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2022年11月8日火曜日

もしかしたらチェアーより難しい?あたふたしないBPジャッジのパネルのやり方入門

徐々にBPの季節に入りますね。
今回は、意外とあんまり記事がなさそうなBPジャッジのパネルについて書いてみます。
WUDCでジャッジブレイクした時のパネルの経験を思い出しながら書いてみているので、少しでも参考になれば幸いです。

【アロケーションが決まったら】
・変に自信を失わない:そもそもパネル≒ジャッジブレイクできない、という訳でもありません。確かにブレイクのボーダーにいて、ACチェックが発生することもありますし、チェアーからパネルになっていると「どこかで失敗したのかな」と焦ることもあるかと思います。大会によってポリシーは様々なので気にしすぎないのが大事です (akもガチチェック受けてますね…)
・チェアーも所詮一ジャッジという気持ちも持つ:もちろんチェアーは一定ネームバリューや実績がある人がやるケースも多いと思います。とはいえ、失うものもないですし、チェアーが毎回正しいCallをするというわけでもありません。役割が異なるジャッジという風に考えてよいかと思います。

【試合中は】
・基本は、普段と同じジャッジをする:パネルだからといって普段と違うことをする必要は一切ありません。4チームの比較を行うことは変わりませんし。また、チェアーの反応を気にしすぎても仕方ないと思います(チェアーがなんでそこ頷くの?とか考えるとドツボにはまります。)
・もしかしたら普段より「基準」と「比較」を端的に言えるように意識する:これは詳細は次の内容になりますが、時間がないので「短く」「端的」に違いが何なのかを意識するのは違いかもしれません。AKの場合は、各チームの比較理由だけをぱっと書いた紙を置いたりしています。
・完璧さを捨てる:極論2チームの位置づけで悩んでいるとかもあると思います。その場合は素直に悩んでいるもありです。現時点ではOGだが、COとこういう点で近い、等と理由があれば大丈夫だと思います

【Initial Callの説明方法は】
・普段よりも短く話す:基本的には短く話すことが重要になります(15分のディスカッション、3人だとしても1人5分しか最大でないわけですし)。一言で言うとEngageできていなかった、よりWhy True/Importantの両方を埋めることができていた、コアクラッシュを勝ち切っていた…等色々あると思います。
・求められたことだけ話す:最初のRankingの説明だけと言われたらRankingのみ、4チームの中でもOGとOOの比較だけであればそこだけ。POIと一緒ですね。適宜Happy to elaborate further if needed(詳細に関しては別途)のような表現も用いましょう。
・(好みかもですが)どこがClose, Clearかは言ってもいいかも:ここは好みですが、例えばOOとCOはInterchangableのような話もディスカッション上はありがたいとは思います

【Discussionの進め方は】
・基本的にはChairに任せるものの、Chairの気持ちを持ち続ける
:進め方はChairによる色もでるので任せてよいかと思います。他方で、例えばジャッジ全員がかなりランキングが違うときには「3人ともOO>CGなのは合意しているみたいですね」のように合意しているところを言うことであったり、CG-COの議論をしていてなかなか煮詰まってしまった場合「おそらくCGの評価はOGがどこまで言ったかに依存しているため、一度OGとCGを比較しませんか」のような提案をすることなども流れによってはアリかと思います。また、明らかにReasonableに特定のチームが勝つべきところを、他のパネルがごねている時にその「火消し」をお願いされることもあるかと思います
・結局は「基準」と「比較」のメタ認知:だいたい議論がズレる場合(Rankingがズレる場合)は、見ている「基準」(詳細はこちら)がずれているか、「基準」は一緒なものの、その中で具体的にみている内容の「比較」がずれているかのどちらかです。議論の差異がどこに出ているのかを見極め、それを解消していくことに尽きるかと思います。(発展ですが、国際大会では少し古いですが「akが見た世界トップジャッジ陣のトレンドと、日本のディベート観との比較」、「【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント」なども適宜ご参照ください。去年のWUDCでも大きくこの考え方はずれていなかったので参考になるかと)ここを細かく書くとそれだけで一つの記事になってしまうのですが、「この基準(群)は妥当か?」「その基準の下比較するとどちらのチームが優勢なのか?」の2つを常に意識しましょう
・変えすぎも変えなさすぎも良くない、結局は第三者視点と第二者視点:ランキングを直ぐ変えるのも変えないのもいずれもネガティブに働きえます。結局はジャッジという第三者としてどう思ったのかという視点と、ディベーターを説得できるのかという視点を行き来することに尽きます。ディベーターに説明できない内容はDissentしていいと思いますし、他方で自分が気づいていない「基準」や「比較」の説明に納得がいく場合は「議論の中で確かにXXという基準だけでは大きな差がないと感じたので、YYという基準で差をつけるのも、フェアだと思ったので~」のような説明とセットでランキングを変えて問題ないです。
・普段より短く、とはいえすべての発言でValue Addする:しつこいようですが時間はないです。ので短さは大事で、詳細を説明してよいですか?と聞きながら進めましょう。他方でこちらもClosingと同じようにNewがないと意味がないので(迎合しているだけのように見える)、Newを出せるようにするか、Newがない場合は変にその議論で価値だしするのではなく、「まとめる」ことや「ほかの議論で価値を出す」ように徹底するのも重要です。
・話し方のHonestyも大事:Honestyという表現にあえてしていますが、特定のチームができていないことはしっかりとできていないというのも大事ですし、他のPanelやChairと意見が違うのはHonestに言うことはむしろ大事なことも多いです。他方で、HonestyとRudeは違うので、That is a great point / I can understand your point, however...のように受け止めながら話すことも重要です。

【ジャッジのOralの時は】
・ジャッジのBPの気持ちで:ジャッジによってはPanelに少し補足の機会を求めてくれたりします。その時にNewが言えるといいですね
・徹底的に盗む:よかったところはどんどんRFDから盗みましょう。AKも格好いいジャッジ表現はパクり続けました。特に国際大会では英語の発音,表現なども同じ土俵に上がるために必要だとは思います。AKは結構色々なひとのRFDがネットに広がっていたのも含め読みました

少しでも参考になれば!

2018年9月30日日曜日

BP クロージングのプレパ方法

最近よく質問されることの一つが、BPのクロージングでのプレパの方法です。
もちろん絶対的な答えはないと思いますが、ak流のやり方をご紹介します


1. まずはオープニングと同じようにプレパ
まずは普通に考えます。Spiritってなんだろう、1st Principleのクラッシュってなんだろ、一番強い話はなんだろう、具体的なExampleやAnalogyはないかな、変なスタンスとかってあり得るかな、Necessity/Solvency/Justificationは?などです。いわゆるTop-Down, Bottom-Up, Horizontal は全部バランスよく考えます。
意外とOpeningが普通の強い話を埋めない場合もあります。その場合は普通の話を普通にして勝つスタイルになるかと思います。

2. アイデアの種を幅広に出しておく
これは、deputy以降だと必ずやります。普通の話じゃなさそうな話をあえて意識的に探すのが特徴かもしれません。それは例えば、
-中長期的にどうなるのか?(Secondary Mechanismに近いかもしれません) というのも、だいたい最初のメカニズムは強いチームは言うので。
-他のステークホルダーはいないか?(ある程度MECEに考えることも意識します。男性、女性、子供、貧困層、中間層、富裕層、マイノリティ、企業、政府、、、など、イメージとしてスキャニングしていきます。)
-モーションのワーディングの抜け落ちはないか?例えばなんでsubsidy? なんでaggressiveなど、ワーディングのチェックリストじゃないですが、ユニークネスを考えます。

3. オープニングで話されそうなことの仮説を立てる
これが結構大事かもです。強いラウンドになると、オープニングが普通に話すことは話してきます。つまり、1.は既にカバーされていることが多いです。
そうなると、じゃあどうやって抜くか、を考え始めます。それは例えばオープニングだと特定のクラッシュが水かけになりそうだからそれを超えよう。だとか、オープニングなと確実にこの話はされなさそうだからこの話を準備しよう、だとかになります。2.と組み合わせて確実に抜けられそうなNew ideaが1個でも見つかっていればしめたものだと思っています。

4. ラウンド中は、まずどのチームを倒しにいくかを考える
ラウンドに入ると、オープニングのファーストコンタクトの段階で、まずどこにどう勝とうか考え始めます。例えば自分のオープニングが圧倒的に強い場合は、斜めのオープニングにエンゲージしてもゾンビを倒してるだけで無意味です。逆に斜めが強くそこを対処する、またはオープニングがデッドロックになっていそうでそれを超える、とかもあるかと思います。または、クロージングになるとオープニングをごっそり抜きにかかり、クロージングの横のチームを上回る、というパターンもあります。いわゆるオープニングをBox Outしにかかる魅せ方になるかと思います。
また、試合によっては必死に2位をとりにいく、というのも戦略です。BPは、GF以外は1位になる必要はないのですから。

5. 3チームより上になる理由を考える
最後に、3チームを上回る理由を明示できるとなおよしです。なんであなたのチームはオープニングを超えているのか?横のクロージングを超えているのか、が大事です。もちろんIssue-basedが基本となり、一番クリティカルな論点に答えた、とかもあり得ます。
また、Macau Tournament of Champions 2018 GFでは、COがあえてほかの3チームのFailureをClashにするという面白い戦術を使っていました。1. OG’s missing counterfactual 2. OO’s missing mechanism、などのようなやつです。別にこれが良いというわけではないですが、結局相対的Impactを明示する、というところに尽きるかと思います。

2018年4月9日月曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論③】Deputy Speakers編

総論としての「80点超えのスピーチをするには」を受けた、各論シリーズです。
前回のPrime Minister編、Leader of the Opposition編に続いたDeputy Speakers編です。

Deputyって難しいポジションだと思います。スタイルもフィロソフィーも人によって大きく異なりますし、ラウンドの流れによっても変わります。とはいえ、それでもいくつかポイントがあると思いますのでak_debateが感じるところを書いてみたいと思います。
(なお、前提としてDPMはLOの話にかなり近い部分があると思います。そのような1st Contact特有の内容はLOの記事に譲り、それ以外のポイントを書きたいと思います。)

1. 相手の最も強い話を立論・反論の両輪で全力で対応する
相手の最も強い話を、"Constructive Speech"として対応することができるのは2nd Speakerまでです。また海外や一部のジャッジではWhipから反論されるのでは遅すぎると判断する人たちもいます。そういう意味で、立論・反論の両方を使い切ることが重要になります。
UADC 2013 FinalのDPMは反論を重視しているパターンだと思います。Inheritance Taxの不十分性(構造的な不平等の大きさ等を指摘)を含めてかなり細かく反論しています。
また、UADC 2012 QFのDPMは、LOのFearの話をFlipする形で犯罪がいつ起きるかわからないような状況のほうがむしろfearfulであることを指摘しています。

また、よく先輩にアドバイスされる点として所謂「counterproductive」Argumentを立てろということかと思います。相手が守りたいことが実はむしろ悪くなるorこちらの方で達成できる、という話です。ICUT 2013 GFのDLOでは、conflictがむしろ減るという点を立論として出しています。なお、これらの話は所謂Secondary Mechanismの強化とセットで行わないと、アイデアベースになってしまうかもしれないのでご注意ください。

2. Leaderのスピーチを「足りない点」「多角的な視点」をキーワードに伸ばす
まず、「足りない点」に関して。まず大前提として、Leaderのスピーチで足りない点というのは必ず埋めることが必要になります。説得やArgument等のフレームワークはいくつかありますが、それらに照らし合わせながらリーダーのスピーチを聞いていくというのはまず一手でしょう。分かりやすい話では、LeaderがStatus Quoの話はしたがAfter Planの話をしなかった、抽象的な話をしたが具体性に欠けた、等そういった場合はそこから入る必要があります。また、これより難易度の高い点としては、「特定の前提」が抜けている場合です。そもそもどういう世界観を目指しているのか、そもそもどういったキャラクターを前提としているのか、というような話は見えづらいですが説得力に大きく影響するため、それらもidentifyできることがnext stepになるかと思います。

次に「多角的な視点」に関して。UniquenessやTime Frame等でMECEに考えることも重要になるでしょう。(思考力の習得方法はこちらに書いています。)(なお、特に日本人ディベーターはここが弱く、Asian Styleでなかなか勝ちきれなかったりClosingでExtensionを出し切れずに負けてしまうことをよく見てきたのでナショナル・アジェンダかもしれないと思っています)例えば、JPDU Pre-Australs 2013 GFのDPMではreligionのuniquenessとしてafterlifeの話が伸ばされています。また、ずいぶんと古くて恐縮ですがAustrals 2004 GFのDPMはDomestic/International Implicationの話をきれいに伸ばしていると思います。なお、個人的にはオーストラリア勢は歴史的に総じて2nd Speakerが上手いと思っており、例えば2009のGF等でもそれを感じています。

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(主要記事まとめはこちら)

2018年3月27日火曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論②】Leader of the Opposition編

総論としての「80点超えのスピーチをするには」を受けた、各論シリーズです。
前回のPrime Minister編に引き続き、今度はLeader of the Opposition編です。

個人的に、Leader of the Oppositionは比較的難しいポジションだと思います。やらないといけないことがたくさんあるので。(余談ですが、日本だとロールごとに担当者を分けることもありますが、海外だと"1st Contact"ということで、LOとDPMは同じ人がやることもあるようです。)

そんな中ですが、Leader of the Oppositionとしてak_debateが行うほうが良いと思うポイントをご紹介します。

①まず前提として、Prime Ministerでも求められる(a)一連の"primary story"を立て切ることや、(b)主要な話への対応はLOとしても必要
これだけでも十分におなか一杯かと思いますが、(Prime Minister編をお読み下さい)結局リーダーというところで、ここはPrime Ministerと同じように重要になります。

② Governmentとの違いの明示化を通じたOpposition Modelの明示化
結局のところ、まずGovernmentとの違いを明確化することが重要だと思っています。これは各論では例えばProblemに対するアプローチの違いということにも表れます。

昔のエジュケでは、①Problemはない、②ProblemはあるがAlternative Wayによって解決できる、③ProblemはありGovernmentで解決できることは認めるがHarmがある、のどれかのスタンスをとれ、と言われた人もいたようです。これは間違いではないのですが、GovのPracticalな部分(Necessity, Solvency, Benefit>Harm)、Principleの部分(Justification)のどの部分にOpposeしているのか、のほうがより正しいとは思います。つまり、①Necessityがない(問題は無い/他の方法で解決できる)、②問題はSolveできない、③Harm>Benefit、④正当化し得ない、の組み合わせかと。

そしてそのスタンスによっては、Opposition Modelが具体的に説明されることが必要になります。特に海外ではその傾向が強いと思っています(参考:Australs体験記)例えば、BPということでやや雑いですが、WUDC 2010 QFのLOはそこを明示化しています。 THW ban all procedures to alter one's racial appearanceのOppositionで、多くの人のChoiceを促進するために、Researchを支援し、さらには同procedureに対するsubsidyもOKだとしています。その中で、cosmetic surgeryと同じように徐々に値段は安くなっていくため多くの人にとってアクセスすることができることも示唆しています。似たようなケースとして、UADC 2014 R8のLOもorgan shortageに対するアプローチをかなりの時間をかけて説明しており参考になります。

③ その上で、一言目から"Oppositionが勝っている感"の醸成
うまいPrime Ministerの後であればあるほど、空気をひっくり返しに行くことが重要になっています。例えば私はEUDC 2008 GF、EUDC 2009 GFにおいて、シェンウーがLOを行う際、あえてゆっくり話しているのはトーンを変えに来ていることも大いにあると思っています。Logicalに来た場合はあえてEmotionalに、Passionateに来た場合はあえてCalmに、と雰囲気を作り変えられると良いと思っています。

内容面で言うと、例えばJapan BP 2013 SFにおけるLOはFragileであるContextを明示した上で、Arm Aidの必要性を言ったうえで、GovernmentのFailureも指摘しています。このように、相手ができていなかったことの指摘や、Opposition Modelの必要性を早めに話すことも一つ有益でしょう。

なお、もしGovernmentがあまりうまく行ってなかった場合は、それを「じゃあ代わりにやってやろうじゃないか」と説明する場合もあります。本来であればこういうディベートであった、というような"This debate is really about..."というイントロで入るパターンはこの例に入ると思います。この場合は勝ちを一気に決めに行く際に有効です。

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(主要記事まとめはこちら)

2018年2月25日日曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論①】Prime Minister編

以前、「80点超えのスピーチをするには」という記事を書いたところ、実は総アクセス数上位にきている人気記事となりました。ありがとうございます。

色々な人にお話を伺っていると、各ロールでどのようにすればいいのか、という一段各論におちた話のニーズがあることが分かったので、シリーズで書いてみようと思います。

今回はPrime Minister編です。NAにしろ、AsianにしろBPにしろ、最初のスピーカーとなります。プレパ時間がある意味一番少なく即興性も求められるロールではありますが、どのようにすれば80点を超えることができるのでしょうか?

色々な考え方があると思いますし、すべてのラウンドで当てはまるとは限りませんし、正直細かい話はいくつもありますが、あえて3つに絞るとすると、ak_debateは下記の通りだと思っています。例えば「80点スピーチ練」に対するフィードバックを行う際も、この3点に沿ってフィードバックするのも一案かもしれません。
(なお、関連記事として「Definitionの戦略」もご覧ください。)

①「やらないといけない」感を醸成する
多くの場合、いわゆる現状を改善するほうに肯定側は立たされることが多いです。Policy Motionの場合だと、チープな言い方ですがAfter Plan(政策後)がStatus Quo(現状)よりも良いと魅せることが必要になります。色々な見せ方がありますが、現状の酷さを絵にした上で、特定の理想像に向かい、アクションをとるべきであると思わせることになります。

例えば、有名な動画ですがWUDC 2011 GF (THW invade Zimbabwe.)で優勝したPMは0:20からムガベによる悪意のある"systematic oppression"があることを具体例を交え説明しながら、"aim of the government"として、民主主義の回復を掲げています。国際社会が何もしない時期が長すぎたという表現を使いながら、アクションの必要性を訴えかけています。

また、近年ではWUDC 2016 GF(THB that the world's poor would be justified in pursuing complete Marxist revolution.)では、"The global poor, all around the world, and no matter what country in which they live, currently live in a system of dictatorship."と、世界規模での問題として、貧困層がある種"dictatorship"により支配されているとパワフルなイントロでスピーチを開始しています。

また、Australs 2013 GF(That women should be criminally liable for harm to foetuses in utero as a result of their lifestyle choices)では"An unborn child, Mr. Speaker, is not a person.  But it WILL be a person"と、一番守りたいfetusを最初にイントロとして持ってきています。かつここで留意すべきうなのは、単純にfetusというのではなく、"unborn child"ということで、人の想像力を掻き立て、シンパシーを覚えさせ、次の文章である「しかし人になる」という次の文章に送り出しているところの美しさです。

このようなパワフルなイントロを実現するには、結局チームとして「何を一番押したいのか?」と考え抜く抽象化が必要になります。誰のアドボカシーになろうとしているのか、という問いでも良いかもしれません。(さらには、感情的な説得という意味では、即興型ディベートに必要な能力を身に着けるための練習法シリーズ② プレゼンテーション力もご覧ください。)

②「やらないといけない感」を起点とした、一連の"primary story"を立て切る

ぐっと空気を作った後は、そこから一連の有機的なストーリーを組み立てる必要があります。ここでミソとなるのは、Prime Ministerはいわゆる多くのがモーションを見たら思いつくPrimary Mechanismを立てる必要があります。(Primary MechanismがSecondary Mechanismと対比して話されている記事【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント)要は、誰でも思いつくような話はまずしっかりと話さないといけないという期待感があるというところで、そこは人によっては減点式に見られるくらいには厳しい目にさらされます。

したがって、いわゆる多くの人が活用するフレームワークはここで活用することで一定の網羅感を担保しにいくことで説得力が上がります。いわゆる、"Problem, Solvency, Justification"であったり、"Principle, Practical"であったり、それを一段かみ砕いた"Triple A + S/Q, A/P Impact"となります。もちろん型にそったスピーチをしろと言っているのではありません。フレームワークはあくまで思考の網羅性を担保する上での手段であり絶対ではありませんし、それがないからといって減点されるのもおかしな話ではあります。ただ、網羅されていることで説得力はあがるので、その要素をちりばめることが重要になるでしょう。

また、いわゆるモーションのキーワードは大抵は説明されていることが必要になります。要は、特定のキーワードを無視していないか、です。すべてのキーワードがその有機的なストーリーの中で「ならでは感」を醸成しているかと言ってもいいかもしれませんし、よりテクニカルに言うと、uniquenessがあるかだとかもしれません。

例えば、分かりやすい例では、WUDC 2010 Semis : THB that the United States government should subsidize Twitter to liberalize oppressed societiesでは、Prime Ministerは主要な議論を網羅しています。具体的には、Argumentは、Principleとしてなぜ(民主化を推進する)Rightがあるのか、外部からどのように民主化が実現されるか、内部からどのように民主化が実現されるか、という構造になっています。

上記を実現するためには、多角的な細かい分析力、具体的なケーススタディなどのストックなども必要になるかと思います。また、できればSecondary Mechanismまで踏み込むのような強みまで発揮できると、期待値を超えているため、スピーカースコアも伸びやすいと思います。

③ 相手の主要な話へリーダーから対応する
今まではどちらかというとTop-Down/Bottom-Upでのアプローチであり、Horizontalの考えが薄いともとれます。(参考:即興型ディベートに必要な3つの思考法 ~ak_debate提唱「TBH思考法」~)次に重要になるのは、相手の話への対応です。

これは様々な場面で行うことができます。例えばイントロの場面で相手の守りたい話よりもこちらの話のほうが重要であることを出すのであったり、Signpostで行うことも可能です。ですが、やや外す可能性があったとしても相手が確実に言うであろう話への比較を直截的にArgumentの中で行うことも一手です。(ただ、これは相手が予期しないcounter-proposalを出してきた場合や別のスタンスをとった場合は無効化されてしまうという短所もあります)

また、別の角度では、先ほどご紹介したWUDC 2016 GF(THB that the world's poor would be justified in pursuing complete Marxist revolution.)は、なぜ強いPrime Ministerかというと、Oppositionが話すであろう失敗のリスクや悪化の話に関して、「とはいえそういったpracticalな話とはindependentなprincipleの話である」と明言したフレーミングを行っていることです。このPrincipleの部分を守り切ることで勝ち筋に繋げていると評価ができるでしょう。

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(主要記事まとめはこちら)

2017年11月1日水曜日

【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント

お久しぶりです、ak_debateです。

背景/結論
今年はSIDO、QDO、HKDOと3つのアジアのBPの国際大会でジャッジする機会に恵まれたのですが、
そこで感じたディベーター/ジャッジのギャップに関して書いてみたいと思います。
具体的には、「日本チーム/ジャッジがより活躍するには何が必要か?」というのを、この3大会を通じて感じたことを中心にまとめてみました。

結論から言うと、色々あるかと思いますが
1. "Sell your idea"の意識
2. 絶対的/相対的Impactの明示
3. Secondary Mechanismの強化
この3点があるかと思います。ポイントとしては、これはディベーター/ジャッジ両方でガラパゴス化している(=海外勢とのギャップが大きい)部分なのではないかと思っており、ディベーター、ジャッジ両者への示唆としてまとめています。

【ディベーター編】
まずはディベーター編を見ながら説明させてください。


1. "Sell your idea"の意識
実はこの言葉はJapan BP 2014に出場していたイムランに教えてもらった言葉です。
予選で当たった際に、BPとAsianの根本的な違いは"アイディアをどれくらいジャッジに売ることができるかだ。Sell your idea!"と教えてくれました。

具体的には、イントロから最も重要でイイタイコトを明示化し、その例も最初から出していけ、というような各論まで踏み込んでくれました。

なぜこれが重要になるのか?というところですが、シンプルに、ジャッジが8スピーチを聞いた後、4チームの優劣を短い時間でつける必要があるためです。

例えば、これはBP Novice West 2017 Handbook 寄稿文#5でもこう書かれています。
特にBPにおいて、「分かりやすい=評価しやすい」というのは大きな武器です。
一々よくわからない部分を見るより「分かりやすいからここ上位にしよう」という方が簡単ですし。
最終的にDecisionを出すまで15~20分しかありません。その間にすべての複雑・難解なスピーチを紐解くのは不可能です。
これをまさに体現したのはHKDOのOpen Quarter Finalでジャッジした時でした。1位はクリアで、2-3位でディスカッションした時にチェアージャッジは「まず各チームが言ったことを一言でまとめるとなんだっけ?」という問いからディスカッションを始めました。そこですぐに出てこないアイデアに関しては「はっきり言われていなかったよね」と評価が一気に下がってしまいました。

各論としては、まずイントロ、アウトロでしっかり印象に残す、立論ではそのアイデアをサポートする構造を分かりやすくつくる、パワフルな具体例を用いる(ICUT 2015でラフィーク(昔のAsian BPとかのFinalist)が言っていましたが、「Examplesは数より質」です)、必要に応じてPOIでもリマインドする、などになるかと思います。特に具体例に関しては、海外のジャッジのAverage Intelligent Voter (Informed Global Citizen)のレベルが高いため、ちょっとでもドンピシャな例であれば大きく評価してくれる一方、そうでないと一気に評価が下がります。例えば、HKDO SFのTHBT the international community should create an independent sovereign Rohingya state in northern Rakhineで、PMが出してきた具体例の悪さ(インド/パキスタン、北朝鮮/韓国)に関してジャッジは低評価でした。また、同じくHigh School Pre-Semi FinalのTHS politically active first ladies.でOGが出したTrumpの例のCredibilityが悪く「なんでObamaとかを使わないのだろう」とジャッジが嘆いていました。

また、日本では驚くべきポイントだったと思いますが、同じくそのHigh School Pre-Semi Finalで、PMがpoliticsの話に終始、LOがそれもあるがfeminismも大事だよねと言い、DPMがそれに対応する形で両方話したものの、私以外のジャッジ2人は「それじゃ遅すぎで4位」と言っていました。(そもそも分析の深さやエンゲージで下がるなぁと思っていたので順位は一緒だったのですが、そんなに重く見るんだ、とちょっと驚愕しました)もちろん、その2人がstandardなジャッジなのか?という点は注視する必要はあるかもしれませんが、それくらいにSell your ideaがしっかりしていないと評価が下がる、という例かもしれません。

2. 絶対的/相対的Impactの明示

1. に関係しますが、2種類のImpactを両輪で明示できるかごうかが鍵になります。もちろん、ジャッジもどうImpactfulなのかは考えながらジャッジしますが、どうしてもジャッジとしても明確に言ってくれないと気付かない、or勝ちにしづらいという構造があります。

絶対的/相対的Impactはak_debateによる造語ですが、下記のように定義させてください。
絶対的Impactというのは、「そのArgument/Idea単体としての重要性」です。いわゆる古典的なSQ AP ImpactのImpactかもしれません。どうひどいのか?どういいのか?(Practical, Principleどちらもあるかと思いますが)の話ですね。日本との違いとしては、よりそれがイラストされた分が印象操作などとされずにしっかり評価される部分でしょうか。

相対的Impactというのは、ディベートの中での重要性という話です。これは例えば相手の話をより切っているだとか、どこにClashしているだとかです。日本でもよくやる"This directly clashes with the opening"のようなものですが、具体的にどのようにClashし、上回っているかまで説明しているところはポイントでしょう。

特にClosingになった際にこれは顕著になります。例えばSIDOでのOxfordのチーム(優勝チーム)は必ず"Why is this extension important?"と愚直にサインポストをつけ、いかにOpeningの話を上回っているか、相手の話に対応しているかなどを説明していました。

また、HKDOで日本チームが負けてしまっていた時に他のジャッジに休憩時間などの雑談で聞いてみていると、「明示的にImpactを言ってくれていないからだ」と答えられました。「言っていることは分かるんだけど、ラウンド中にハッキリ言ってくれないと」と言われたのが印象的でした。

また、感覚的ではありますがHKDOの予選でジャッジしていても、「なんでOpeningを超えているかの説明がはっきりとないから残念ながら負けにした」と言った際のディベーターの納得感も違いました。(もちろんHKDOが招へいジャッジだけで回っているだとかいろいろなポイントもあるかと思いますが…)「Openingより重要なのが明示されていなくて」と言った瞬間にClosingのチームが頷くことが何度もあったので、ちょっと留意してもいいかもなと思いました。

3. Secondary Mechanismの強化

これもまた造語で恐縮ですが、Primary Mechanismをすぐ思いつく話(モーションからすぐ出てくる話)とすると、Secondary Mechanism(すぐ出てこないステークホルダーや、中長期的な視点)をしっかり海外勢は立てている印象がありました。

例えばQDOの優勝チームは、GFのYou are a respected, high ranking, heterosexual officer in the military.  In the past, you have publicly advocated for LGBT rights within the army and have worked hard to improve how they are treated.  A newly elected conservative government has enacted a ban on LGBT's serving in the army.  As the officer, THW resign.というモーションのCOから、resignしてしまった場合は内部から、司法/警察/科学者などへの調査を依頼して、evidence baseでLGBTがいることでoperationが非効率的なのかどうか(=excludeしていいのかどうか)議論することができる、というようなinternal changeの話を立て最初からほぼ全員のVoteを勝ち取っていました。

他にも、例えばHKDOのR7のTHBT HK government should post strict restrictions on non-holders of HK passports right to purchase properties.で、今回のTop 10 speakerに入ってGFまで進出したディベーターはOGは、単純なpurchaseを禁止したmodelとしてprice gougingがなくなることや市民が地元でビジネスを行うことによる経済効果にとどまらず、「strict restrictionによって生じた余剰からethnic quota, poor quotaのようなpublic housing policiesをinitiateできる」というような話を出していました。

日本であれば「自己満」「遠い」と呼ばれるような話かもしれませんが、それらも例えばメカニズムを具体例を詰めながら話していたり(例えば後者であればシンガポールの話が具体例でついていました)、そのImpactまで伸ばしたりしていました。(例えば後者であれば、Oppのcounterproposalのpublic housingへの対応)あくまでIdeaの強さはmechanism, examples, impact, relevancy等の「掛け算」であり、relevancyが多少薄くてもrelevantにしていたりそれ以外が強い場合はとるというholistic adjudicationが垣間見えたと思いました。

【ジャッジ編】
そして、これらの話は実はジャッジにもRecommendationがあります。ほぼディベーターのほうで詳しく説明したので、スライドを中心にさせて頂きますが、基本的には「ディベーターにその3つを意識したRFD/FBを行う」というところになるかと思います。


1. "Sell your idea"の意識
ここで日本勢が良くも悪くもやっているのではないか、と思っているのは「アイデアの咀嚼」です。「こういうことを言いたいと思ったんだよね」という介入が多い気がしています。もちろんこれは悪いことではないのかもしれませんが、「介入しすぎていないか?」というのは見つつ、また「よりはっきりとsellしたチームに対して評価をあげる」ことが重要な気がします。また、勝ち負けに反映されなくても、「より分かりやすくsellするには」という観点でフィードバックするのが重要かもしれません。

誤解してほしくないのは、はっきり言っていないから負けね、というようなラディカルなジャッジをしろということではないです。Sellできていた度合いがRFDにはねてくるのも一個ありなのでは?というご提案です。

蛇足かもしれませんが、仕事を始めて海外のビジネスパーソンと会話することも増えたのですが、やはり海外勢は一言目から伝えたいことを明確に伝えてくるし、スライドなどをつくっていてもexplicitに書かれているか、clarityが高いかなどがフィードバックのポイントになっています。一方、日本勢だと「相手の話を咀嚼していてよかった」のようなフィードバックが来ることも多く、日本では「聞く(理解する)」「話す(伝える)」だと前者がより重要視されているような気がしました。あくまでn数も少ないので蛇足にとどめますが、「ハイコンテキストな会話」「あうんの呼吸」等の言葉からもそこそこ当てはまるのかもしれません。

2. 絶対的/相対的Impactの明示
誤解していただきたくないのは、ジャッジとしてディベートに介入するなということではありません。

例えばSIDO/QDO/HKDOのBriefingでも、「アーギュメントの重要性は明示的に言われていたものの、暗示的に合意されていたものの両方である」と言われています。また、Extensionに関しても「Judges need to look for which parts of the speeches are new」とジャッジに評価の責任はあることを伝えています。一方で、とはいえそれが明示的でない場合は評価が下がりうること、それが明示的にされていれば評価が上がりうること、というジャッジ/FBをすることは、ディベーターへの成長にもつながると思います。

ここのバランスは当然難しいですしケースバイケースです。"ImplicitではあったがOOをtackleしており・・・"と評価することもあれば、"Explicitでなかったため評価しづらく"と、評価をさげることもあると思います。ただ、Explicitなほうが評価は当然あがるので、それをFeedbackすることは重要な気がします。

3. Secondary Mechanismの強化
海外ではsecondary mechanismまで含めてしっかり説明していないと「薄い」「浅い」と言われることがあります。「コアじゃなかった」「Relevantではなかった」「自己満だった」というのは思い込みではないですか?という投げかけをしたいというところもあります。

一方で、ここでも誤解してほしくないのは、妄信的にSecondary Mechanismをとる必要はないということです。

ディベーター編でも書きましたが、「あくまでIdeaの強さはmechanism, examples, impact, relevancy等の「掛け算」であり、relevancyが多少薄くてもrelevantにしていたりそれ以外が強い場合はとるというholistic adjudicationが垣間見えたと思いました。」であり、secondary mechanismだという理由だけで評価を下げることはやめたほうがいい、というところかもしれません。

特に難しいのは、Secondary MechanismはIntuitiveでない部分もあるため、説明するうえでの力量も要するところです。いい視点であっても十分に説明力が足りずに強く立ち切らないことは多々あるかと思います。ジャッジとしては一緒に考え、どうすれば立ったのか、まで考えてあげることが重要でしょう。

最後に
3つのポイントはいかがでしたでしょうか?個人的には、ディベーター/ジャッジの相互作用の中で、この3つが日本に輸入されることにより、より日本人のディベート力があがり、海外(アジア)でも評価されることにつながることを願っています。

何かご質問などございましたらお気軽にご連絡ください。

2017年8月27日日曜日

プレパ練3種(80点プレパ練/プレパ・コンサル/Closingプレパ練)

プレパ練(プレパレーションの練習)というのは、すっかりディベーターの練習方法になっています。

位置づけとして、野球に例えるとラウンドは「練習試合」になりますが、プレパ練はその一部を切り取る形であり、例えばノックや素振りだという風にご理解ください。

具体的には、15分-30分のプレパレーション・タイムの効率化を目的に行うパターンが多いです。特に、意思疎通が難しくなる3人での場合、初めて組む相手である場合等によく使われます。実際のラウンドよりも時間が短くて済むメリットもあり、好きな人は多いです。

とはいえ、ただやみくもにプレパ練をしている人も多いかと思います。(よくあるパターン:モーションを選び、15-30分程プレパして「なるほどねー」ってなってちょっと反省するパターン)

ここでは、場合によってはより効果的になり得る、ak_debateが行っていた/行っているプレパ練のパターンを3つほどご紹介します。
(他もいろいろありますが、いったんこれくらいで!)

①「80スピーチづくり」のプレパ練(主に1人、時間は1時間程)

これは、あえて時間をかけていいスピーチを作るパターンです。(akの場合は、これにスピ練(スピーチ練習)をセットに行っています。)
意図としては、「マックスの出力」の最大化です。要は、例えばホームランを打撃練習で打てない人が、実際の試合でホームランは打てる確率ってすごく低いですよね。逆に、ホームランを普段から打てていれば、実際の試合では二塁打くらいは打てるかもしれないですし、ホームランも打ちやすくなります。

具体的にはどういうことかというと、時間をかけてでもいい+リサーチをしてでもいいので、満足のいくスピーチを作りきるところにあります。
例えば、Argumentに関してもどうすれば一番伝わるのか?を意識しながらロジックを手厚くしながら、一番ベストな例も選び、その説明の仕方も考えます。必要に応じて、ネットで音源やリサーチをして、よりベストな例を探しに行きます。
「これならいける」というレベルまでスピーチを粛々と作りこみます。必要に応じて、第三者にも聞いてもらってフィードバックを求めてさらにレベルアップさせていきます。

Tipsとしては、一回やったモーションの復習とするほうがいいとは思っています。つまり、ちゃんとすぐどこを直すかが分かるので。(このロジック分かりづらいからよりわかりやすいものを探す、具体例がなかったのでドンピシャなものを探しに行く。特定の部分の説明が長かったので短くする、等)

②プレパ・コンサルティング(主にプレパ練をしている2-3人に対して、見る、時間は実際のプレパ時間+そのフィードバック約5-15分)

これは、プレパ練を「見る」というパターンです。例えば、実際のペアがいる際にそのプレパの様子をずっと見ます。その内容をフィードバックしていく形です。

ここでのコツは、①アウトプットになろうであろう話に関するフィードバック(例:こういう話も出せばよかったんじゃない?こういう視点もあったよね?」も行うのと同時に、②そのプロセスに対してもフィードバックすることです。つまり、どうすればよりプレパが効率的になったのかを第三者的に指摘することが鍵になります。

なので、akが行う際は必ずプレパ全体を見ています。どこでコミュニケーション・ロスが発生しているのか、どこでより効率的にできるのか、何度も見ているうちにポイントは明らかになってきます。

例えばですが、よくあるパターンは議論の「発散」と「収束」のバランスが悪いパターンです。いきなり「収束」しにいってしまう場合では、議論の決めうちになってしまいます。一方で、「発散」が多すぎる場合は、どこかで「では、アーギュメントにするとどうなるかな?」というような問いを持っていく必要があります。なので、チームを見ていて、「ちょっと発散が多い気がするから、10分したらさすがに収束させにいこう」というだけで、プレパの時間が効率的になっていきます。

また、単体としては強いのにチームとしてシナジーが出ていないパターンもよくあります。それはいろいろなパターンがありますが、例えばチームとしてTBHの思考パターン(Top-Down, Bottom-Up, Horizontal)のバランスが悪いことに起因することもあります。そういった場合は、意識的に「XXさんはあえてBottom-Upで考えてみようか」というと、急にプレパがスムーズになることもあります。

③Closingプレパ練(minimumではOpening役1人、Closing役1人、大体15分-30分)
これは「akゼミ」時代によく部内で行っていた手法です。プレパ時間10-15分ほどでまずOpening役が話します。「このArgumentをこういうロジックとこういう例で話す、またこういう話も相手からくると思うからこういう反論もだいたいする」というのを出せる限り出します。そのあと、Closing役は2-3分の準備時間を置いたうえで、「Closingではこういう話をこのように出し、このようなExtensionにしていくい」という風に紹介させます。その際、判定基準はClosingが「Openingを抜き切れているか」という点です。なので、「いやあ、今回はOpening抜けなかったね」とかという所感のフィードバックがされます。

ここでのコツですが、Openingは上級生がやるほうがいいです。そうすればするほど、Closingの難易度があがっていきます。日本勢は特にClosingに弱い傾向があります(=強いOpeningの後に差別化できていないことが多い)その原因はまた別途どこかで分析してみようかと思いますが、Closingに専念する形での練習スタイルになります。

面白いもので、Closingプレパ練は、繰り返しが大事です。最初はOpeningが勝ちがちですが、何度もやるとだんだんClosingが抜き始めます。それをみて、Openingもまた強化されていきます。部全体の底上げに特に有効だと思っています。(蛇足ですが、加藤はOpening役をよくやってました。途中から後輩に負けはじめ、悔しさを覚え自分のプレパをより精緻化するインセンティブになりました 笑)

なお、変化球として、Closing役のチームを複数おくのもgoodです。Closingチーム1は、「この話を出します」といった後、Closingチーム2は、「私たちだったらこういう話をClosingで出します」というところで、競わせるパターンです。

いかがでしたでしょうか?
他にもいろいろなパターンがあるかと思いますが、プレパ練もひと手間加えると、効果があがることもあるのでぜひいろいろチャレンジしてみてください :)

2017年7月18日火曜日

Definitionの戦略

日本語即興型の大会にいらして下さっていた方からご質問をいただきました。これは英語でも通じる話だと考えさせられましたので、どちらのオーディエンスにも向けて書いてみます。

まず、いただいた質問は下記のとおりです。

大会を拝見して「即興はdefinitionより内容重視」とはこういうことかと思いました。ただそこで、でもdefinitionしないと選手はジャッジのvoteのブレを制御しにくいのでは?と疑問も浮かびました。
例えば、予選最終試合の宇宙船が10人乗りなのか1万人乗りなのか。ここは即興なら定義しなくともよい、と講評で聞きました。でも、くじで10人決めるのと1万人決めるのって野党側が出す生命維持の価値観でみたときの印象がかなり違うように思います。
ジャッジングの物の考え方が根本的に異なるのか、それとも定義するしないの度合いはケースバイケースであり、定義によって勝敗が変わるケースもあるのか。ご教示いただけないでしょうか。  

注:予選最終試合の議題(地球に巨大隕石が衝突することが発覚した。国際社会が最善を尽くした結果、人類の唯一の生存方法としてシェルターを開発したが、生存可能な人数は限定的である。 国際社会は生存する人類を、個人の能力や専門性を考慮せず、くじ引きにより決定する)


まず、非常にハイレベルな質問ですね。私個人の見解として、2点挙げたいと思っています。

①まずおっしゃる通り、ジャッジの考え方が大きく異なる部分はあるかと思います。
即興型で特徴的なのは、あくまで内容だとされているからです。また、細かい実現可能性はさておき、どちらにしろ起きる現象の是非について議論してほしい、というところもあるかと思います。
事実、特に近年、Definitionによって生じるメリット/デメリット(Argument)の扱いは「とられない」傾向にあるかと思います。(この傾向は、加速化していると個人的に感じています)

背後にある考え方としては、上記のような範囲を問題とする定義(生存人数など)であれば、単純にHard Case(ラディカルなもので、メリットも立ちやすい一方、デメリットも大きくなる)、Soft Case(差分が小さいもので、メリットも少ない一方、デメリットも小さくなる)なのかの違いになるのみで、その他の議論に大きく影響しないため、そのジャッジの方も「定義不要」とおっしゃったのだと思います。

②一方で、近年そのような傾向が国内で強まっているようにも感じますが、それはDefinitionを戦略的に活用するチームが少なくなった、ということも原因かと思います。
(①と鶏と卵の関係でもあるかもしれませんが)

国内でも、昔はDefinitionを細かく練り上げるチームが多かったイメージがあります。(特に、調査型出身者や、細かい議論が好きな人に多かったと思います)
海外でも比較的そうだったと思っていて、例えば2011年頃まで特にアクティブだった、TateというマレーシアのディベーターはDefinitionを戦略的に活用することで有名でした。
例えば、下記の動画では2:40程Definitionに使っています。(スピーチの1/3に相当!)



Definitionを「戦略的に行う」というのはどういう意味でしょうか。2つの意味合いがあると思います。

(1)自らのサイドのArgumentをより際立たせる
例えば、THW make parental leave mandatory.
において、(1か月とかよりも)1年ほどの育児休暇を導入する、という話にしておくほうが、自分が話すであろう子育ての話などがより際立つかと思います。

THW not cover unhealthy lifestyles under the national healthcare system.
においては、unhealthy lifestylesを喫煙、飲酒などに設定しておくほうが、より具体的にジャッジがイメージできるでしょう。

(2)相手のサイドのArgument、反論を弱める
THW introduce affirmative action for LGBT in the parliament.
において、「既存の議席の中で行うのではなく、新たに議席を追加し、その議席をLGBTが争うようにする」という定義をTateは行っていますが、
これは、一見、相手のデメリットである「議席が奪われたことによる反発」等を消しに行っている戦略と見せることができます。
THW allow euthanasia for children.
において、親の同意を必須とすることも、子供の"immaturity"を消しに行く戦略かと思います。

実はかくいう私も、Definitionには比較的凝るほうです。
特に実は、アジア大会では相当に気を付けます。なぜなら、感覚的ではありますが、Definitionにより厳しいジャッジ/ディベーターが多いと個人的には感じていたからです。特にDefinitionをしっかり行わないことで評価を下げられるケースや、否定側がその重箱の隅のような内容をつついてくるケースもあったからです。

例えば、アジア大会で下記のような議題が出ました。
THW reduce a prisoner's sentence for every state-approved book that they read
変にジャッジのVoteをぶらしたくないと思った私は、下記のようなDefinitionにしました。

a. state-approved bookは、政府が設置し、民主的正当性が担保できるような第三者委員会によって決める。決め方は文科省が教科書を決めるような方式を参考にする。
b. 選ばれる本から、反社会的な内容は除く(リハビリにつながる内容)
c. 1冊によってどの程度刑期を削減できるかは本の難しさなどにも依存するが、1冊読んで1年減らすような形ではなく、おそらく1月単位。
d. 1冊きちんと読んでいるかを確認するために、レポートの提出も義務付ける。内容をしっかりと理解しているかなどは国語の教師に値する人材が判定

a,bを支えに、自分のサイドのリハビリ(改心)の話を伸ばし、c,dのような話から否定側がいうであろう、「さぼるのではないか」「不公平なのでは」というような話を削りに行っています。また、d.を活用して「本を読むという行動がpatienceやdiligenceを生み、社会復帰がしやすくなる」のような話も立論しました。

ジャッジ(オーストラリア大会準優勝経験等)からは「細かいね!(笑)」と言われたものの、対象がわかりやすく、それが不公平ではない形できちんと立論にも効いていたため高評価をもらい、(それもあってか)勝利しました。

長くなりましたが、私も質問者と一緒で、Definitionをしっかり行うことは、確かにジャッジの"ブレ"を減らすことにつながりやすいと私は考えています。
ただ、ジャッジが近年あまり評価せず、Definitionをもとにメリット/デメリットを大きく建てるチームがいなくなってきていることから、最近は下火になっているというところかと思います。

一方で、ジャッジ/相手にもよるという月並みな答えにはなってしまいますが、今後Definitionを戦略的に使うチームなどが出てきたら、また考え方が変わるのかもしれません。

2014年11月14日金曜日

BP Discussion各論③ ブレイクラウンドでのジャッジ

予選のジャッジとブレイクラウンドのジャッジは基本的にやることはもちろん一緒です。
しかし、予選と異なることがいくつかあります。それを知らずに「基本的には予選と一緒だろう」とあまりブレイクラウンドのジャッジを経験せずにいると痛い目にあいます。

BPのブレイクラウンドは、

・ジャッジの人数が多い
・いわゆる「ジャッジの能力」が高い人が多い
・ディベーターもより接戦になる
・いわゆる「上位2チーム」を決めればいいとされている

当たり前ですがこういった変化が起きます。
となると、どういう工夫が必要になるでしょうか。僕は主に2つあると思っています。

① 考慮する点が多くなるため、議論を整理する必要性が高まる
人数が多いということは、それだけ議論をまとめるのに時間がかかるということになります。
とくにどのジャッジもブレイクしているということは説明能力に一定の合理性が推定され、なおさら議論が白熱します。
これは言い換えるとどういうことかというと、(1)基準が乱立し (2)その基準下でも見解が乱立しうることがよくあります。
そうなると、なおさら普段以上にチェアーのfacilitation能力が必要になるということになります。
個人的な経験則をベースにすると、チェアーのfacilitation能力が低いと、よく「なんでそんな結果になったのか」というディベートの不満につながりやすいです。

つまり、いったん物事を整理し、どこまで話してどこまで話していないのかを明確にする必要があります。当たり前ですが議論中は特にチェアーはノートを丁寧にとっておく必要があります。
こういうときはたまにチェアーとしては「一回議論を整理しましょう」と発言し、今までの議論を整理する必要があります。

例えば、「OGとOOの間でもめているときに、見ている基準としては今まで4つあがり、その中で2つはおおむね見解が一致しているが、残りの2つでは意見が分かれている。ここまでは大丈夫ですか?」のように一度議論を整理する必要性が出てきます。

一度議論を整理すると、やるべきこともわかってきます。それは前回書いたような方法でデッドロックを解消していけばいいからです。

また、議論がわき道にそれそうなときはすぐ戻しましょう。例えば、OGとOOの比較なのに、OOとCOの比較をしても意味がありません。

なお、チェアーにだけ責任を押し付けるつもりはなく、「いいパネル」の場合はチェアーに「一度議論を整理しませんか?」のようにチェアーだったらやるであろうことを提案しましょう。

なお、個人的な私見ですがブレイクラウンドでアロケーションをするときは、チェアーはできるだけ(もちろんダイバーシティ等も考慮しますが)ブレイクラウンドのディスカッションに慣れている人、もしくは予選でfacilitationの評価が高かった人を優先すべきです。

② 4チーム間を比較することを常に意識する

僕は個人的に「2チームだけ決めればいい」という考え方は、結果論であって、それは議論の過程に入ってくるべきではないと思います。
つまり、僕は最初から4チームの順位はしっかりブレイクラウンドであっても出すべきだと考えています。 なぜなら、そのほうがより細かく丁寧に比較ができるからです。

もちろん、明らかにbench winが起きている時などは別です。その時に細かく話すのは無意味ですから。また、1位と2位の差で話す必要がないというのもそうです。

しかし、ジャッジするとき(initial callを出すとき、最初のRFDを説明するとき)は必ず1-4位まで出しましょう。(予選と同様、2-3位で迷っている、のような説明方法はOKです)

そしてその後、「とりあえずCOを落とそう/あげよう」のように1チームだけを落としていく方法も合理的ではありません。あくまで、特定のチームを落とすとき/あげるときは他の3チームと共通の軸で比較して落としましょう。 
よく海外の"political judge"がするテクニックとして、とりあえず1番ライバルになりそうなチームをあげるか落とすかし、残りの中から結果的に自分の意見を押し通してあげるというテクニックがあります。
別にそれが起きているとかという話ではなく、どこか特定のチームをあげたり落としたりしてしまうと、実はその後しっかりと比較すると「あれ?このチームって本当にあがっているの?」となったりします。

また、そういったpolitical judgeがいない場合でもこういう悲劇は起こります。それはコンドルセのパラドックスを引き起こしている時です。(詳しい説明はWikipediaで)

ざっくりと説明すると、3チームの優先順位は人によって異なっている可能性があり、それが「投票する順番によって結果が変わってしまうこと」があるからです。
OG>OO>CGの人、OO>CG>OGの人、CG>OG>OOの人がいたら、堂々巡りになってしまうのです。
集団として優劣に循環ができてしまうという状況なわけです。

こういう場合は「2チームの比較」ではなく「3チームで共通の軸で比較」することが少なくともBPにおいてはパラドックスを一番解決できるので、ここでは大変ですが3チームを比較する基準が何か?という点を考えましょう。(大体の場合は、分析の深さや、Clash-baseでどうなったかなどに落ち着くとは思います。)

また、他のところでも書いた気がしますが、時系列順にどのようにディベートが動いていったのかを確認するのも大事です。(例えば、Opening HalfではややOGよりだがあまりまだ分からない状況で、CGがでたことによってGov benchが確実になったのであれば、CG>OG>OOになる可能性が出てきます。)

また、最終的にRFDを「Oralでディベーターに説明して、説得力を持つのか?」というチェックをかけるとさらにディスカッションの精度があがります。


いかがでしたでしょうか。BPのブレイクラウンドはレベルも高いですし、ディスカッションも普段より大変なところもあります。しかし、「議論をより整理すること」と「4チームをより(共通の軸で)比較すること」という点を意識するとディスカッションおよび結果の質があがると思います。

2014年11月6日木曜日

BP Discussion各論② 議論がデッドロックになった時

各論② 議論がデッドロックになった時

基本的に、ディスカッションのゴールは「ディベーターを最も説得できるRFDを考えること」に当たると思います。また基本的にはチーム間を比べる<基準>とその下の<比較>が必要なのでそれから逆算して考えます。

とはいえ、「initial reason for decision」、すなわち最初にチェアー、パネル、(トレイニー)があった順位とその理由をお互い言った後は何をすればいいのでしょうか。

無意識のうちに皆さんもやっていること思うのですが、改めてどのレベルの議論が必要なのか立ち返りましょう。

① 他の人が主張している基準下で、本当に公平に比較しているのか?
② 自分が主張している基準下で、本当に公平に比較しているのか?
③ 基準が乱立している場合、どの基準が妥当なのか?
④ 他の基準はないのか?

どのレベル間で話しているのかは常に気をつけましょう。
基本的には、①、②を精査する形になると思います。

例えば、「Engagementという観点からOG>OOです」となった時、「OOも十二分にOGにEngageしているのではないか」「むしろOO>OGではないか」という部分をノートを見ながら細かく判断していきます。

また、Opening HalfのClashを勝ったのはどちらなのか?と考えるときClashをつくりそのClashがどちらに傾いたのか見るのもここに入るでしょう。

問題は、その次のレベルとして基準が乱立した場合どうするかということでしょう。
ここに関しては正直難しいのですが、例えばEngagementとConstで対立したときとか困りますよね……。とはいえ、例えばTechnicalityやRoleを重視しすぎていないかだとか、他のチームを比較したときに用いた基準とconsistencyがあるのか等を見ていくのが重要でしょう。(例えば、1位と2位ではRelevancyをみていたのに、2位と3位のところでRelevancyを無視したら不公平に感じられます。)

また、議論が煮詰まったとしたら④として、他の観点はないのか考えてみるのも大事でしょう。意外と、こっちのほうがコストパフォーマンスがいい傾向があります。MotionへのRelevancy、具体性、Impact、Framing等比べる基準はたくさんあるので。

とはいえ、これら①-④を議論しても結論が出ず、例えばどっちの話も分かる状態になったときは残念ながらVoteを使う他ないでしょう。Voteは悪いことではないので。

とりあえず、どのレベルで議論をしているのかを意識すると、実は特定の議論しかしていなかったことに良く気づかされます。特に、③の視点や④の視点は議論を進ませることに役立つことが多いという経験則があります。

2014年11月2日日曜日

BP Discussion 各論① 大きく順位がずれたときはどうするか

BPのディスカッションの各論に関して書きたいと思います。全何回のシリーズになるかは不明ですが、まず書きたいと思います。

① 大きく順位がずれた時はどうするか
Opening Half、Closing Half, Government Bench Win等大きく意見が分かれる時があります。
その時はもちろん共通点があればそれは同意しておけばいいと思うのですが(ex.特定のチームの4位や、どこかOG>OO等全員の共通見解がある)それがない場合はどうすれば良いのでしょうか。

おそらくいくつかのアプローチがあるとは思いますが、一つのアプローチしかしらないのでそれを書きます。

ADIでどなたかのレクチャラーが言っていたことをそのままぱくるのですが、その場合は「ざっくりと4チームの評価に関して簡単に意見を交換する」ことが王道とされています。BP Novice 2011 Adjudication にも書いてありますが、これはやっぱり個人的にも時間はかかるもののうまくいきやすいと思います。なぜなら、順位の違いはだいたい1-2個のArgumentや反論の取り方によって大きく分かれることが多いため、どこが判断するところなのかわかりやすくなるからです。

その際、たとえばOGの話がOOと比べてどうなり(Clashはどうなったのか)、そしてCGが入ってくることによってどうかわったのか等に関して時系列順に評価が下せていくというのもメリットがあります。つまり、4チームすべてを比べる基準が自然にできやすいというメリットがあるということです。
また、この4チームの評価を話し合った後、一度各人で考える時間を設け、もう一度順位を出しなおすのがお勧めです。ディスカッションした結果順位が変動せずむしろ確証をもつパターンもありますしそれは問題ありません。場合によって、大きく順位がまた変更することが多いと思いますが少なくともその場合はコンセンサスに近くなっていきます。

実際、自分がとあるブレイクラウンドでジャッジした時、かなりの混戦でOpening Half, Closing Half, Government Bench, Opposition Benchほぼ全てがあった状況だったのですが簡単にOGからCOまでの良かったところ・悪かったところを羅列していくと、自然に「あ、この2チームに やっぱりなるんじゃないか」とコンセンサスに至ったことがあります。

また、他のブレイクラウンドでも、最初は大幅に違った順位が、このプロセス後1位と4位のコンセンサスに至り、2-3位の争いのみに議論の争点がうつったこともありました。上ほど理想的にはなりませんでしたが、かなり大きな前進だったと思います。

2014年7月22日火曜日

ディベーターがジャッジに抱く疑問④「それって私たちのチームにはどうしようもないことじゃない?」

今回はBPシーズンの幕開けということでBPのジャッジについて少しフォーカスして書きます。
BPのジャッジにおいて縦が入ってくると非常に比べづらいところがあります。特に斜めを比較するのは難しいですよね。(OGとCO、OOとCGとかですね。)
そこでポジションの特異性をしっかりと考慮することが重要なことはTechnicalityという概念からも明らかです。

BPのジャッジを聞いていてたまにポジションの特異性に配慮していない説明のしかたを聞くことがあります。

「OGの話は議論されずに浮いてしまったため、4位です。」
「OOとCGを比較すると、CGの議論は最後まで残ったのですが、OOの議論はCGに消されてしまいました。なのでCGの方が上です。」

こういった説明のしかたはディベーターに納得感を生みません。なぜなら公平性の観点が抜けているし「それで負けるの?」と思うからです。
誤解しないで欲しいのは、もちろん上記のような状況で結果的に順位がそのようになることはあります。あくまで説明のしかたの問題の話です。

ではまず一つ目の「OGの話は議論されずに浮いてしまったため、4位です。」という話です。
「議論されずに浮いた」ということは、OGの過失になるのでしょうか?
当たり前ですが、なる場合とならない場合があります。

なる場合と言うのはOGの話があまりにもAverage Intelligent Voterの観点からディベートに関係ない内容の時です。
例えばOppも同意してくるようなnon-contentiousな話であるかもしれませんし、モーションの肯定否定に繋がらないような話でしょう。
その場合「浮く」ことは当然OGが悪いでしょう。
とはいえ、僕はこの場合は「OGの話はRelevancyの観点から他のチームより評価しづらかったです」というような説明方法を用いると思います。

ならない場合というのは、OGが逆にRelevantな話をしていたものの、他のチームがふれなかった場合でしょう。

したがって、「議論されたかどうか」というのはあまり良い基準でないことがお分かりになったかと思います。「それって私たちのチームにはどうしようもないことじゃない?」と思われてしまうので。


「OOとCGを比較すると、CGの議論は最後まで残ったのですが、OOの議論はCGに消されてしまいました。なのでCGの方が上です。」

これに関しては、少し留意が必要です。OOの話を消したらCGの話が勝つことは十二分にあるからです。
とはいえ、比較の仕方が「OOの話の残り具合」と「CGの話の残り具合」というのはおかしい気がします。
なぜなら、OOはダイレクトに反論されず(せいぜいPOIだけです。なのでPOIは大事なのですが。)CGにダイレクトにエンゲージするのはCOだからです。
おそらくこのラウンドにおいては、エンゲージの観点でCG>>COであることは間違いないでしょうが、COのエンゲージ不足をOOに責任転嫁するのは無理があります。

なので「残ったかどうか」という基準はあまりTechnicalityの観点からもよくないでしょう。
「それって私たちのチームにはどうしようもないことじゃない?」と思われてしまうからです。

結論として、BPの説明の時に比べる「基準」の妥当性というのはTechnicalityの観点(すなわち、当事者の観点)から考えてみると測ることができるでしょう。
BPのジャッジングで、特に縦の要素が絡んでいる時、本当にその基準って納得できるものですか?
「それって私たちのチームにはどうしようもないことじゃない?」と思われる基準は、いけてないですよ。

2012年7月29日日曜日

【BP】Framingとは何か?

Framingという考えをご存知でしょうか?
Framingとは、自分のチームが何を示したかという枠組みを提示することです。

これは特にBPのClosingにおいて問題になりますのでClosingに特化して書きたいと思います。

まずClosingのRoleから確認しましょう。ClosingのRoleとは、Extensionを出しつつ議論を深め、Whipが議論をまとめつつClosingを押すというのがざっくりとしたイメージだと思います。

そしてExtensionとは、「Openingでは話されていなかった、(Gov/Opp)Sideとして勝つために必要な分析」とよく表されています。

これは言い換えると、Extensionは①「New」で②「Important」な分析であるわけです。Newというのは、Openingが話していないこと。(ロジック、Case Study、反論、Principle、etc.)こっちはなんとなく分かりますね。そしてImportantというのは、それによって、Bench winに貢献したこと(ないしは、Benchとしての優越性につながるような分析であったこと)であることになります。

つまり、Framingという作業においては、Closingは自分たちのチームが出した分析の①どこがNewか、そして②なぜImportantなのかということを明瞭に示す必要があります。

このためには、Member,Whipと共に、どこがNewでなんで大事なのかをしっかりとスピーチに組み込んでいくことが重要なのだと思います。また、そのプロセスにおいては、Openingが何を話したかというFramingもしつつ、その枠組みとは異なる分析をしたということを示すとなお良いでしょう。

2012年7月9日月曜日

BP Adjudication Sample (Monash Exhibition Debate)

BPのジャッジは、慣れという要素も大事ですよね。
これは、MonashがやっているExhibition Debateで、最後にTim Jeffrieによるジャッジの解説までついています。僕も実際にジャッジをこれでしてみましたので、是非。


BPでなぜTechnicalityが大事になるのか?

BPでは「Technicality」という原則が入ってきます。ポジションの特殊性を考慮することが必要だということなのでしょうが、なぜでしょうか?

僕なりの考えだと、そもそもジャッジは「公平な基準のもとで比較すること」が求められていることから派生しているのだと思います。

NAやAsianですと「比較的」(とはいえ、Dynamicsなどはとても大事だと思いますが)Issue-basedで比較することが容易なフォーマットです。2vs2, 3vs3ががっつりEngageしあうわけで、比べやすいといえば比べやすいわけです。

ですが、BPになると、OpeningとClosingという差異が生まれてきます。例えば、単純にOGとCOを比較するときにIssue-based(議論がたっているかどうか)だけで判断すると、当然OGは反論できないから不利なわけで。「議論は全部COにつぶされたけど、OGが上になること」もありうるわけです。(もちろんどれくらい「つぶされた」かなどの個別具体的な検討が必要になるのですが。)

いいかえると、OGとCOをIssue-basedという基準で判断すると不公平になることがありうるということです。もちろんIssue-basedはディベートの根幹である以上、否定はしませんが、「反論できないこと」を考慮しても公平な基準なのかは吟味する必要があるでしょう。

2012年7月5日木曜日

BPの心得

「BPの季節」というキャンペーンがなされている昨今ですが、BPの季節がやってきますね。

一部の大学にとっては戸惑いを隠せないところもあると思いますが、まあやっぱりBPというのはある意味特殊ですし、ゲーム性が高いというのは事実です。

ですが、まず大事なのは、

BPも他のフォーマットも基本は変わらないことです。
結局Closingに求められているのも、Sideとして勝つために必要な新しくて重要な分析を出して、それをうまくみせる(パッケージする)ことです。

結局根幹には、Sideとして勝つには何が必要かを分析することが重要ってなわけです。
どこが対立しているのか?Principleは?Mechanismは?Uniquenessは?結局は、NAだろうがAsianだろうが求められる能力が根幹にあります。

ジャッジも同様です。どのチームが一番貢献したのかというのは、どのスピーカーが一番貢献したのか見るのと一緒です。(これは、特に某先輩が明言していました。)

なのでBPうんぬんの前に、まずはSideとして勝つには、個々のスピーカーとしてどうするかを勘がるのが大事です。


とはいえ、BPの特殊性もあると思います。そういった方にはBP Novice 2011 Official Websiteの「Resources」をおすすめします。入門からAdvanced、ジャッジに関する資料もあります。

2012年2月8日水曜日

WUDC 2010 QF


WUDC 2010 QFのThis house would ban all procedures to alter one's racial appearance.です。
なかなかこういうモーション、特にGovはいいづらい(説明が難しい)とは思うのですが
このOpening Half(特にPM・LO)は相当神がかっていると個人的には思います。何度も何度も聴きました。おすすめです。


WUDC 2010 - Quarterfinals - Watch more Videos at Vodpod.