2021年9月26日日曜日

"Reason for Decision"から逆算してプレパ時間をはじめてますか?

久しぶりの更新ですね。この前「マクロ力」についてツイートしました。

「今の強いディベーターからすると当然かもしれませんが、ここ10年で国内外においてマクロな力のあるディベーターが勝ち抜いている印象があります。議論を短時間で一定固く立てられるようになった結果かもしれないですし、ボトムアップ型のディベーターへの競争戦略の結果かもしれません。

マクロ力というのは、一段ディベートを俯瞰し一歩引きながら、戦場を選び抜き、結局どう上回っているのか見せる力とでもいいましょうか。ジャッジの視点も持ちながら、個別具体の反論などを超えて結晶化する力かもしれません。また、あえて特定の話に触れない、言わないのも特徴です。

別観点でみると、ジャッジは今どのようにラウンドを見ているんだろう?このクラッシュを仮に勝ち切っても(相手の反論を仕切っても)意味はあるのか?逆に何を言えたら勝ちなのか?結局30秒でディベート全体結論づけるとどうなるのか?というような問いに答えられている状態です。

特にディベートの言語力に自信がない方、言語力もあり内容は詰めているはずなのになぜか負ける方、ボトムアップ型の思考に頼りがちな方、長くディベートから離れてカンがとり戻りづらい方、一段上のディベーターに勝ちたい方々などは今こそ意識的に鍛えるタイミングかもしれません。

鍛える方法は色々ですが、3つ紹介します。1つは、ジャッジをしながら客観力を身につけそれを試合中の応用を目指す。2つ目は、試合後に30秒で勝った理由をジャッジにアピールできるとしたら何をいうか考え抜くこと。3つ目は、自信のある言語or一段レベルの高い大会に出ることです。」

これを別観点で話すと、プレパ時間で"Reason for Decision"から逆算できているか、ということだと思います。

もちろん試合は相手がいることなのと、Horizontal思考の落とし穴として、見えない仮想敵と戦ってしまうこともあるが故に、工夫しながら行う必要はあります。一方で、「こういうところで勝ち切りたい」という仮案があるとスムーズかと思います。

具体的には、例えば個人のClashと社会のClashがある議題だとして、(だいたいありそうですが笑)、個人のClashでは勝ちやすい、社会のClashでは負けやすい、等があるかもしれないです。そう考えると、個人のClashではしっかり必ず"勝ち切る"ことを意識したうえで、いかに社会のClashでは水かけ(Counterproductiveのような話を含めて)に持っていきつつ、個人が社会よりも重要という話をできるか、だと思います。これはジャッジからすると「個人のClashはGov、社会のClashはややOppだったが、なぜ個人>社会かを説明できたのかはGovだったのでGov」というReason for Decisionになり得るかと思います。

そこから考えると、絶対に個人のClashでどうやって勝ち切るか詰める(ImpactのLikelihoodなどで勝つ、個人のClashも細分化する、等…)、社会で水かけに持ってくためのロジックを考える、個人>社会の説得的な理由付けを考える…のように思考が走りやすいかと思いました。

この再現性を高めるにはどうすればいいでしょうか? プレパ時間に考えていたReason for Decisionと、実際のReason for Decisionの"差"をひたすらにストックしていくというベタなやり方をお勧めします。その中で見たことがない基準、とらえられ方などがでてくるかと思い、そのパターンの認識が進めば進むほど、また精度があがっていくかと思います。

ぜひ、これを機に逆算、試してみてください。