2014年2月11日火曜日

MDO 2011 Semi Finalとバーデンコントロール

あの有名なMDO 2011 Semi Finalのディベートですね。 TateのPMスピーチも安定していてうまいのは流石ですが、それ以上に輝いているのはLoganのGWのスピーチでしょう。

合理的なバーデンコントロール(burden control)をしている点で特徴的です。

バーデンコントロールとは、「自分のサイドが証明しないといけないことを明確にしたり、必要に応じて下げたりすることによってモーションの肯定や否定につなげる」行程のことです。

例えばTateとかは、"reasonable improvement"をバーデンとしていることがよくあります。独裁国家の民主化とかは一朝一夕にはいかないけれども、これくらいはなるよね。みたいな言い方でうまく説明しようとしています。

今回のLoganの場合、ジョークを使いながら巧みにバーデンをコントロールしているのは流石ですね。
ディベートのバーデン解釈が複数あったところで、「scarce resourceにおけるtrade-offで、prioritizationのディベートである」ということは確かにPMからも言っているのですが、それをかなり明示的に強調している貢献は大きいですね。

留意すべきなのは、「gov/oppのバーデンはこれだ!」というよく分からない、非合理的なバーデンを投げるという印象操作の失敗例とは異なっているということです。バーデンは別にとりあえずディベーターが言ったら発生するわけではなく、あくまでAverage Reasonable Person (or Average Intelligent Voter)として合理的に納得できるものでないといけないので。それは、一般人がモーションをみたときに感覚的に感じるもの、もしくはディベーターの説明から合理的と解釈できるものではないといけないのは、「モーションの肯定・否定」の考え方の根底にもありますね。

今回のLoganは、コンテキストを説明することによって合理的にモーションからこのバーデンが導き出せることを丁寧に話していること、そしてoppが他のフレームワーク(need-base等)ができたはずなのにしなかった、と言っているところが、ディベートのバーデンの解釈をgovにぐっと引き寄せたのではないでしょうか。




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