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2022年11月8日火曜日

もしかしたらチェアーより難しい?あたふたしないBPジャッジのパネルのやり方入門

徐々にBPの季節に入りますね。
今回は、意外とあんまり記事がなさそうなBPジャッジのパネルについて書いてみます。
WUDCでジャッジブレイクした時のパネルの経験を思い出しながら書いてみているので、少しでも参考になれば幸いです。

【アロケーションが決まったら】
・変に自信を失わない:そもそもパネル≒ジャッジブレイクできない、という訳でもありません。確かにブレイクのボーダーにいて、ACチェックが発生することもありますし、チェアーからパネルになっていると「どこかで失敗したのかな」と焦ることもあるかと思います。大会によってポリシーは様々なので気にしすぎないのが大事です (akもガチチェック受けてますね…)
・チェアーも所詮一ジャッジという気持ちも持つ:もちろんチェアーは一定ネームバリューや実績がある人がやるケースも多いと思います。とはいえ、失うものもないですし、チェアーが毎回正しいCallをするというわけでもありません。役割が異なるジャッジという風に考えてよいかと思います。

【試合中は】
・基本は、普段と同じジャッジをする:パネルだからといって普段と違うことをする必要は一切ありません。4チームの比較を行うことは変わりませんし。また、チェアーの反応を気にしすぎても仕方ないと思います(チェアーがなんでそこ頷くの?とか考えるとドツボにはまります。)
・もしかしたら普段より「基準」と「比較」を端的に言えるように意識する:これは詳細は次の内容になりますが、時間がないので「短く」「端的」に違いが何なのかを意識するのは違いかもしれません。AKの場合は、各チームの比較理由だけをぱっと書いた紙を置いたりしています。
・完璧さを捨てる:極論2チームの位置づけで悩んでいるとかもあると思います。その場合は素直に悩んでいるもありです。現時点ではOGだが、COとこういう点で近い、等と理由があれば大丈夫だと思います

【Initial Callの説明方法は】
・普段よりも短く話す:基本的には短く話すことが重要になります(15分のディスカッション、3人だとしても1人5分しか最大でないわけですし)。一言で言うとEngageできていなかった、よりWhy True/Importantの両方を埋めることができていた、コアクラッシュを勝ち切っていた…等色々あると思います。
・求められたことだけ話す:最初のRankingの説明だけと言われたらRankingのみ、4チームの中でもOGとOOの比較だけであればそこだけ。POIと一緒ですね。適宜Happy to elaborate further if needed(詳細に関しては別途)のような表現も用いましょう。
・(好みかもですが)どこがClose, Clearかは言ってもいいかも:ここは好みですが、例えばOOとCOはInterchangableのような話もディスカッション上はありがたいとは思います

【Discussionの進め方は】
・基本的にはChairに任せるものの、Chairの気持ちを持ち続ける
:進め方はChairによる色もでるので任せてよいかと思います。他方で、例えばジャッジ全員がかなりランキングが違うときには「3人ともOO>CGなのは合意しているみたいですね」のように合意しているところを言うことであったり、CG-COの議論をしていてなかなか煮詰まってしまった場合「おそらくCGの評価はOGがどこまで言ったかに依存しているため、一度OGとCGを比較しませんか」のような提案をすることなども流れによってはアリかと思います。また、明らかにReasonableに特定のチームが勝つべきところを、他のパネルがごねている時にその「火消し」をお願いされることもあるかと思います
・結局は「基準」と「比較」のメタ認知:だいたい議論がズレる場合(Rankingがズレる場合)は、見ている「基準」(詳細はこちら)がずれているか、「基準」は一緒なものの、その中で具体的にみている内容の「比較」がずれているかのどちらかです。議論の差異がどこに出ているのかを見極め、それを解消していくことに尽きるかと思います。(発展ですが、国際大会では少し古いですが「akが見た世界トップジャッジ陣のトレンドと、日本のディベート観との比較」、「【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント」なども適宜ご参照ください。去年のWUDCでも大きくこの考え方はずれていなかったので参考になるかと)ここを細かく書くとそれだけで一つの記事になってしまうのですが、「この基準(群)は妥当か?」「その基準の下比較するとどちらのチームが優勢なのか?」の2つを常に意識しましょう
・変えすぎも変えなさすぎも良くない、結局は第三者視点と第二者視点:ランキングを直ぐ変えるのも変えないのもいずれもネガティブに働きえます。結局はジャッジという第三者としてどう思ったのかという視点と、ディベーターを説得できるのかという視点を行き来することに尽きます。ディベーターに説明できない内容はDissentしていいと思いますし、他方で自分が気づいていない「基準」や「比較」の説明に納得がいく場合は「議論の中で確かにXXという基準だけでは大きな差がないと感じたので、YYという基準で差をつけるのも、フェアだと思ったので~」のような説明とセットでランキングを変えて問題ないです。
・普段より短く、とはいえすべての発言でValue Addする:しつこいようですが時間はないです。ので短さは大事で、詳細を説明してよいですか?と聞きながら進めましょう。他方でこちらもClosingと同じようにNewがないと意味がないので(迎合しているだけのように見える)、Newを出せるようにするか、Newがない場合は変にその議論で価値だしするのではなく、「まとめる」ことや「ほかの議論で価値を出す」ように徹底するのも重要です。
・話し方のHonestyも大事:Honestyという表現にあえてしていますが、特定のチームができていないことはしっかりとできていないというのも大事ですし、他のPanelやChairと意見が違うのはHonestに言うことはむしろ大事なことも多いです。他方で、HonestyとRudeは違うので、That is a great point / I can understand your point, however...のように受け止めながら話すことも重要です。

【ジャッジのOralの時は】
・ジャッジのBPの気持ちで:ジャッジによってはPanelに少し補足の機会を求めてくれたりします。その時にNewが言えるといいですね
・徹底的に盗む:よかったところはどんどんRFDから盗みましょう。AKも格好いいジャッジ表現はパクり続けました。特に国際大会では英語の発音,表現なども同じ土俵に上がるために必要だとは思います。AKは結構色々なひとのRFDがネットに広がっていたのも含め読みました

少しでも参考になれば!

2022年9月11日日曜日

久しぶりにジャッジするときのポイント4つ

お久しぶりです。気づいたらずっと更新していませんでした。
久しぶりということで、「久しぶりにジャッジするときのポイント」というのを書いてみたいと思います。akも社会人になって、前のように「試合勘」や「トレンド」に追い付いていないというときに結構困りました。そんな中、レベルの高い大会という輪にかけた無謀な挑戦をしてしまったものの、一昨年はWSDC、去年はWUDCでブレイクできたのでその時のLessons Learnedを書いてみようと思います。

したがって、就活なのか仕事なのか、そのほかの人生の優先順位は様々あるかと思いますが、ふと、ディベートの面白さなのか後輩から頼まれたのか、いろいろなるかと思いますが戻ってきたいなぁと思ったり、もしくは少し「チャレンジ」をしないといけないと思ったら読んでみてください。

1.ジャッジの「枝葉」ではなく、「幹」に戻る;捨てることを厭わない
ジャッジは「(一定の合理性を仮定した)第三者として、勝敗の理由を腹落ちできる形で伝える」ことがその役割です。もちろん、ジャッジのConstructive Feedback(建設的なフィードバック)等教育的な役割や、試合のフォーマットへの対応(BPだと4チームの比較になる)、適宜言語の壁の突破等、そもそもとして、気になるところは多々あると思います。

特に「久しぶり」にジャッジする場合は最近のモーション、ジャッジトレンド、ディベートジャーゴン(Symmetrical、Deltaとか…)等色々足元で気になることが多々あるのは当然の反応かと思います。

それを一つ一つすべてにキャッチアップしていくことは可能な限り行ったほうがそれはもちろん良いに越したことはないですが、ずっと現役でディベートしている人たちに比べるとどうしても期間は開いており、その時間を効率的にキャッチアップしようとしても、一定の時間を要することは当たり前かと。したがって、優先順位をつけないといけない局面ではやはり「幹」なのだと思います。

したがって、「良い教育的なフィードバック」などを一定あえて捨てる、最近のディベート用語がわからなくてもまずは気にしない(もちろんメモってどこかで聞くとかはアリかと)、一定馴染みがありそうな議題での音源から戻って、まずは「昔のディベートの勘」を取り戻すことが重要かと思います。ちょっと悲しい気持ちにはもちろんなりますが仕方ないいので、いい意味であきらめることを覚えました。

2.今こそ「加点式」に;特に新しい強みから考える
とはいえ、久しぶりに戻るとやはりできないことに目が向くかと思います。特に競技ディベートは一定ストイックなスポーツ的な局面があることは否めないので。他方で、久しぶりにジャッジしているのですから、ある種「少しずつできてきた」自分をほめる形が大事かと思います。(1年生の時に、AREAが話せるようになった、などの加点式の時代があったかと、そのイメージです。)

また、意外とディベートから離れていた期間に、新しい強みを獲得しているケースも十二分にあり得ます。就活や、場合によっては新社会人になった後では特定の業界に詳しくなっていることや、そもそも企業活動に触れていることから、Economy系のモーションが意外とできるようになっているかもしれません。同じような構図は院試対策でもあるかもしれません。AKも国際法などは院試対策で意外と学べてIRの力があがったりしたこともありました。司法試験やロースクール等の対策をしていた先輩も、意外と「ロジカルに考える」癖が強くなったというケースもあるといいます。また、話し方という面でも意外と「枕詞」をつけたり、合意形成を重視される環境下に身を置くケースもあるため(グループディスカッション対策、インターン等?)それが負けたディベーターの説得の際に活きてくるかもしれません。

そのような強みはもしかしたらあなたのジャッジの「強み」にもなりえるかもしれません。ぜひいいことに目を向けていただければと思います。

3.「何ができていないのか」を徹底的に細かく考え、経験に頼らない新たなやり方も模索
「久しぶり」な時は、ジャッジをする数もきっと限られていると思いますし、勘や勢いでできたところができなくなってきていることもよくあるかと思います。こういう時こそ、自分がなんでジャッジができていないのかを徹底的に細かく考える良い機会でもあるかと思います。

そのためには、「何が原因でいいジャッジができていないのか」、「それはディベートから離れていた中でなぜできなくなったのか」をセットで細かく考えることが有益になります。

例えばですがAKの場合は意外と「情報処理能力」が落ちていたなと思ったことがありました。特に最近Rapid Speech(速すぎるスピーチ)を差別化戦略として採用しているディベーターもいるため、なおさら困ることもあるかと思います。冷静に、7分前後のスピーチを6-8回聞くというのは、1時間弱の内容を頭の中で一気に処理しきることとイコールであり、なかなかそのような機会は日常生活ではあまりないのかもしれません。

というのは、PMくらいのスピーチなら追えますし、LOくらいまでなら追えるものの、DPMくらいからClashが増えてくるとなかなか追えなくなってしまったりしたからです。

こればっかりは、おそらくディベート現役の時は議論のパターン認識もできていた(こういう議論ではこういうのが出てくるだろうとわかる)ため議論がなんとなく初見でなく理解ができる、意識的にミクロとマクロを行き来しながら今どっちが勝っているかがわかる・・・などがあったのですが、それができなくなっていたからかと思います。

そうなると戦い方を変えるしかありません。おとなしく、議題が出たら一定私はプレパしたりどういう議論が出そうかぱっとリサーチすることにして経験に基づいたパターン認識を補い、明確に紙を数枚準備して、ディベートの中でも重要な部分だけ取り出した「マクロ」な紙を準備するようになりました。(現役の時も一部やっていましたが、あまりやらないことのほうが多かったです)これで強制的にミクロとマクロを行き来し、手元におくことでブランクを補いにいったのです。

これはあくまで私の例ですが、結局「ディベーターの話を理解できていないのか?」「理解はしているものの情報処理ができないのか(論点がわからないのか、論点間の重みづけがつけられないのか、各論点の優劣がつけられないのか?)」「すべてわかっているがうまく伝えられないのか?」等、どこに問題があるのか、なんでなのかと徹底的に考えるしかないということかと思います。

4.「効率」に徹底的にこだわる
とはいえ「久しぶり」の際は時間がないかと思います。そうなると、もう効率をあげていくしかありません。いろいろな方法があるかと思いますが、AKがWUDC、WSDC前にやったことを列挙してみますので、もしよろしければぜひ。

・ディベートの試合を倍速(もしくは1.5倍)で聞いてジャッジする
・一番よくまとまってそう+最新のジャッジレクチャーを聞く
(Korea WUDCのはかなり役立ちました。特にEntingはさすがでした。)
・ジャッジの試合+実際のOA(Oral Adj)がセットな内容を探して聞く
(上記とかですし、YouTubeでも意外とぐぐると出てきたりします&昔の音源を拾い出しました。Adj Testとかもいいですね。)
・大会ではひたすらにパクって、次の試合で実践する
(恰好良い表現などは全部メモりましたし、フィードバックの仕方のパターンとかもなんとなく毎回理解しにいきました。WSDCは特にジャッジが全員フィードバックするので超絶チャンスでした)
・うまいジャッジと同じ部屋になったら臆せずにフィードバックを聞く
・過去に自分が褒められたORあまりうまくいかなかったジャッジをできるだけ全部思い出す
・OAがスムーズに出てくるように英語で話す(無駄にスピ練とかしました)
・ディベートのパフォーマンスが最大化する各種ルーティーンは全部戻す(寝る、甘いもの食べる、好きな音楽を合間に聞く…)

いかがでしたでしょうか。どれも全部自分自身が苦労した話なので、ちょっとでもお役に立てていれば何よりです!

2020年9月22日火曜日

WSDC 2020で感じた世界の高校生のポイント

久しぶりの投稿です。

この前WSDC 2020にジャッジとして参加しました。大学生の世界大会であるWUDC以上にジャッジプールの質が高く、あっぷあっぷでした。なんとかSFまでジャッジしてきました。

その中で感じた世界の強豪校の特徴をいくつか箇条書きで書きます。

・フィードバックに貪欲
WSDCはただでさえラウンド後にチームごとに、全ジャッジがコメントをします。もちろんタイムテーブルに余裕があるようにセットされてはいるものの、3人別々の観点からジャッジが入るというだけでも相当大きいです。また、ACから"transferrable skills"に関してフィードバックするように、というお達しもあることから可能な限り一つのラウンドだけではなく、将来も使えるようなフィードバックも求められます。
強豪校であればあるほど、個人のフィードバックに関してもすごく貪欲でした。「すごく良かったよ」と言っても「さらに良くするため、さらにクリアに勝つためにはどうすればいいでしょうか?」という質問が来るのは印象的でした。
また、とりあえず「全部聞く」というのも印象的でした。ジャッジの中では当然Splitもあるので取り方がすごく異なることもあっても、顔に出さず全部メモするのはすごいなと。
日本国内でも、大会では難しいかもしれませんが練習会では特にこういう試合方式が進むといいなと思いました。

・リーダーで決めに来る
今年のコーチ陣がそういうスタイルが多いからなのかもしれないのと、調査型のディベートは特に時間がある(+即興型でも1時間のプレパ時間がある)ことも影響していると思いますが、やっぱりリーダーの出力がいいですね。具体例もそうですし、相手の話のPreemptionもしっかり行っている印象です。まさに80点スピーチ超えのような印象でした。
(ブログの80点超えシリーズはこちらから)
改めて80点スピーチづくりのための練習などは有効だと思いました。

・2nd以降は"Why Likely"でクラッシュを勝ちきりに来る
Why likelyで勝ち切るチームが上に行く印象がありました。要は例えばCharacterizationがどちらもありえるとか、シナリオ(良くなるのか悪くなるのかなど)もどちらもあり得るという時に、なぜこちらのほうがより起きやすいのか、という話で決めに来る印象が特に接戦を制したチームではよくありました。
試合では当たり前ですが、早々のことがない限りすぐTieにはならない(こちらのブログ参照)こともあり、しっかり分析の深さでとっている印象が強かったです。この前ToCでシャーミラに言われたフィードバックですが"押し込む"反論が特に日本人のウィークポイントなのかもしれませんのでそこはhorizontalで練習したほうがいいのかもです。
日本国内での対処法としても、ジャッジがそこまで踏み込み続けること(また、ずっと言われていることですが、安易にtieに逃げないこと)は一つポイントかもしれません。

・FailureはExplicitに指摘する
これはやりすぎでは?というくらいに例えば相手のmodelがよくない、コントラしている、個々のメカニズムが無い、というのは(特にアジアの強豪からは)散見されました。ジャッジとしてもそういう勝敗の基準があると入れやすいんだなと。
ただ一方で、「やりすぎ」なチームも散見され、「もうわかったからいいよ」というフィードバックをたくさんもらっているチームもありました。が、日本からすると幾つか引き出しをもって活用するのは勝ちに繋がりそうですね。

・Strategicなチームが多い
WSDCの特徴としてstrategyの項目があることも影響していますが、戦略面でどこを守り切ってどこで勝つかというのが多いような気がしました。一番強い話はsqueezeするという前提ではありますが。ジャッジからのフィードバックも「ここがもっと戦略上重要なのだから反論したほうがいい」のようなフィードバックが良く見られました。もともとシンガポール等はHorizontalな練習が多い特徴がありますが、もっともっとHorizontalになり切るのが重要かもしれません





2019年10月13日日曜日

Kyushu Debate OpenにおけるEquityの取り組み

QDOにおけるEquityの取り組みをご紹介します。

・Equity Policyや、それに限らない大会の質向上の取り組みは不可欠だと思っています。
・QDOのEquityに関する取り組みも完璧ではないと思いますし、今後の改善の余地も多々あるかと思います。
・もちろん可能な限り多くの取り組みが導入されることは望ましいかと思いますが、お読みいただければわかるかと思いますが、すべての大会で全部を行うことは実現可能性上難しいこともあるかと思います。
・何かあれば、akにまでご連絡ください。(akの私見・最終決定が多々あるため、コミやほかのACの責任ではございません)

まずはEquityに関するスライドを共有いたします。



以下、各種取り組みに関してWhat?=何を行ったのか、 How?=ほかの大会で行う際のポイントなどをご共有します。

【1. Equity全般のの予防策】

A. 国際的なEquity Briefingの活用
(What?)HKDO、CBP等NEAで広く活用されており、ヨーロッパ・SEA・オセアニア等幅広い地域のEquity Officerにより運用されているEquity Briefingを採用しました
(How?)既に国内にあるEquity Briefingと大きな差はないと認識しているので、最新版の活用+それのアップデートが良いかと思っています

B. Equity Officerの選び方
(What?)Equity Officerの経験があるand/or運用に詳しい、韓国/中国/日本国籍の方計3名にお願いしました。また、これらとは別にCAP Equity Officerを1名任命し、モーションに関するEquity Violationが起きないように努力いたしました。なお、結果的に3/4名が女性でした。
(How?)上記の条件ですと、Equity Officerを務められる方が限定的になってしまう+その方々に負担が集中してしまうリスクがあるため、母数を増やす、未経験者/経験者のバランスをとる等の工夫は必要だと思っています。(=Best Effortでの対応になることが多いかとおもいます)

C. IA/ACの選び方
(What?)ディベート/ジャッジの実績に加えて、①地域/言語/ジェンダーのダイバーシティ、②過去のEquity Officerの経験の有無(6/7人がEquity Officerを経験)、③SDGsへの過去・将来の貢献可能性に関する記載を勘案して選出致しました。
(How?)国際大会である特性上、特にその候補者が多かったため実現しやすい点はあったことに加え、③はQDOの特性でもあることに留意は必要だと思いました。(=Best Effortでの対応になることが多いかとおもいます)

D. 全参加者のTerms of Conditionsへのサインへのお願い
(What?)WUDC等の国際大会の取り組みを参考に行いました。幾つかの項目がありますが、犯罪行為や反社会的行為があった際に大会から追放させていただく旨も書かれています。
(How?)こちらは、九州大学の法務関連の職員の方とも相談しながら作成したものであり、0から各大会で作成することは難しいかもしれません。もしかしたら、共通テンプレートの作成等が良いかもしれません。

E. Motionの選び方
(What?)Motion Discussionの際に、Is this fair?  Is this interesting? のような問いに加え、Could this be triggering/offensive?という問いも考慮しました。結果的に、少しでもリスクがある場合はTrigger Warningを出す、劣後するなども行いました。
(How?)何をもってOffensive, TriggeringなのかはACの中でも議論が分かれ、絶対的な答えがありませんでした。今回はComplaintがありませんでしたが、もし発生した場合でも、「完璧にすることはできない」ことへの理解を示しつつ、プロセス評価を行うことの重要性も感じました。
なお、テクニックとしてモーションをあえて抽象化する、wordingを一つ一つ練る、のような時間がかかることにはご留意ください。AC未経験者がACとして参画することを躊躇する、のようなリスクもあるのではないかなとやりながら思いました。

【2. Iron Personing/Opt Out】

A. In-Round(予選)におけるIron Personing/Opt Outの運用
(What?)"in cases of medical/deeply personal reasons"において、モーション発表後3分以内にACにご連絡いただければ認めました。
なお、deeply personal reasonsを詮索することはしないことを約束する一方で、単なる好き嫌い等で利用することは行わないようにメッセージを発させていただきました。
具体的なブレイクへの影響等はBriefing資料をご覧ください。
結果的に、Iron Personing/Opt Outは一度も発生しませんでした
(How?)運用のためには、多くのシャドウの方の準備が必要でした。QDOでは、運営の工数が必要で、かつ九州地域で行われる唯一の最大規模の大会であることから、シャドウの人数が限定的になる傾向にありました。
今回は、未経験者の1年生等に頭を下げて行うことにもなる可能性があったほどです…。最大で6人のシャドウを準備しつつ、さらに数名がOpt Outした場合は、10名程の余裕があるかどうかにもよるかと思います。
また、QDOはディベート未経験者の方やオブザーバーの方もいらっしゃり、かつ教室の使用時間も厳しいことから場合によっては混乱も予想されたため、導入に際しては議論がありました。

B. Out-Round(ブレイクラウンド)におけるBack-up Motions/Swing Teamの活用
(What?)予選と同じような状況になった場合は、別モーションを出す準備をしていました。(また、状況によってはSwing Teamによるラウンド)
結果的には、発生しませんでした。
(How?)運用のためには、モーションのバックアップを多く準備しておく必要があります。テーマでの被り等も勘案すると、3-4つ以上のBack Up Motionが必要になるかと思い、ACへの負担はあるかと思います。

【その他Q&A】
Q. AC以外のEquity Officerによるモーションの事前チェックは?
A. こちら、AC内でも議論したのですが、今回は見送りました。その理由としては、①CAP内のEquity Officerを任命することで、そのチェック機能を最大限確保したのと、②参加者が「Equity Officerも大丈夫だと感じている」前提でモーションを見た際に、本当にTriggering/Offensiveの際にOpt Out等をしづらくなるリスクが否めなかったのと、③ACの責任である部分が、Equity Officerに関しても責任範囲が広がってしまう(=Equity Officerの過度な負担のリスク)ことを感じたからです。
ただし、今回の大会ではこのように考えたので、他の大会でもそのようにすべき、という論調ではないことにご留意ください。

2019年7月27日土曜日

「え、何このモーション」となった時に行う6つのこと

久しぶりの更新です。ディベートを長くやっていても、「え、何このモーション」となる時ってあるかと思います。初心者の方にもありがちですが、私も、国際大会を中心に見たことないモーションを見たとき、久しぶりに大会に出たときに最近の流行となっているモーションを見たとき、なります。そのようなときのTipsをご紹介します。

1. まずとりあえず落ち着いてモーションを読む、書く
慌てても逆効果になってしまいます。とりあえず、まずはゆっくりとモーションをもう一度読む、場合によって実際に書く、ということを行います。
また、私は「難しいモーションの場合、相手も焦っているはずだ」と思うことにしています。テストで難しい問題ができたときの「他の人もきっと解けないはずだ」精神かもしれません。ディベートは相対的に上回れば勝ちにはなるので、落ち着くことが大事です。

2. 何が、「何このモーション」と思ってしまった理由なのか考える
このような状況に追い込まれる際には幾つかのパターンしかないはずです。
① 単純にモーションに書かれている言葉やコンセプトを知らない
(例えば、アフリカのこの国のこういう部族、最近あった具体的な人名等をみて焦ることがあるかもしれません。)
② モーションのワーディングの関係で、意味がすっと分からない
(特に長文である場合、構文が一瞬理解できない。日本のディベート界であまり見ない表現が急に出てくる、等もあるかもしれないです。よく「あるある」だとlift sanctionsってあれ、どっち、となる方が多いとか。)
等はよくある場合ですね。その原因が分かると落ち着いてその対応策を考えられるので、便利です。

3. 分からない場合は早めに他の人に聞く
プレパ時間はあまり長くなりません。まずはパートナーに素直に「分からない」と言うことを伝えましょう。私がディベートの大会に出るときは最初にそういうルールをつくっておくこともあります。意外とパートナーが冷静でよく知っている場合があったりします。また、AC陣(Chief Adjudicator, Deputy Chief Adjudicator)等モーションの意味を聞きに行くこともできます。

4. 思考方法を意識的に切り替える
TBH思考法は、それぞれに得手不得手があります。(意外と知られていないかもですが。)したがって、チームとして普段行うプレパでない形で考えるのも時には重要です。例えば、ボトムアップ型のディベーターの場合、具体的なキーワードを知らない場合パニックになってしまうことがあります。その場合は「抽象的に考えると、これは結局政府がどの程度介入するのかって話かもしれない」「ある種、経済対環境の対立なのでは?のように、1st Principleから考える、などが有効になるかもしれません。議題によっては、片方のチームはよく分かる場合もあるので、Horizontalに切り替えることも有効です。
(思考法に関しては、概要としてのこの記事や身に着ける方法としてのこの記事などが参考になります)

5. 完璧を捨てる
最後に、1でも少し触れましたが、ディベートは相対的に上回れれば勝ちです。また、毎回自分の最高得点の更新を狙う必要もありません。私もジェミニのときは、分からないモーションが出たとき、Matter 4点 Manner 5点(今でいう、65-85点の間であれば、67点とかに相当)で辛勝したこともあります。2nd Speakerが話す3rd Argumentがないこともあります。(あるMDO EFL Championのチームは、何度か3rd Argumentが無い状態に陥ったようです。笑)普段と違うパフォーマンスではあるものの、Harm Minimizationを行う、のがテクニックです。

6. ラウンド外で、冷静になってPDCAを回す
試合が終わった後、「なんでこうなってしまったのか」という反省を基に、PDCAサイクルを回すことが重要になります。例えば単純な苦手分野の場合はそのリサーチということになるかもしれませんし。即興型ディベートは多くの議題に触れないといけないことから、議題の選び方から工夫したほうがいいかもしれません。(詳しくはこの記事参照。)

2018年10月7日日曜日

akが見た世界トップジャッジ陣のトレンドと、日本のディベート観との比較

今年はKyushu Debate Open、Macau Tournament of Champions、China BPと3つの国際大会に参加しました。

その中で、ひたすらに海外のトップディベーター(近年/今年の、WUDC CA/DCA、Champion、Best Speaker、Australs CA、Champion等)にジャッジされたり一緒にジャッジしたりした中で、akが重視する傾向にあるなぁと感じたことを書いていきます。

(最近国内の大会に顔を出せていないので、日本でもこのトレンドがあるのかもしれませんし、サンプル数は25位なので十分に優位なのかもわかりませんが、ご参考になれば幸いです。また、これらは「近年」重視されはじめたのか、前からなのか、等のところは分からないというところも断っておきます。ややcontroversialになるかもと思いながらも、議論するきっかけになれば幸いです。何かご質問などあればいつも通り当然どうぞ!)

1. Argumentの強さを測るのはWhy true?とWhy important?の2つのレンズ
こちらのMDGによる有名なビデオにもありますが、基本的にArgumentはこの2軸で評価されます。(この2つの掛け算によりArgumentの強度が決定される)

Why true?というのは、akの解釈では、いわゆるメカニズムと呼ばれるような"how"(なぜ起きるのか)が中心となると思います。これは、モーションに関連性の高い(Relevantな)5W1Hにより「なぜ特定のことが起きるのか」というのを深く説明できるか、だと思っています。(なお、Secondary Mechanismの重要性はこちらの記事で書いています)

Why important?というのは、絶対的Impact/相対的Impact両方になるかと思います。(これも同じくこちらの記事で書いています)なお、所説ありますが、特にPrincipleとしてのWhy important?の説明は特に日本勢は下手な傾向にあるのでは?とある海外ディベーターに指摘されたことがあります(大きな主権とか自由とか、正義とかです。)。

事実、直近のChina BPでも、例えば「OpeningはWhy true?はあったけどWhy important?がなかったよね」だとか、「ClosingってWhy importantが無かったから評価できないよね」というコメントが多々存在しました。

なお、これを日本のSQ, AP, Impactと対比してみると、基本的なフレームとしては悪くないのかもしれません。いわゆるWhy true?はSQ, APの説明にあたるかもしれないので。ただ、昨今盛り上がっているSQ, AP, Impact批判論にあえて乗っかるとすると、Why true?を証明する一手段としてのSQ, APのフレームワークとして位置付けるほうが良いのではないか、と個人的には思っています。

なお、ジャッジをしていると「どんなArgumentであってもこの2軸で判断すればよい」と思えるようになるので、よりシンプルにかつ感覚にあったジャッジができたような気がしており、個人的にもお勧めです。フィードバックでも"Why true?というところは例えばX. Y, Zと証明していたけどWhy important?が抜けていたよね"というほうが、海外ディベーターの納得度も個人的に高くなっているように感じました。

2. Counterfactualとの比較でWhy true?を証明
Counterfactualという言葉が最近流行っています。ジャッジでもよく聞きますし、ディベーターも「OGはCounterfactualがなかった」というようなFailure指摘をするようにも増えてきているように思えます。直近でもMacau Tournament of ChampionsのOW(GF Best Speaker, Champion)は1st ClashをOG's missing counterfactualと明示して笑いもとっていました。

Counterfactualは直訳すると「反事実」となりますが、akの解釈では"what would the world look like in their/our world"的に、「もう一方の世界観」だと思っています。例えば、THS the dominant narrative of Xの場合、「Xがdominant narrativeな世界」のcounterfactualは「そうでない世界」になりますが、それは例えば「Xが1 narrativeとなっている世界」もしくは、「Yがdominant narrativeになっている世界」になり得るかと思います。

これを日本の今までのSQ, AP論に当てはまると、SQのcounterfactualは例えばAPにはなり得ることはあると思います。一方で、毎回そうとは限らない(分かりやすいのはcounterplanがあるとき)ので、万全なフレームワークではないのでしょう。特に、Policy MotionではなくAnalysis Motion (THS, THR,等)のときはさらにそうかもしれません。

なお、China BPのBriefingでもAnalysis Motionでは「We need to describe and justify how an alternative world would look」と言っているので、counterfactualがなぜ起きるのかという説明も必要になる(Why true?の説明は当然必用)ことだけ留意ください。

感覚的ですが、本当に多くのジャッジ陣がRFDでも使うことが増えてきているなぁと思ったりしているので、ディベーターとしてスピーチで使うだけでも「おっ」と思わせられるかと思います。事実、China BPで3日目に大きく点数を伸ばしたThe Kansaiチームは、OFも"counterfactualがない"とスピーチにねじ込んでいたところを見ると、アジャストしたのかもしれません。

さらに日本のコンセプトに近づけて論じると、Oppのcounterfactualでは実際もっと悪くなってしまう、という考えだけを見ると、いわゆるBlack Marketの考え方の構図に近いのかもしれません。

3. Mutual Exclusiveであれば、一気に相手のWhy important?を弱体化
ここ数年流行っている概念の一つはMutual Exclusiveかどうかです。Mutual Exclusivityとは、Gov, Opp 2つのModel/Paradigm/Worldにおいてどちらかだけに排他的に存在するか?と問いかけている概念です。要はGov or Oppだけで起きるのか、Gov, Oppどちらでも同じくらい起きるのかという2パターンあるうちのどっちなのか、もし前者であればArgumentとして重要だし、後者であれば重要性ががくっと下がる、というものです。これは上記のWhy true? important?にのっとると、仮にimportanceもめちゃくちゃ説明していたとしてもnot mutually exclusiveということを証明できれば一気に弱くなる、という位置づけになるかもしれません。

もちろん、どのようにExclusiveになるのか/ならないのかというのはディベーターの説明に依存し、何ならそこが論点になることもある、というような感触を得ました。

日本での示唆ですが、反論の型の一つにIt is not mutually exclusiveという型を入れ込む、というのもアリなんじゃないかなと思っています。

なお、余談ですがあるアジアのトップディベーター曰く、この概念はここ数年のトレンドだとか。でも結構アジアでは前から聞いていたような気もしているし、Tateとかも"non-contentious"という反論も結構打ったりしていたなとも思ったので、もしかしたれあHorizontal思考のトップディベーターの中ではずっと概念としてはあったがそれが定着した、ということなのかもしれません。

2017年11月1日水曜日

【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント

お久しぶりです、ak_debateです。

背景/結論
今年はSIDO、QDO、HKDOと3つのアジアのBPの国際大会でジャッジする機会に恵まれたのですが、
そこで感じたディベーター/ジャッジのギャップに関して書いてみたいと思います。
具体的には、「日本チーム/ジャッジがより活躍するには何が必要か?」というのを、この3大会を通じて感じたことを中心にまとめてみました。

結論から言うと、色々あるかと思いますが
1. "Sell your idea"の意識
2. 絶対的/相対的Impactの明示
3. Secondary Mechanismの強化
この3点があるかと思います。ポイントとしては、これはディベーター/ジャッジ両方でガラパゴス化している(=海外勢とのギャップが大きい)部分なのではないかと思っており、ディベーター、ジャッジ両者への示唆としてまとめています。

【ディベーター編】
まずはディベーター編を見ながら説明させてください。


1. "Sell your idea"の意識
実はこの言葉はJapan BP 2014に出場していたイムランに教えてもらった言葉です。
予選で当たった際に、BPとAsianの根本的な違いは"アイディアをどれくらいジャッジに売ることができるかだ。Sell your idea!"と教えてくれました。

具体的には、イントロから最も重要でイイタイコトを明示化し、その例も最初から出していけ、というような各論まで踏み込んでくれました。

なぜこれが重要になるのか?というところですが、シンプルに、ジャッジが8スピーチを聞いた後、4チームの優劣を短い時間でつける必要があるためです。

例えば、これはBP Novice West 2017 Handbook 寄稿文#5でもこう書かれています。
特にBPにおいて、「分かりやすい=評価しやすい」というのは大きな武器です。
一々よくわからない部分を見るより「分かりやすいからここ上位にしよう」という方が簡単ですし。
最終的にDecisionを出すまで15~20分しかありません。その間にすべての複雑・難解なスピーチを紐解くのは不可能です。
これをまさに体現したのはHKDOのOpen Quarter Finalでジャッジした時でした。1位はクリアで、2-3位でディスカッションした時にチェアージャッジは「まず各チームが言ったことを一言でまとめるとなんだっけ?」という問いからディスカッションを始めました。そこですぐに出てこないアイデアに関しては「はっきり言われていなかったよね」と評価が一気に下がってしまいました。

各論としては、まずイントロ、アウトロでしっかり印象に残す、立論ではそのアイデアをサポートする構造を分かりやすくつくる、パワフルな具体例を用いる(ICUT 2015でラフィーク(昔のAsian BPとかのFinalist)が言っていましたが、「Examplesは数より質」です)、必要に応じてPOIでもリマインドする、などになるかと思います。特に具体例に関しては、海外のジャッジのAverage Intelligent Voter (Informed Global Citizen)のレベルが高いため、ちょっとでもドンピシャな例であれば大きく評価してくれる一方、そうでないと一気に評価が下がります。例えば、HKDO SFのTHBT the international community should create an independent sovereign Rohingya state in northern Rakhineで、PMが出してきた具体例の悪さ(インド/パキスタン、北朝鮮/韓国)に関してジャッジは低評価でした。また、同じくHigh School Pre-Semi FinalのTHS politically active first ladies.でOGが出したTrumpの例のCredibilityが悪く「なんでObamaとかを使わないのだろう」とジャッジが嘆いていました。

また、日本では驚くべきポイントだったと思いますが、同じくそのHigh School Pre-Semi Finalで、PMがpoliticsの話に終始、LOがそれもあるがfeminismも大事だよねと言い、DPMがそれに対応する形で両方話したものの、私以外のジャッジ2人は「それじゃ遅すぎで4位」と言っていました。(そもそも分析の深さやエンゲージで下がるなぁと思っていたので順位は一緒だったのですが、そんなに重く見るんだ、とちょっと驚愕しました)もちろん、その2人がstandardなジャッジなのか?という点は注視する必要はあるかもしれませんが、それくらいにSell your ideaがしっかりしていないと評価が下がる、という例かもしれません。

2. 絶対的/相対的Impactの明示

1. に関係しますが、2種類のImpactを両輪で明示できるかごうかが鍵になります。もちろん、ジャッジもどうImpactfulなのかは考えながらジャッジしますが、どうしてもジャッジとしても明確に言ってくれないと気付かない、or勝ちにしづらいという構造があります。

絶対的/相対的Impactはak_debateによる造語ですが、下記のように定義させてください。
絶対的Impactというのは、「そのArgument/Idea単体としての重要性」です。いわゆる古典的なSQ AP ImpactのImpactかもしれません。どうひどいのか?どういいのか?(Practical, Principleどちらもあるかと思いますが)の話ですね。日本との違いとしては、よりそれがイラストされた分が印象操作などとされずにしっかり評価される部分でしょうか。

相対的Impactというのは、ディベートの中での重要性という話です。これは例えば相手の話をより切っているだとか、どこにClashしているだとかです。日本でもよくやる"This directly clashes with the opening"のようなものですが、具体的にどのようにClashし、上回っているかまで説明しているところはポイントでしょう。

特にClosingになった際にこれは顕著になります。例えばSIDOでのOxfordのチーム(優勝チーム)は必ず"Why is this extension important?"と愚直にサインポストをつけ、いかにOpeningの話を上回っているか、相手の話に対応しているかなどを説明していました。

また、HKDOで日本チームが負けてしまっていた時に他のジャッジに休憩時間などの雑談で聞いてみていると、「明示的にImpactを言ってくれていないからだ」と答えられました。「言っていることは分かるんだけど、ラウンド中にハッキリ言ってくれないと」と言われたのが印象的でした。

また、感覚的ではありますがHKDOの予選でジャッジしていても、「なんでOpeningを超えているかの説明がはっきりとないから残念ながら負けにした」と言った際のディベーターの納得感も違いました。(もちろんHKDOが招へいジャッジだけで回っているだとかいろいろなポイントもあるかと思いますが…)「Openingより重要なのが明示されていなくて」と言った瞬間にClosingのチームが頷くことが何度もあったので、ちょっと留意してもいいかもなと思いました。

3. Secondary Mechanismの強化

これもまた造語で恐縮ですが、Primary Mechanismをすぐ思いつく話(モーションからすぐ出てくる話)とすると、Secondary Mechanism(すぐ出てこないステークホルダーや、中長期的な視点)をしっかり海外勢は立てている印象がありました。

例えばQDOの優勝チームは、GFのYou are a respected, high ranking, heterosexual officer in the military.  In the past, you have publicly advocated for LGBT rights within the army and have worked hard to improve how they are treated.  A newly elected conservative government has enacted a ban on LGBT's serving in the army.  As the officer, THW resign.というモーションのCOから、resignしてしまった場合は内部から、司法/警察/科学者などへの調査を依頼して、evidence baseでLGBTがいることでoperationが非効率的なのかどうか(=excludeしていいのかどうか)議論することができる、というようなinternal changeの話を立て最初からほぼ全員のVoteを勝ち取っていました。

他にも、例えばHKDOのR7のTHBT HK government should post strict restrictions on non-holders of HK passports right to purchase properties.で、今回のTop 10 speakerに入ってGFまで進出したディベーターはOGは、単純なpurchaseを禁止したmodelとしてprice gougingがなくなることや市民が地元でビジネスを行うことによる経済効果にとどまらず、「strict restrictionによって生じた余剰からethnic quota, poor quotaのようなpublic housing policiesをinitiateできる」というような話を出していました。

日本であれば「自己満」「遠い」と呼ばれるような話かもしれませんが、それらも例えばメカニズムを具体例を詰めながら話していたり(例えば後者であればシンガポールの話が具体例でついていました)、そのImpactまで伸ばしたりしていました。(例えば後者であれば、Oppのcounterproposalのpublic housingへの対応)あくまでIdeaの強さはmechanism, examples, impact, relevancy等の「掛け算」であり、relevancyが多少薄くてもrelevantにしていたりそれ以外が強い場合はとるというholistic adjudicationが垣間見えたと思いました。

【ジャッジ編】
そして、これらの話は実はジャッジにもRecommendationがあります。ほぼディベーターのほうで詳しく説明したので、スライドを中心にさせて頂きますが、基本的には「ディベーターにその3つを意識したRFD/FBを行う」というところになるかと思います。


1. "Sell your idea"の意識
ここで日本勢が良くも悪くもやっているのではないか、と思っているのは「アイデアの咀嚼」です。「こういうことを言いたいと思ったんだよね」という介入が多い気がしています。もちろんこれは悪いことではないのかもしれませんが、「介入しすぎていないか?」というのは見つつ、また「よりはっきりとsellしたチームに対して評価をあげる」ことが重要な気がします。また、勝ち負けに反映されなくても、「より分かりやすくsellするには」という観点でフィードバックするのが重要かもしれません。

誤解してほしくないのは、はっきり言っていないから負けね、というようなラディカルなジャッジをしろということではないです。Sellできていた度合いがRFDにはねてくるのも一個ありなのでは?というご提案です。

蛇足かもしれませんが、仕事を始めて海外のビジネスパーソンと会話することも増えたのですが、やはり海外勢は一言目から伝えたいことを明確に伝えてくるし、スライドなどをつくっていてもexplicitに書かれているか、clarityが高いかなどがフィードバックのポイントになっています。一方、日本勢だと「相手の話を咀嚼していてよかった」のようなフィードバックが来ることも多く、日本では「聞く(理解する)」「話す(伝える)」だと前者がより重要視されているような気がしました。あくまでn数も少ないので蛇足にとどめますが、「ハイコンテキストな会話」「あうんの呼吸」等の言葉からもそこそこ当てはまるのかもしれません。

2. 絶対的/相対的Impactの明示
誤解していただきたくないのは、ジャッジとしてディベートに介入するなということではありません。

例えばSIDO/QDO/HKDOのBriefingでも、「アーギュメントの重要性は明示的に言われていたものの、暗示的に合意されていたものの両方である」と言われています。また、Extensionに関しても「Judges need to look for which parts of the speeches are new」とジャッジに評価の責任はあることを伝えています。一方で、とはいえそれが明示的でない場合は評価が下がりうること、それが明示的にされていれば評価が上がりうること、というジャッジ/FBをすることは、ディベーターへの成長にもつながると思います。

ここのバランスは当然難しいですしケースバイケースです。"ImplicitではあったがOOをtackleしており・・・"と評価することもあれば、"Explicitでなかったため評価しづらく"と、評価をさげることもあると思います。ただ、Explicitなほうが評価は当然あがるので、それをFeedbackすることは重要な気がします。

3. Secondary Mechanismの強化
海外ではsecondary mechanismまで含めてしっかり説明していないと「薄い」「浅い」と言われることがあります。「コアじゃなかった」「Relevantではなかった」「自己満だった」というのは思い込みではないですか?という投げかけをしたいというところもあります。

一方で、ここでも誤解してほしくないのは、妄信的にSecondary Mechanismをとる必要はないということです。

ディベーター編でも書きましたが、「あくまでIdeaの強さはmechanism, examples, impact, relevancy等の「掛け算」であり、relevancyが多少薄くてもrelevantにしていたりそれ以外が強い場合はとるというholistic adjudicationが垣間見えたと思いました。」であり、secondary mechanismだという理由だけで評価を下げることはやめたほうがいい、というところかもしれません。

特に難しいのは、Secondary MechanismはIntuitiveでない部分もあるため、説明するうえでの力量も要するところです。いい視点であっても十分に説明力が足りずに強く立ち切らないことは多々あるかと思います。ジャッジとしては一緒に考え、どうすれば立ったのか、まで考えてあげることが重要でしょう。

最後に
3つのポイントはいかがでしたでしょうか?個人的には、ディベーター/ジャッジの相互作用の中で、この3つが日本に輸入されることにより、より日本人のディベート力があがり、海外(アジア)でも評価されることにつながることを願っています。

何かご質問などございましたらお気軽にご連絡ください。

2015年1月5日月曜日

国際大会の持ち物リスト

国際大会は、いわゆる「アウェイ」での戦いです。長いフライトの後、言語や食文化が違うところで4-4日間、長ければ1週間以上すごすことがあります。その際快適に過ごすためにどのような持ち物リストがあれば良いのか、自分や他のディベーターの経験則ベースでリストアップしたいと思います。コミュニティとしてリストができればいいなぁと。w

■ 普通の旅行でも必要なもの

□ パスポート 
(万が一の盗難・紛失のためにパスポート情報の写メ/メモも持っておくと再発行がスムーズに行くようです。また、国によっては失効期限に縛りがあるので場合によっては早めに更新しておきましょう!)

□ クレジットカード
(結局現地のお金がどこかで足りなくなることが多いのでその際はクレジットカードがあると楽ですね。)

□ 現地のお金
(ちなみに、日本で両替するとレートが悪い傾向があります。よく言われているのは、現地の市内の両替>現地の空港の両替>日本の市内の両替>日本の空港の両替というのが一般的なレートのよさらしく、筆者は現地の空港派です。便利ですし、後現地の市内でぼったくられたり偽のにひっかかるリスクが嫌なので。)

□ 薬
体調を崩しやすい人は、市販の風邪薬、及びに胃腸薬(正露丸等)を持ち歩くと安心です。特に水の質が変わったり、温度差が激しいところにいくときはなお更です。

□ 保険
僕は空港で毎回保険に入っています。生協とかクレジットカードのプランで入っているのであれば不要ですが、万が一のことを考えて保険に入っていくとよいと思います。実際過去に先輩や後輩が病院でお世話になっていたことはあったので……。

□ 虫除けスプレー
途上国にいく場合は特に虫除けスプレーを持って行きましょう。国によっては予防接種が必要な場合もあるのでそれもあわせて確認しましょう。

□ 暖かいはおるもの
会場の温度調整が本当にあわず、かなり寒いこともあるので暑い国にいく場合でも持っていきましょう。LCCだとブランケット代わりにもなります。個人的にはセミフォーマル感があるやつだと、ソーシャルにも使えて便利です。

■ ディベート関係

□ 紙・ペン(インク含む)
多めに紙は持っていきましょう。普段より消耗しやすいです。また、現地の紙質が合わず困ることもあります。ペンも同様です。

■ 個人的なおすすめ

□ スポーツドリンクの粉末
ステマ状態になっていますが、ポカリはまじおすすめです。体調を整えてくれる機能があるので。暑いときはペットボトルの水に溶かして、寒いときはホットポカリにして飲んでいます。

□ 味噌汁のもと
なんだかんだで日本食が恋しくなります。その中で一番手軽なのは味噌汁です。コンビニだと12食250円とかで売っています。落ち着きますし、あったまりますし、個人的に必ず持ち歩いています。

□ のど飴
部屋が感想していることはよくあるので、のど飴は個人的には必需品です。

□ その他の日本食やインスタント食品
僕の後輩は梅干を持っていって毎朝おかゆに入れていたり、カップラーメンやカップそば(年越し用)を持っていったりしています。どっちもいいなぁと思います。なお、レトルトのご飯とかの場合は、シンクにお湯をためて湯煎します。

□ 変圧器・プラグ
SNS中毒にとっては必需品です。なお、パソコンとかは変圧器はいらない場合もあります。

□ (世界大会の場合)Economist
年末のEconomistはその年のまとめとかが載っているのでおすすめです。部の先輩も買っていました。

■ 他の人のおすすめ

□ 洗濯用品
僕も一時期やっていましたが、洗剤やハンガー、ひもを持ち歩いているともよくいます。何枚も服を持っていくよりコストパフォーマンスが良いので。人によっては現地で買ったり大会Tシャツを買ったり、またはルームサービスを頼むこともあります。

□ 電源タップ
変圧器が一つでも、その後のタップがあれば複数器使えます。(同時に充電とか)電圧にはくれぐれも注意は必要ですが。

□ 体温計
体調が良いか悪いかを一瞬で判断できてかさばらないのでお勧めだそうです。

□ つめきり
意外と爪が伸びます。長期の場合は。

□ Wi-fi
何人かでシェアするならWifiを購入するのも手です。実際何回か他大学の後輩に乗りました。結局ホテルにしろ会場にしろ意外とWifiがつながらなかったりもするので、コンスタントなアクセスが欲しい人は是非に。リサーチもできますし。

□ アイマスク、ブランケット、耳栓、スリッパ
安眠のために必須なグッズですね。特にLCCで移動ならなお更です。

□ (国際)学生証
国によってはこれで割引が効いたりします。僕は香港で日本の学生証で博物館の割引を経験したことがあります。国際学生証の方がいいらしいですが。

□ 折り畳み傘
東南アジア等、よく雨が降るところならなお更。会場の移動中にも必要かと。

□ トランプ 
トランジットの時だとか、大会での気分転換にぜひ。ちなみに大富豪はローカルルールがたくさんあるので最初に確認しましょう。

また随時アップしますが、今のところ必ず国際大会に持っていったり、もって行っていいなぁと思ったのはこのあたりです。

☆K.K.(きょーじゅ)の協力を得て追記しました。ありがとう!
☆うーさん(ICU)の同意の下一部加筆しました!ありがとう!

2014年7月9日水曜日

Australs体験記

Australsで感じたこと

6年目にして初めてAustralsに参加してきました。
結果は3勝5敗、スピーカーとしては辛うじてアバレージを越えて真ん中くらいの順位とかでした。
悔しい結果になったのは間違いないですが、同時に学ぶことも多くこれは形にしてディベート界にシェアしたいなと思うので書きます。

なお、個人的にはAustralsに関する考察はけーたのが秀逸だと思います。国際大会で結果を残したい人は確実に読むべきです。
(http://icuds.blogspot.jp/2010/07/auckland-australs-2010by.html)
多くの話はここで既に書かれているのですが、それでも新しいことを頑張って書きます。笑

けーたの書き方をぱくるので申し訳ないのですが箇条書きで行きます。
また、少し紋切り型な日本批判のような口調になるようなところもあるかもしれませんがご容赦下さい。
ちなみにモーションはこちらからどうぞ http://tab.australs2014.com/t/australs2014/motions/


1. ModelのWorkability
一番感じたのはここでした。
よく日本でも「Opp Modelって大事だよねー」とかくらいなことは言われたりすると思うのですが、本当に重視します。
Affirmative, Negativeどちらも「Modelがどのように作用するのか」という説明が強く求められました。

例えば、R2で That we should eject sporting teams from international competitions if their fans are found to have committed racist/sexist/queerphobic etc acts during matches
というモーションをやったのですが、個人的には「いやーこれさすがにかわいそうでしょwwwNeg楽勝!」とかと思っていたのですが普通に負けました。

その最大の理由がNegのModelがどのように作用するのかが説明不足だったとのこと。最初呆気に取られましたがよくよく聞くと確かにと納得しました。
Domestic lawや、Playerをpunishするモデルがどのように作用するのかというのをかなり細かく説明することが求められました。
日本だとよく省略されるようなイメージですが、かなり本当に「それでも罰されて自分が捕まりたくなくて……」というような丁寧な説明が求められるようです。

その反省を生かしたR3ではThat we should promote the notion that the decision to have a child is a selfish one
で、childrenを持つことも持たないことも両方promoteするモデルにより良いところにしっかりと気づくという話を丁寧に説明したところ評価されました。

なお、Modelは当然Affでもしっかりかかってくるため、Aff, Neg共にWorkabilityをかなり丁寧に説明する意識が必要だと思いました。

2. ModelのComparison
上記に関連しますが、「なぜAff/Negのモデルの方が良いのか」というのをExplicitに説明することが求められました。
例えばThat corporations should be allowed to voteのNegにおいては「SQのlobbying, CEOのvote等によって声は反映できているが、voteだとdisproportionateに企業の声を反映してしまうためだめ」というのを明確に言ったところcloseながら勝つことができました。

よくジャッジにComparisonしろ!と言われると思うのですがそれは必ずしも相手が一番守りたいものと自分が一番守りたいものの比較軸というわけではなく、Model全体としての比較を強く求められました。

3. Non-initial arguments(3rd, 4th...)
個人的にAustralsで一番手ごたえを感じたのは2nd Speakerの3rd, 4thが圧倒的に評価されるというところでした。
全てのラウンドで自分のArgumentがReasonに反映され嬉しかったです、という単純な感想文ではなく、けーたも書いているように2nd speakerのコンストは強く求められていました。

確かに1st argumentと比べるとintuitiveではないものの、重要なファクターになってくるのはおそらく1st Affirmative/NegativeのClashである程度重要な話が完結するためさらに議論を深めることが求められるからかと思います。
個人的な感覚として「少しユニークじゃない」「少し遠い」「少し解決しづらい」みたいなものでも、関連性がありPrinciple/Practicalどちらか的に必要だと証明すれば自分のModelの優越性を証明していることにつながっているという判断基準を持っているようでした。

少し批判的になってしまって非常に恐縮なのですが、日本だと相手の1st pointにClashするような形や、自分の1st Argumentの延長線上にあるような説明のしかたが強く求められる気がしました。
Australsにおいては(UADCでも感じていたことですが)、モーションをとって生じるArgumentであれば十二分にとられる感じでした。

例えば、That the West should not import food from nations with chronic food shortagesのAffにおいて、monocultureを止めるという話と、先進国における大量生産大量消費のカルチャーが無くなるという話はどちらも評価されました。
また、That corporations should be allowed to voteのNegにおいて、企業で働いていない人たち(Public servants, Househusbands/wives)へのstigmaの話も評価されました。

とはいえ、この話には当然留保が必要で、かなり丁寧に説明しつつ、イラストをしたりインパクトを盛ることは当然必要だというのは強調しておきます。

4. Uniqueness
「Uniqueness」という言い方はされませんでしたが、日本と同じくモーションの肯定否定に必要なユニークネスはかなり求められると思いました。
日本との違いだけ述べておくと、Uniquenessを多角的に分析することが求められました。
例えば、That developed nations should pay developing nations to not extract their fossil fuel resources (coal, gas, oil) という話において、fossil fuel resourceのUniquenessは環境を破壊するかもとかという話だけでは足りず負けました。
「特にexploitativeになりやすい」という分析などが特に必要になってくるらしいです。(詳しくはリサーチして下さい)
なので大事なのはユニークネス1個思いついて満足しないことなんだなぁと思いました。

5. Manner
これは大きいでしょう。語っても語りきれません。
正直「白人うめええええええええええ」って思いました。いやあ上手いです本当に。Replyとかそれだけでひっくり返して来ます。尋常じゃないです。
それで大事なのは可愛そうなイラストは人一倍訴えかけてきますし、くだらない話にはジョークで返してきたり、インパクトを盛るためにword choiceがかっこよかったり。
日本でも確かに「Mannerもみましょう!」って言うと思うんですが多分AustralsはもろにMannerの分が点数に上乗せされます。

例えばThat ransoms should not be paid to Boko Haram(またボコハラムwwwwUADCに続いて僕は縁がありますね)のNegでBoko Haramにkidnapされた人を助けるnecessityを「まじかわいそう」イラストを自分としてもかなりよくできたなと思ったら、この大会で唯一77を越えました。(やった!)
That we should eject sporting teams from international competitions if their fans are found to have committed racist/sexist/queerphobic etc acts during matches でのAffのメルボルンはgayかわいそうイラストがやばくて「いやいやnon-contentiousだろ」という自分たちのクレームを跳ね除けてきました。

今回NUSがブレイク落ち(まさかの4勝しかできず。。。)という悲劇があったわけですが、もしかしたらアジアとオーストラリアの一つの大きな壁はこれなんじゃないかと。
発音はまだしも、word choice、印象操作等は日本としても積極的に評価していくことが必要な気がします。

6. Reply DOES matter
Replyは本当に重きを置かれています。Best Reply Speakerというカテゴリーがあるくらいですしね。
日本だと一部のジャッジは自分のノートを整理したりしているわけですが(実は僕も昔やっていたのであんまり人のことを言えないのですが……)これはまずいなと。
真剣にReplyでひっくり返しにきます。
ブレイクラウンドの音源は絶対に聞くべきです。

ただ同時にNewは厳しく言われました。あくまで、起こった内容をベースに最大限に魅せるのは非常に大事で、ジャッジもReplyもRFDに必ず入れてきました。


個人的にはこんな感じのAustralsでした。いやーー本当に行って良かった!
オセアニアディベートまじ強いじゃないですか。Berlin WUDCとかGF全部オセアニアでしたし。
強い理由が分かりました。基礎に本当に忠実で、それを一次元上のレベルでやってくるんですね。
・自分のModelがどのように作用するのか、相手と比較してどのように良いのか?
・モーションの肯定否定をする(ユニークネスを説明する)
・強い3rd/4thを出す
・Mannerで持っていく。Replyでも勝負を決めに行く
こういう話って日本でも多少なりともしているわけじゃないですか。これを本当に徹底している印象でした。

そう考えると日本ディベート界も発展してきているんだなぁと本当に思います。でも、さらに発展するにはさらに意識をしていかないといけないんじゃないかなと。
世界のnormをつくっているのは今間違いなくオセアニアだと思います。そこを知るのは本当に大事かと。
これはアジアにおいても当てはまります。特にアジアのnormって強いディベーターがつくるわけで、それはAustralsとかにも理解がある人がジャッジしたりGFでスピーチするわけです。

なので本当に行ってよかったです。

余談ですが、こうやって日本と他のディベート界の考えの相対化とかしていけたらいいんじゃないかなと思います。
日本勢って多分音源とか、あとアジアの一部のディベーターをベースにここ数年発展してきたような気がします。
最近は、日本人以外のディベーターがいたりとか、留学してディベートの考えを持って帰ってきてくれたり、海外のジャッジ・AC・ディベーターの経験を持ち帰ってきてくれていてそれに比例するかのようにディベートのレベルがあがってきていると思います。
(もちろんそれ以外のファクター、例えば各人の努力とかも色々あると思いますが)一つのコミュニティ・ビルディングの一環としてこういう考察を個人的に知りたいなぁと。

学ぶことがたくさんあって本当に有意義な大会でした。組んでくれたパートナーや応援してくださった方に感謝の意を込め、また将来の日本人ディベーターの更なる活躍を祈って終わります。

2014年2月11日火曜日

MDO 2011 Semi Finalとバーデンコントロール

あの有名なMDO 2011 Semi Finalのディベートですね。 TateのPMスピーチも安定していてうまいのは流石ですが、それ以上に輝いているのはLoganのGWのスピーチでしょう。

合理的なバーデンコントロール(burden control)をしている点で特徴的です。

バーデンコントロールとは、「自分のサイドが証明しないといけないことを明確にしたり、必要に応じて下げたりすることによってモーションの肯定や否定につなげる」行程のことです。

例えばTateとかは、"reasonable improvement"をバーデンとしていることがよくあります。独裁国家の民主化とかは一朝一夕にはいかないけれども、これくらいはなるよね。みたいな言い方でうまく説明しようとしています。

今回のLoganの場合、ジョークを使いながら巧みにバーデンをコントロールしているのは流石ですね。
ディベートのバーデン解釈が複数あったところで、「scarce resourceにおけるtrade-offで、prioritizationのディベートである」ということは確かにPMからも言っているのですが、それをかなり明示的に強調している貢献は大きいですね。

留意すべきなのは、「gov/oppのバーデンはこれだ!」というよく分からない、非合理的なバーデンを投げるという印象操作の失敗例とは異なっているということです。バーデンは別にとりあえずディベーターが言ったら発生するわけではなく、あくまでAverage Reasonable Person (or Average Intelligent Voter)として合理的に納得できるものでないといけないので。それは、一般人がモーションをみたときに感覚的に感じるもの、もしくはディベーターの説明から合理的と解釈できるものではないといけないのは、「モーションの肯定・否定」の考え方の根底にもありますね。

今回のLoganは、コンテキストを説明することによって合理的にモーションからこのバーデンが導き出せることを丁寧に話していること、そしてoppが他のフレームワーク(need-base等)ができたはずなのにしなかった、と言っているところが、ディベートのバーデンの解釈をgovにぐっと引き寄せたのではないでしょうか。




2014年1月7日火曜日

Video: UADC 2013 Main Grand Final



個人的には、DPMのバレリーと、DLOのケルビンが好きです。
バレリーは馬鹿にしながらのフリップが素敵で、ケルビンは落ち着いたマナーとかっこいい3rdが好きです。
ちなみに一票差でgovが勝ちました

2013年11月16日土曜日

ジャッジの裁量論 NEAO Adjudication Guidelineより

http://issuu.com/juseungdanielyi/docs/guide_to_judging_at_neao2013?e=7020498%2F5547249

ジャッジは必要に応じて「裁量」が与えられているという話は前にしたかと思います。

今回NEAOのジャッジガイドラインをみていたら、それを示唆する記述がいくつかあったので抜粋します。


-judges are expected to spot responses whenever you make them
-you are allowed to display enough intelligence and world-awareness to question logical links and gaps in substantiation and not accept arguments at face-values.

一般常識的に、論理性や関連性の「裁量」はあると推定されます。
もちろんしっかりと合理的に説明することが求められますが。

2013年1月17日木曜日

Motionの肯定・否定

Governmentはモーションの肯定、Oppositionはモーションの否定という説明責任があります。では、モーションの肯定・否定とはどういうことでしょうか。それは、Spirit of the Motion(モーション製作者が求めていること)がなぜ善い/良い・悪いのかを説明することです。

例えば、THBT Japan should acquire nuclear weapons.というモーションがあると、Governmentに求められているのは単にこのモーションが出された頃ホットだったアジアとの領土問題を話すだけでは足りません。また、武装(militarization)でもたりず、なぜ核なのかまで説明する必要があります。逆にOppositionは核によるHarmを説明することが求められます。


(これは今の日本ジャッジからすると少しバーデンが重いようにも思えるかもしれませんが、世界大会でジャッジしているとモーションを忠実に肯定・否定できているかで順位が大きく変動する傾向がありました。)

2012年9月12日水曜日

テートから学んだこと

"BE CONFIDENT."
このフレーズから、テートは語りだした。
「難しいかもしれないし、当たり前のことかもしれないけれど、大事なことなんだ。」とテートは続けた。
「相手がオックスフォードだからといって、君たちの議論を無視していいっていうルールはない。無視されたら、無視したってことをしっかりとジャッジに伝えるんだ。悪いのは君たちじゃなくて、相手なのだから。」


国際大会、特に世界大会においてアジア人はまだ白人によるバイアスによって苦しめられている側面がある。国際大会において結果が伴っていない以上ある程度不可避なことでもあるのだが、それは露骨であり、メモをとらないとまではいかなくても真剣に聞いてくれないことは度々あることはざんねんながら今でもある。

そこで大事なのは、しっかりと声をあげること、である。

「そして臆してはいけない。相手が白人だからといって、そっちの方が頭がいいというわけではない。」とテートは熱弁した。「違うのは、英語がもっと話しやすい環境にいたかどうかだけだ。だから、自信を持つんだ。」


はっとした。どこかで、自分も壁をつくっていたんじゃないか、と思う。後輩にはドヤ顔できても、OxfordやMonash相手だったら、果たしてありのままの自分でスピーチできただろうか?果たして、ジャッジでディスカッションするときに自分の意見を言えただろうか?

臆してはいけない。そして、自信を持つ必要がある。

2012年9月4日火曜日

Australs 2012 Grand Final



Australs 2012のグラファイです。BPの今季節はずれでは?と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、このCaseの深め方は参考になります。すごくレベルが高いです。

BPだとどうしてもアイディアベースになってしまうことを考えると、こうやってAustralsに立ち戻るのもいいのではないでしょうか?

そしてなにより、やはりMonash。分かりやすくて分析が深いというスピーチスタイルは、日本勢が目指すスタイルなのではないでしょうか?

2012年8月30日木曜日

BPにおけるPOI

POIは、強いところからとりましょう。

弱いところをいじめたところで、評価はあがりません。
よく言われる例えだと、ゾンビに釘を打ったところで「へぇ~」なんですねw

特に、Opening/Closing間のときは、そこでの優越性を示す可能性が出てきます。POI1個で順位が入れ替わることは国際大会では普通にあります。(僕はそれも理由で負けましたw)

例えば、Closing Oppositionだったとしましょう。OGは明らかに強い。土台もあって、反論するところが多い。CGは明らかにExtensionが薄いしEngageも繰り返し。

この場合、CGからPOIをとる意味はあまり無さそうです。(チームとして3回以上とるなら1回くらいとってもいいとは思いますが)OGからとって、OGにチャンスを与えましょう。そしてそのOGのPOIをつぶしましょう。そうやって、OGより上にいっていることをジャッジにアピールして、順位があがることを期待するのが戦略だと思います。

2012年2月28日火曜日

WUDC 2012 Grand Final

数ヶ月前に行われた世界大会決勝です。
ナショナリズムにかかわらず、共同体というのは分析していて面白いものです。
なお、ナショナリズムに関する研究というのは結構難航しているらしいですよ。つかみにくいらしいです。でもだからこそ、面白いですよね。批判もあるモーションですが、僕はこれくらいじゃないとむしろ議論できないと思っているので好きです。




Debate - WUDC - Nationalism - Manila 2012 Final Round from Alfred Snider on Vimeo.