2019年3月28日木曜日

3 Motions、どうやって選んでいますか?

Asianの醍醐味の一つでもある3 Motion。どうやって選んでいますか?というとなかなか答えられない人もいらっしゃいます。

ここでは、ak流のポイントを幾つかご紹介します。

① 3つの順番ではなく、まずはVetoを決める

もちろん、1, 2, 3を付けるのが最終的には大事なのですが、その中でも1, 2をどちらにするかという論点よりも、「どれをVetoするか(≒3にするか)」という論点のほうが重要です。つまり、自サイドにとって一番難しそうなモーションを選びぬくのです。

したがって、最初に3人で話し合う時は、どれをVetoするかをまずは話しましょう。

例を一つ出すと、下記のような状況になったとしましょう。

モーション Xさん Yさん Zさん
  A    1   1   1
  B    2   3   3
  C    3   2   2

この場合、Aは行うということなのでしょうが、BとCのどちらをVetoするのか?という点を最重視して議論すすことになります。この場合Xさん例えばCをVetoする理由を話し、Yさん、ZさんがBをVetoする理由を説明し、その比較を行うことになるかと思います。

② Vetoの"基準"をチームで共有する

Vetoがなかなか決まらないときにありがちなのは、Vetoの基準がチームとして存在しないことに起因することがよくあります。(もちろん、そもそもモーションがチームで見たときに悩ましい、のようなケースもありますが)巷でよく使われる基準としては下記のようなものが多いかと思います。

- 自サイドの分かりやすい、強い話が最後まで立つか?
- 相手サイドの分かりやすい、強い話にカウンターできるか?
- バーデンが重くないか?(all、neverのような場合は要注意。またモーションの性質上、分かりやすいか)
- Strategic Stance(model, counter-plan)によって大きく不利にならないか?もしくは有利にできないか?
- 自分たちが話しやすいか?(スタイルとして慣れている話、知識面でよく知っている話)

結局のところ、これらを総合してakは「勝ち筋が見えるか?」という観点を最重視しています。3行くらいでReason for decisionを説明できそうな試合展開ができそうか、というところですね。

このように基準を言語化しておけると、ブレイクラウンドなどあわただしい時にも慌てずに、基本に忠実に決めることができることが多いです。

③ 本当に困ったときの意思決定方法を決める

とはいえ、悩むことはあるかと思います。そうした際の決め方も事前に決めておくと納得感が高まりやすいです。

学生で現役だった頃からよく使っている基準は「リーダーが話しやすいか」です。結局のところリーダーでがん立ちさせる、ことが勝ちへの第一歩だからです。リーダーが自信がないと、後手に回ってしまいますし、プレパ中もMatterの共有で大きく時間を使ってしまうことにもなりかねない、という側面もあります。

他にも使ったことがあるのは、多数決です。これも分かりやすいですね。また、だれか意思決定者を置くというパターンもあります。これは賛否が分かれるかもしれませんが、「負けたら先輩のせい」マインドの重要性は以前「後輩と組む時に ~akが考えていたこと、やってもらえて嬉しかったこと~」でも書いた通りですが、あえてakが責任をとるというパターンもありました。何かあったら「僕がvetoをしくったから」ということも言えますし。また、思わぬ副産物として、「絶対に逃げられない」状態になるために必死に考えるようになるというメリットも実はあります。

④ ベストは1分半で意思決定する、という水準感で無駄をそぎ落とす

日本だと5分かけることが当たり前だという状況かと思いますが、UADCに2回、Australsに1回選手として行った経験から、中堅~強豪チームは1分半程で(場合によってはより早く)決めてきます。その時に衝撃を受けた覚えがありました。

「なんとなくの5分」の上限に甘えていたかもな、とその時思い、それ以降プレパ練では1分半で決めれるような目標として行っていました。

実は、①~③を念頭に何度かチームで合わせておくと、ディスカッションを効率的に行う仕掛けをセットにすれば十分に実現可能な水準です。「なんで1分半でできなかったんだろう?」と考えると、無駄が色々見えてきます。

例えば、細かい話でいうと、akはそのために、モーションを紙に書かないで考える癖をつけました。(書いている間に1分くらい立ってしまうことを経験したので、明確に問題だったなと思い。)

akがコーチした事例だと、他にも実はダラダラ話してしまっていた、すぐ確認したほうがよかったwordingを議論しなかった、gov/oppをしっかり確認していなかった、などよくありがちなミス・無駄に気づくというパターンなどもありました。


以上、3 Motionsの選び方に関するポストでした。

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