2018年1月13日土曜日

【初心者向け】即興型ディベートって何?

このブログにおいて、実は最も基本的な問いである、「即興型ディベートとはそもそも何か?」ということを取り上げていないことに気づきました。

したがって、簡単な資料をつくりました。リンクはこちら
(なお、基本的には公開情報をベースに作成しており、必要に応じてupdate致しますのでなにか齟齬等ございましたらご連絡ください)



【コンセプト】
・「政治家が一般大衆を説得する」議会を模していることが即興型ディベートの最大の特徴(英語では“Parliamentary Debate”と呼ばれるのが一般的)

【基本ルール】
・肯定側(与党)と否定側(野党)に分かれ、第三者である審査員を論理的・感情的に説得することを競う(肯定側・否定側はランダムで決定される)
・審査員は一般的な市民(投票者)を模して、説得度を包括的に評価(一般的に“Matter”と呼ばれる「話す内容」及び”Manner”と呼ばれる「話し方」の観点で評価)
・議題が発表されてから15~30分の準備時間を経て試合開始(発表後の調査は不可)
・1チーム2~3名により構成されることが一般的

【議題】
・議題は政治・法・経済・倫理・ジェンダー・宗教・環境・国際関係など多様
・具体的には、死刑廃止、タバコ廃止、ベーシックインカム導入、AI開発禁止、遠距離/近距離恋愛の優劣、不老不死になれる技術の是非、安保理拒否権廃止等、幅広く議論

【競技人口】
・国内で主流の英語即興型は、ESS/ディベート部を中心に学生団体46団体*がJPDU(日本パーラメンタリーディベート連盟)に加盟。1大会に200名以上集まることも
・高校生、社会人ディベートも盛ん(HPDU、PDA等の高校生大会も200名規模)
・毎年行われる大学生の世界大会では約1000人が参加(2017-2018年にメキシコで行われた世界大会は選手約600人、審査員約250人が参加)
・(参考)海外ではメディアも注目・報道(例:2017年に韓国が高校生を対象としたディベートのテレビ番組を放映)


そして下記のように、国内では多くの団体/メディアが即興型ディベートを推進しています。

また、よくある質問は下記のとおりです。



【よくある質問】
Q1. 勝敗はどのようにして決められるのでしょうか?
A1. 第三者への説得度を、“Matter”と呼ばれる「話す内容」及び“Manner”と呼ばれる「話し方」の両方から評価します。論理的に分かりやすいだけではなく、パブリック・スピーチとして感情にも訴え かけることが重要になります。どうしても人による主観は入ってしまう部分もありますが、「より多くの人を説得できること」を目指してディベーターは練習を重ねます

Q2. その場での“でっちあげ”や“でまかせ”が横行しないのでしょうか?
A2. 競技の性質上可能ではありますが、①明らかな嘘などは審査員が考慮しない裁量があり、②特定の事例だけで勝敗が決まることは少なく、③競技ディベーターは多くのテーマに対応するために日常 的に国内外のメディアをチェックする傾向にある等するため、多くの場合行われません

Q3. 調査型ディベートとの違いは何でしょうか?
A3. 調査型ディベート(通称アカデミック・ディベート)は、「一般市民」ではなく「専門家を説得する」ことをコンセプトとして、数か月にわたる準備時間を経て証拠資料を用いて議論します。(ディベートの種類が異なるため、異なる能力が身につく傾向にあります)

Q4. ディベート経験者はどのような就職先に進むのでしょうか?
A4. 人それぞれですが、国内のディベート経験者に限って言うと、法曹・官僚・経営コンサルタント・学者・メディア・商社・投資銀行・エンターテイメント業・サービス業等多岐にわたります

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