2014年12月12日金曜日

ディベートが上手くなるには ①自分の弱点やミスを受け入れること

上手くならない時期って辛いですよね。
結構努力しているつもりなのになかなか結果が出てこない。

一方、同期は○○の大会でブレイクした、優勝した、ジャッジブレイクした。ACに入った。国際大会でも結果を残した。
先輩はこんなに部にコミットしてくれたのに申し訳ない。先輩はこんなに結果を残しているのに。
後輩にも抜かれ始めている。後輩上手いなあ。○年余分にやっているはずなのに。

やみくもにディベートをやって、それでも上手くいかなくて。他のサークルの人を見るとまぶしく見えて。

こういう葛藤ってあると思います。僕だって感じたことは1度や2度ではないです。

では、どういう人がディベートが上手くなるんでしょうか?
タイトルでネタばれしている感じはありますが、「自分の弱点やミスを受け入れられる人」な気がします。

うちのある後輩は、ラウンドが終わるたびにフィードバックを求めにきました。
もっと自信を持てばいいのに、って思うくらいなのですが勝った時ですら、「あぁ、これが出来なかった」「これがミスだった」「こうすれば良かった」という反省を繰り返していました。

また、とある他大学の後輩はディベートノートを作っていて、みっちり反省をしていました。「○○のやり方」のように理論化をして、自分の弱点を克服していました。「いやあ、これ苦手なんですよね」と苦笑していました。

とある先輩と大会に出たとき、今思い返しても、正直納得しがたい理由で負けにされたことがありました。その時「なんだよー」っていう風に生意気に思っていた(今も変わっていないのですが……)僕の傍ら、その先輩は「でも、ジャッジを説得するのがディベーターの責任だからね」とおっしゃってました。

正直言って、自分のミスや過失、弱点を受け入れるのは非常に難しいし、辛いことだと思います。何かしら自分以外の、外部的要因に目を向けたくなるわけです。やれイラジャだった、やれモーションが悪かった、オープニングに全部言われてしまった、今日はたまたま調子が良くなかった。このような言い訳をして逃げたくなるんですよね。

僕もそうでした。いや、僕もまだそうな気がします。自分の非を認めることっていうのは本当に大人にならないといけないことだし、他の人ができているのは本当にすごいなと思います。

でも、思い返してみると結局のところ、自分が一番伸びたときというのは自分の弱点を受け入れたときだったと思います。一番練習したのは、ジェミニのトライアウトの結果部長なのにAを背負えなくなって、苦しんだときだった気がします。それ以外だと、WUDCでぼこされて4試合連続4位をくらった屈辱的な経験をしたときだったかもしれません。ABPでひたすら勝てなくてパートナーと必死に「どうすれば説得できるのだろう」と考えたときだったかもしれません。その意味で、挫折をするというのは凄く大事なんだろうなぁと思い返しています。

でもそれ以上に強い人というのは、どんなときも自分の非を受け入れられる人だと思います。結局挫折のときしか反省しない人というのは、勝ったときには「やったーー」といって問題から目を背けることしかしていないので。そうではなく、上記にあげた3人のように、常に自省して、毎回のラウンドで反省し、また「自分の弱点がこういうところにある」と考えてそれを克服しようとし、どんなモーション・ジャッジ・ポジションでも「ああこうすれば良かった」ということをしっかりと考える人だと思います。

それは、いわゆる飛びつきたい外部要因があったとしても、「それでも成長できるところは何か?」と考える能力や勇気がある人ということでもあると思います。このDecisionには納得できないところもあるけれども、「この部分は確かにそうだし」と思えるかどうかだと思います。ある先輩がおっしゃってた言葉ですが「ジャッジのせいにしていても上手くならない」というところにも通じるものがあるでしょう。結局、どんなラウンドでも自分が学べるところはあるはず、ということでしょうか。

では、どうすればそういう偉い人になれるのでしょうか。僕は結局のところ自分のミスをなかなか受け入れたくない人間だったので、システムとして反省することを取り入れるようにしました。無理やり自分でラウンドが終わったと反省して何かしらの弱点とその克服法を考える。無理やりディベートノートを作って反省点を洗い出す。(一時期はEvernoteとか、ケータイのメモ帳とかに入れていました。)結局プライドが高い僕はこういうところをするしかなかったんだと思います。おそらく普段から自分のことを受け入れられる人よりはスピードは遅かったと思いますが、この方法をとると少しマシになった気がします。真剣にノートを作っているときの方が、作っていないときよりも成長実感があったばかりか、そもそも結果も出た気がします。

僕自身もまだまだちゃんと自分の弱点やミスを受け入れることができるたいそうな人間ではないので、「俺は受け入れているぜ、どやぁ」という発言が趣旨ではありません。そうではなく、ディベートが上手くなりたいのであれば、つらいかもしれませんが早い段階で自分の弱点やミスを受け入れることができるような人間になるほうが、得だということです。

最後に、皆さんが大好きなShengwu(WUDC 2010でBest Speakerをとった人です。文字通りディベート世界一ということですね)のブログから、ディベートがどうすれば上手くなるのか、というポストの1部を引用したいと思います。自戒のためにも張っておきます。

Stop blaming the motion.  Or the judge.  Take responsibility for your own wins and losses.  Blaming the judge is frequently a way of disclaiming responsibility for your performance, and hinders the critical self-reflection you need to get really good.  Yes, there are unfair motions and bad judges.  But even if the motion is unfair, or the judge biased, your performance is still causally linked to the outcome.  Almost always, there is something you could have done that would have caused you to win.  Figure out what that is.  Unfair motions and bad judges are, unfortunately, always going to be part of debating.  You need to learn to win consistently, even when fighting uphill, if you want to be excellent.  If you only know how to win in front of an excellent judge, then you will throw away many points that better teams will scoop up.  (Of course, this is not an excuse for bad judging or unfair motions.)