2018年9月28日金曜日

海外の高校生/初心者向けトレーニング方法に学ぶ

最近、海外で高校生/初心者向けのディベートのトレーニング方法についてよくヒアリングしているのですが、日本と異なる(かもしれない)特徴がいくつかありました。示唆深いのでシェアします。

・まずは"スピーチ"することに慣れるところから
まずは身近なトピックで行う、母語で行う、準備時間を伸ばす、等としてスピーチをするところから始めることが多いようです。
いきなり7分に向けて話させる、という練習方法も私のときはあったりしましたが、おそらく人によるんでしょうね・・・

・"分析"とは何かを最初に抑える
海外ではArgument(立論)をWhy true?  Why important?の2つで構成していると教えていることが多いようです。(特にヨーロッパでは)。
日本で言うと前者がメカニズム、後者がインポータンス、インパクトとかと教わることが多い気がしています。AREAという型もここで
そしてそれらは、何度もWhy? How?を繰り返していく訓練になるらしく、「こうだと思う、理由はこうだ」「じゃあそれはなんで?」「こうだ」「それはなんで?」という風に対話を繰り返していくようです。
また、面白かったのはある国ではあえて「Example」はなし、という縛りをすることもあるようです。曰く、「Exampleだと逃げてしまう」とのことです。

日本のチームはよく「アイデアは良いが分析が浅い」と言われますが、
これはもしかしたらAREAの型は教える一方で、Rをひたすら深めていく、というところが足りないからかもしれません。例えば、Secondary Mechanismが弱い傾向にあるのは、私も以前この記事で指摘している通りです。

・早い段階で多くのMotionの種類に触れさせる
これは2つ意味があり、①Policy Motionに限らず、Analysis Motion (THBT, THR THS等)と、Actor Motion (TH, as X,...)にも早い段階から触れること、②テーマとしても色々多岐にわたらせること、がポイントのようです。
特に前段の"分析"とは何か、というところが分かっているので、それは普遍的にPolicyだろうが、Analysisだろうが、Actorだろうができるんだろうな~と思いました。
(日本だと、Policy Motion-heavyになっている大学もあると聞いたので、示唆かもしれません)

・反論でも最初から幅広に型を教える
日本だと昔ICUがメソッドにしていた5つの反論の型等もあったかと思いますが、
基本的にはArgumentの構成要素(Mechanism, Importance等)に対応する形で教えることに加え、
高校生の早い段階からEven ifの話をするようです。Argumentに対する反論をDirect Refutationだとすると、Even ifというのはIndirect Refutationだと呼んでいる国もありました。
(日本だと、Rに対するMechanisticな反論は教わる一方、
counterproductive, not mutually exclusive, even ifのようなバラエティを教えるのが少し遅い傾向にある、とヒアリングで聞きました)

ご参考になれば幸いです!

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