2017年8月27日日曜日

プレパ練3種(80点プレパ練/プレパ・コンサル/Closingプレパ練)

プレパ練(プレパレーションの練習)というのは、すっかりディベーターの練習方法になっています。

位置づけとして、野球に例えるとラウンドは「練習試合」になりますが、プレパ練はその一部を切り取る形であり、例えばノックや素振りだという風にご理解ください。

具体的には、15分-30分のプレパレーション・タイムの効率化を目的に行うパターンが多いです。特に、意思疎通が難しくなる3人での場合、初めて組む相手である場合等によく使われます。実際のラウンドよりも時間が短くて済むメリットもあり、好きな人は多いです。

とはいえ、ただやみくもにプレパ練をしている人も多いかと思います。(よくあるパターン:モーションを選び、15-30分程プレパして「なるほどねー」ってなってちょっと反省するパターン)

ここでは、場合によってはより効果的になり得る、ak_debateが行っていた/行っているプレパ練のパターンを3つほどご紹介します。
(他もいろいろありますが、いったんこれくらいで!)

①「80スピーチづくり」のプレパ練(主に1人、時間は1時間程)

これは、あえて時間をかけていいスピーチを作るパターンです。(akの場合は、これにスピ練(スピーチ練習)をセットに行っています。)
意図としては、「マックスの出力」の最大化です。要は、例えばホームランを打撃練習で打てない人が、実際の試合でホームランは打てる確率ってすごく低いですよね。逆に、ホームランを普段から打てていれば、実際の試合では二塁打くらいは打てるかもしれないですし、ホームランも打ちやすくなります。

具体的にはどういうことかというと、時間をかけてでもいい+リサーチをしてでもいいので、満足のいくスピーチを作りきるところにあります。
例えば、Argumentに関してもどうすれば一番伝わるのか?を意識しながらロジックを手厚くしながら、一番ベストな例も選び、その説明の仕方も考えます。必要に応じて、ネットで音源やリサーチをして、よりベストな例を探しに行きます。
「これならいける」というレベルまでスピーチを粛々と作りこみます。必要に応じて、第三者にも聞いてもらってフィードバックを求めてさらにレベルアップさせていきます。

Tipsとしては、一回やったモーションの復習とするほうがいいとは思っています。つまり、ちゃんとすぐどこを直すかが分かるので。(このロジック分かりづらいからよりわかりやすいものを探す、具体例がなかったのでドンピシャなものを探しに行く。特定の部分の説明が長かったので短くする、等)

②プレパ・コンサルティング(主にプレパ練をしている2-3人に対して、見る、時間は実際のプレパ時間+そのフィードバック約5-15分)

これは、プレパ練を「見る」というパターンです。例えば、実際のペアがいる際にそのプレパの様子をずっと見ます。その内容をフィードバックしていく形です。

ここでのコツは、①アウトプットになろうであろう話に関するフィードバック(例:こういう話も出せばよかったんじゃない?こういう視点もあったよね?」も行うのと同時に、②そのプロセスに対してもフィードバックすることです。つまり、どうすればよりプレパが効率的になったのかを第三者的に指摘することが鍵になります。

なので、akが行う際は必ずプレパ全体を見ています。どこでコミュニケーション・ロスが発生しているのか、どこでより効率的にできるのか、何度も見ているうちにポイントは明らかになってきます。

例えばですが、よくあるパターンは議論の「発散」と「収束」のバランスが悪いパターンです。いきなり「収束」しにいってしまう場合では、議論の決めうちになってしまいます。一方で、「発散」が多すぎる場合は、どこかで「では、アーギュメントにするとどうなるかな?」というような問いを持っていく必要があります。なので、チームを見ていて、「ちょっと発散が多い気がするから、10分したらさすがに収束させにいこう」というだけで、プレパの時間が効率的になっていきます。

また、単体としては強いのにチームとしてシナジーが出ていないパターンもよくあります。それはいろいろなパターンがありますが、例えばチームとしてTBHの思考パターン(Top-Down, Bottom-Up, Horizontal)のバランスが悪いことに起因することもあります。そういった場合は、意識的に「XXさんはあえてBottom-Upで考えてみようか」というと、急にプレパがスムーズになることもあります。

③Closingプレパ練(minimumではOpening役1人、Closing役1人、大体15分-30分)
これは「akゼミ」時代によく部内で行っていた手法です。プレパ時間10-15分ほどでまずOpening役が話します。「このArgumentをこういうロジックとこういう例で話す、またこういう話も相手からくると思うからこういう反論もだいたいする」というのを出せる限り出します。そのあと、Closing役は2-3分の準備時間を置いたうえで、「Closingではこういう話をこのように出し、このようなExtensionにしていくい」という風に紹介させます。その際、判定基準はClosingが「Openingを抜き切れているか」という点です。なので、「いやあ、今回はOpening抜けなかったね」とかという所感のフィードバックがされます。

ここでのコツですが、Openingは上級生がやるほうがいいです。そうすればするほど、Closingの難易度があがっていきます。日本勢は特にClosingに弱い傾向があります(=強いOpeningの後に差別化できていないことが多い)その原因はまた別途どこかで分析してみようかと思いますが、Closingに専念する形での練習スタイルになります。

面白いもので、Closingプレパ練は、繰り返しが大事です。最初はOpeningが勝ちがちですが、何度もやるとだんだんClosingが抜き始めます。それをみて、Openingもまた強化されていきます。部全体の底上げに特に有効だと思っています。(蛇足ですが、加藤はOpening役をよくやってました。途中から後輩に負けはじめ、悔しさを覚え自分のプレパをより精緻化するインセンティブになりました 笑)

なお、変化球として、Closing役のチームを複数おくのもgoodです。Closingチーム1は、「この話を出します」といった後、Closingチーム2は、「私たちだったらこういう話をClosingで出します」というところで、競わせるパターンです。

いかがでしたでしょうか?
他にもいろいろなパターンがあるかと思いますが、プレパ練もひと手間加えると、効果があがることもあるのでぜひいろいろチャレンジしてみてください :)

0 件のコメント:

コメントを投稿