感じたことは、ジャッジは素直にモーションを読んでその問いに対する答えを求めているという印象でした。
 これはなぜでしょうか?日常会話で考えてみてください。カフェで友人が「日本は核武装すべきだ」と言ったらどう思いますか?「何で日本が?」そして「なぜ核武装なのか?」という疑問が浮かぶはずです。つまり、モーションから素直に読み取って出てくる疑問に答えていくことが必要なわけです。言い換えると、Governmentは「なぜ日本が核を持つべきなのか」Oppositionは「なぜ日本が核を持ってはいけないのか」という問いに答えていくことが求められているわけですね。
 こういった、「なぜ日本」「なぜ核」といった答えは、uniqueness(固有性)と言われています。モーションに求められるのは、「なぜこれでないといけないのか?」という問いに対する答えです。
 そして、このような問いの答えを説明していくのが立論(Argumentを出すこと)に違いないでしょう。いわゆる”building your case”と言われるやつです。

②相手チームに対応すること
 そして当たり前かもしれませんが、ディベートにおいては相手チームがいます。相手が言ってきたことを無視することはディベートではなくただのスピーチです。重要なのは相手チームより説得的である必要があるってことです。これってどういう意味でしょうか。無理やり類型化すると「比較」と「反論」になると思います。
 まず「比較(comparison)」です。ディベートにおいて、議題として出されるのは全て「議論の余地があるもの」なわけです。死刑廃止では、政府の殺人が正当化されるのか、冤罪はどう対応するのか、被害者感情はどうするのか等はずっと議論されてきており終止符が未だに打たれていません。肯定側からすると、なぜ「廃止したパラダイムのほうが良いのか」という説明が必要になることは言うまでもありません。
 そして、どちらの側にも言い分はあるわけで、守りたいものはあるわけです。ディベートにおいては「なぜ相手の守りたいものよりこちらを優先する理由があるのか?」というような話ができると説得力があがります。中絶を例に挙げてみましょう。中絶を肯定する側は女性の権利、否定する側は子供の権利を主に押すことが考えられます。この場合、「なぜ女性の権利の方が子供の権利よりも優先されるべきなのか?」という問いに答えてくれると、説得力があがることは自明でしょう。そうでなく、ただ「女性の権利が重要」といったところで、相手もそれと同じくらい「子供の権利が重要」と主張するため、第三者からしてみると「どっちなの?」と思ってしまうからです。
 そして、これに関係して相手に反論(refutation/rebuttal)することが求められています。何をいまさらという感じもするかもしれませんが①は当然相手もしてくるわけです。相手も立論をするわけですから、それに対して反論をしていく作業が必要になってきます。なぜ相手が話していることはそんなに起こらないのか、なぜ起こっても問題ないのか、といったことを説明することが求められているのです。

③第三者を説得するということ
 ディベートって相手を誹謗中傷するあれでしょ。というイメージを持っている人も一部います。これは、ディベートに対する理解不足であると言わざるを得ません。少なくともParliamentary Debateは第三者を説得する必要があります。相手を誹謗中傷したところで説得はされないわけです。
 そしてさらに言えば、あなたの立論・反論・比較が説得力を持たなければまったく意味がありません。独りよがりな議論や、首をかしげたくなるような発言は納得できませんよね。
 ここで立ち返ってほしいのは、そもそもParliamentary Debateとはその名の通り議会を模倣したものだということです。つまり、政治家が一般市民を説得するというのがモデルになっているわけです。もしあなたが一般市民で、政治家が「こういった法案を通すべきだ!」と主張しているときに、どうすれば説得されるのでしょうか?
 ここが、ディベートにおける醍醐味だと個人的には思っています。そしてこここそが、ディベートの本質だと僕は思っています。というのも、ディベートの営みは「どうすれば私は第三者を説得できるのか?」という問いに自分なりの答えを出すことが求められているからです。
 先輩のディベーターや、海外ディベーターや、政治家や、芸能人や、コメンテーター、セールスマン、コンサルタント等、等、等。世の中には説得しようとしてくる人がたくさんいます。多少の好みの違いはあっても、説得されるパターンはひとつではないですよね。情熱的に話す人も、冷静に話す人も説得力を持っています。感情に訴えかける人もいれば、データや事例を多用する人もいます。説得方法は多種多様、十人十色なわけです。あなたの説得スタイルは何でしょうか?
 もう少しディベートに落とし込んで話しましょう。主にディベートは「マター(Matter)」と「マナー(Manner)」で構成されているとされています。マターとは、「何を話したか。」です。詳しい説明は他に譲りますが、ざっくり言うと論理や説明、事例・具体例、描写などでしょう。そしてマナーとは、「どのように話したか。」です。どのようにスピーチを分かりやすく構成したのか、ボディランゲージをどのように用いたのか、声のトーンは、どういう言葉を選んだのか等をさします。もちろん、マターとマナーを完全に分離することはできず、あくまで便宜的ですがこの2つが主にディベートを構成していることは間違いないでしょう。
 したがって、前の問いをもう少しディベートっぽく話すとどうすればマターとマナーを良くする事ができるのか、という形になるはずです。
 ここに関する答えは、各自違っていいと思います。でも僕なりの考えを少しだけ話すと、やっぱり現実的な議論話すていることが大事なんじゃないかなあと思います。毎年うちの後輩に話していることなのですが、現実離れした議論は説得力を持ちません。たまにディベーターはディベートという競技で勝ちを狙うため、もしくは周りが見えなくなるときがあります。とりあえずそれっぽい理由をつけて話せばいいんじゃないかという思考に陥ることもあるわけです。でもそれは、現実的に、また感覚的に受け入れるものなのでしょうか?机上の空論にならないことが重要でしょう。なぜなら、前述したようにモーションは意味があってつくられているからです。その意味を求める先というのは、あくまで現実世界なわけです。僕なりの持論ですが、「自分がこう言われたらどう思うか?」というのを自分に問いかけつつ議論を組み立てていくのが重要なんじゃないかなあと思っています。
 ちなみに、余談になりますが日本勢は特にマターを重視する傾向にあると思います。マターはもちろん大事なのですが、説得的なイラスト、word choice等も説得力を持ちます。海外勢とジャッジしていて思うのはマナーが説得力をどんどんあげていればそれを評価しているなあという印象です。

④そして、公平性を担保するためにルールが定められていること
 最後に補足的に付け加えますが、①-③を公平に行うためにルールが定められています。分かりやすい例としてはTime Managementでしょう。片方が10分話せて、あなたが5分しか話せないとしたら不公平ですよね。
 Definition Challengeというのも公平性の観点から導かれます。即ち、モーションを作った人が意図しなかったようなDefinitionでは、議論ができないことがあるからです。
 Counterproposalも、Oppositionの戦略として認められているはずです。Governmentが提示した問題には同意するものの、他の方法が良いと考える場合その選択肢を提供しているわけですから。
 各スピーカー、ポジションのRoleという概念もこういったところから生まれているのだと思います。Prime Ministerがどういった土台で議論するか定義してくれなければ、Oppositionは対応しようがありません。Asian StyleにおいてOpposition Whipが新しい議論を出してもGovernmentは反論のしようがありませんよね。
 Methodも公平性の観点から正当化することができます。例えば、Dynamicsですが、片方が最初から重要な議論を出しているのに、もう一方が後だしできるのであれば最初から出したほうに不公平です。#
 BPにおけるTechnicalityもここに入るでしょう。OGの議論がCOにつぶされたとしても、OGはもう一回反論する機会がPOIに限定されています。これでは不公平じゃないか?という観点からTechnicalityという考えがあるのではないかなと思います。

補足:メッセージ
いかがでしたか?僕なりの価値観を反映したものですが基本的に僕はディベートってこういうもんなんじゃないの?と思ってます。

そして。これを読んでいるあなたへのメッセージですが、僕はディベートはこうやって自分なりの答えをつくっていくところに面白さがあると思っています。そしてそれが強くなる上で有益だと思います。俺うまいんだぜどやぁという話ではないです。周りをみていると、うまいディベーターに共通しているのはやっぱり自分なりのディベート観を持っているってことです。ディベートってこうあるべきなんじゃない?という考えをもとに皆ディベートしているわけです。そこに優越性はないでしょうし、おそらく僕の価値観に賛同しない人も当然いると思います。でも大事なのは「ディベートって何なんだろう?」と考え抜けば抜くほど、自分なりの答えが出たり、「じゃあどうやったら自分がうまくなるんだろう」という道筋を示してくれたりすることです。

今ディベート界は変化を迎えています。僕が1年のときよりもモーションの性質も違いますし、国際大会で求められるようなPrincipleだとかCase Studyだとかが重要になってきました。おそらく、今の若い世代のほうが僕よりディベートを知っていることもあるでしょうし、むしろさらなる変化を楽しめる代でもあると思います。そして確実にディベートの公共財がストックされはじめてきていますし、ディベート人口も増えてきています。僕のこのチラシの裏レベルのディベート観よりも、「あなたのディベート観」に触れることを期待しています。

2013年1月17日木曜日

プレパ練の重要性

プレパ練はかなり効率的な練習方法なんじゃないかなーと個人的には思っています。
というのも、ラウンドはやっぱり時間がかかるわけで、例えばAsianをがっつりやると2時間くらいかかりますが、仮にプレパ練をしつつディスカッション等をしても1つのモーションにつき30分くらいで終わると思います。つまり、単純計算で4倍効率がいいんじゃないかなあとかと勝手に思っています。

何度も言うようですが、ディベートの練習方法は様々なので、ラウンド以外にも練習方法があることを意識しましょう。ラウンドをとりあえずやっておけばうまくなるというのはありません。ディベートに必要な能力は様々であり、それは場合によってはラウンドという方法以外のほうが効率的な練習であることがあるからです。

Motionの肯定・否定

Governmentはモーションの肯定、Oppositionはモーションの否定という説明責任があります。では、モーションの肯定・否定とはどういうことでしょうか。それは、Spirit of the Motion(モーション製作者が求めていること)がなぜ善い/良い・悪いのかを説明することです。

例えば、THBT Japan should acquire nuclear weapons.というモーションがあると、Governmentに求められているのは単にこのモーションが出された頃ホットだったアジアとの領土問題を話すだけでは足りません。また、武装(militarization)でもたりず、なぜ核なのかまで説明する必要があります。逆にOppositionは核によるHarmを説明することが求められます。


(これは今の日本ジャッジからすると少しバーデンが重いようにも思えるかもしれませんが、世界大会でジャッジしているとモーションを忠実に肯定・否定できているかで順位が大きく変動する傾向がありました。)