2019年7月27日土曜日

「え、何このモーション」となった時に行う6つのこと

久しぶりの更新です。ディベートを長くやっていても、「え、何このモーション」となる時ってあるかと思います。初心者の方にもありがちですが、私も、国際大会を中心に見たことないモーションを見たとき、久しぶりに大会に出たときに最近の流行となっているモーションを見たとき、なります。そのようなときのTipsをご紹介します。

1. まずとりあえず落ち着いてモーションを読む、書く
慌てても逆効果になってしまいます。とりあえず、まずはゆっくりとモーションをもう一度読む、場合によって実際に書く、ということを行います。
また、私は「難しいモーションの場合、相手も焦っているはずだ」と思うことにしています。テストで難しい問題ができたときの「他の人もきっと解けないはずだ」精神かもしれません。ディベートは相対的に上回れば勝ちにはなるので、落ち着くことが大事です。

2. 何が、「何このモーション」と思ってしまった理由なのか考える
このような状況に追い込まれる際には幾つかのパターンしかないはずです。
① 単純にモーションに書かれている言葉やコンセプトを知らない
(例えば、アフリカのこの国のこういう部族、最近あった具体的な人名等をみて焦ることがあるかもしれません。)
② モーションのワーディングの関係で、意味がすっと分からない
(特に長文である場合、構文が一瞬理解できない。日本のディベート界であまり見ない表現が急に出てくる、等もあるかもしれないです。よく「あるある」だとlift sanctionsってあれ、どっち、となる方が多いとか。)
等はよくある場合ですね。その原因が分かると落ち着いてその対応策を考えられるので、便利です。

3. 分からない場合は早めに他の人に聞く
プレパ時間はあまり長くなりません。まずはパートナーに素直に「分からない」と言うことを伝えましょう。私がディベートの大会に出るときは最初にそういうルールをつくっておくこともあります。意外とパートナーが冷静でよく知っている場合があったりします。また、AC陣(Chief Adjudicator, Deputy Chief Adjudicator)等モーションの意味を聞きに行くこともできます。

4. 思考方法を意識的に切り替える
TBH思考法は、それぞれに得手不得手があります。(意外と知られていないかもですが。)したがって、チームとして普段行うプレパでない形で考えるのも時には重要です。例えば、ボトムアップ型のディベーターの場合、具体的なキーワードを知らない場合パニックになってしまうことがあります。その場合は「抽象的に考えると、これは結局政府がどの程度介入するのかって話かもしれない」「ある種、経済対環境の対立なのでは?のように、1st Principleから考える、などが有効になるかもしれません。議題によっては、片方のチームはよく分かる場合もあるので、Horizontalに切り替えることも有効です。
(思考法に関しては、概要としてのこの記事や身に着ける方法としてのこの記事などが参考になります)

5. 完璧を捨てる
最後に、1でも少し触れましたが、ディベートは相対的に上回れれば勝ちです。また、毎回自分の最高得点の更新を狙う必要もありません。私もジェミニのときは、分からないモーションが出たとき、Matter 4点 Manner 5点(今でいう、65-85点の間であれば、67点とかに相当)で辛勝したこともあります。2nd Speakerが話す3rd Argumentがないこともあります。(あるMDO EFL Championのチームは、何度か3rd Argumentが無い状態に陥ったようです。笑)普段と違うパフォーマンスではあるものの、Harm Minimizationを行う、のがテクニックです。

6. ラウンド外で、冷静になってPDCAを回す
試合が終わった後、「なんでこうなってしまったのか」という反省を基に、PDCAサイクルを回すことが重要になります。例えば単純な苦手分野の場合はそのリサーチということになるかもしれませんし。即興型ディベートは多くの議題に触れないといけないことから、議題の選び方から工夫したほうがいいかもしれません。(詳しくはこの記事参照。)