2016年12月15日木曜日

昨今のディベートに関する議論まとめ(意見募集)

最近のディベート界の議論のまとめ(Ver.0.1)

・意図として、せっかく多くの人が議論していたので、ちゃんと次につなげたほうがいいかなと。 多くの人の想いを形にして残した方がよいのではと。
・Facebookのポストとかで皆さんが合意してそうなポイントに関してまとめてみました。
・議論の抜け漏れ、「いやそこまでいってないよ」とかあると思うので、コメントください。あくまでVer.0.1なのでアップデートしていきます。


1.   批判・誹謗中傷に関して
(1)     (批判する人)前提として、相手に対してリスペクトしよう。相手は相手のパーソナルストーリーがあります。
²  ディベーターであれジャッジであれ、コミッティーであれ、そのほか関係者であれ、参加者は、平日にも準備に時間を割いて、週末もつぶしてくれているわけです。
²  いろいろな想いがのっかっていることがあります。どうしても勝ちたい大会だったのかもしれない。悩んで悩んで出したRFDだったのかもしれない。相手の想いは聞いてあげましょう。
(2)     (批判する人)批判する前に、それがベストな方法なのであるかはまず一回落ち着いて模索する。本当に相手に非があるのか、まずは直接本人に確認したり、原因を究明することを優先。
²  特に、自分にとって重要な試合(例:引退試合)、かわいい後輩がかかわっている場合等どうしても勝ち負けがついてしまう以上熱くなってしまう場合があるため気を付けましょう。
(3)     (批判する人)特に上級生であれば、威圧的に聞こえる可能性があることから、発言する時には最大の注意を払おう。
²  僕もたくさんしくっちゃいました。すみません。関係者各位。
(4)     (批判する人)言い方に関しては最大限の注意を。個人の誹謗中傷を避け、あくまで起きた事実に関して感じた事、それに対する解決策を建設的に書くことを重視する。誹謗中傷と批判は明確に違います。
²  フィードバックって言葉って最近批判されていることもあるようです。フィードフォアワードを使おうと。過去よりも将来。
(5)     (批判される人)自分に非がある部分に関しては素直に謝る。また、必要に応じて改善策をとる。
²  すべてをシャットアウトしたくなる気持ちはとても分かるが、明らかに自分としても改善できる部分があるのではないか、考える。場合によっては、何人かの友人や関係者に確認しましょう。
²  憤りを感じている部分に関してはリスペクトを払う。
2.     ジャッジに関して

(1)(ジャッジ)   「本当にこのディシジョンでディベーターは納得するのか?」という観点を意識する。
²  ディスカッションではあくまで「ディベーターを説得できるのか?」が共通の目標になるはずである。したがって、曖昧な妥協をするのではなく、論理によって判断する必要がある。必要に応じてボートすることも重要。

²  変に「ジャッジを説得することはディベーターの責任」というレトリックを使わない。それは正論かもしれないけれども、できるだけ「ディベーターを説得するのはジャッジの責任」と思う
  (2)(ディベーター)見方が違うのは当然。「どう違ったのか?」「次はどう説得するのか?」と考える
   ²シェンウーも似たようなこと言っていましたが、勝ち負けにスピーチは影響しているわけです。僕が尊敬するディベーターの後輩も「どんな人でも説得する」ことに命をかけています。価値観が違ったりしたらとらえ方も違います。前提も違うかもしれません。ノートをしっかりとってたジャッジのほうが相手の議論をしっかり拾っていたかもしれません。「勝率をあげるには?」と考えてジャッジの話を聞く方が圧倒的にうまくなると思います。
   ²とまあ、かっこいいこと言っているんですが、僕はかみつきまくりました。多くの人に生意気だと思われました。本当にごめんなさい。

3.     モーションに関して
(1)   各ラウンドにおける公平性・全体としての公平性を意識する。
²  特定の対立軸、テーマに寄っていないか?どちらかのサイドに有利ではないか?クロージングに残るのか?等は検証する
(2)   モーション・フィロソフィーは明確にコミュニケーションする
²  どういう意図でモーションを出しているのかコミュニケーションする方が、受けても納得しやすい傾向にあります。
ü  例:過去の梅子杯による「古典オンリー」→基礎への忠実性とみんな準備できるからという公平性
4.     アロケーション・ポリシーに関して
(1) 大学、AC/非AC、友人関係等できるだけ多くの観点から多様性を担保する。
²  議会を模していることから、多くの人を説得することがパーラの目的です。
(2) アロケーション・ポリシーは明確にコミュニケーションする。
5.     ジャッジブレイクに関して
(1)   ジャッジ・ブレイク・ポリシーは明確にコミュニケーションする。
²  完全な点数制、ACShadow ACによる評価、定性コメントの勘案、ダイバーシティ等いろいろありますし、どれも妥当だと思うのでそれをコミュニケーションすることが重要。
ü  なお、点数においても相対評価、絶対評価(例:X点以上はブレイク)、ジャッジテストの扱い、パネルの回数の扱い等勘案するポイントは多い
6.     運営に関して
(1) (運営する方)トレードオフを理解し、worst caseも想定する
²  例えば、タブが飛ばないように複数タブで実施する、PPTが死んでしまったら口頭で行う等。
(2)   (運営する方)内輪にならないように気を付けましょう。
²  タブやスライドに内輪ネタ(あだ名とか)書きすぎるのは良くないです。疎外感を感じます。
ü  ちなみに僕も過去にやってしまいました。大いに大いに反省しています。。。
(3)   (参加するほう)特に近年、大会の数の増加等に伴いコミ、ACの数が少なくなってしまっている傾向がある中、無償で多くの時間を割いて頂いていることに関しては敬意を示しましょう。
ü  たとえば、ある同期は必ず「ジャッジテストの個人添削」にこだわっていました。僕も何度かやりましたが、あれは相当大変です。僕も効率が悪かっただけかもしれませんが、BP Noviceとか50時間くらいモーションだけで使っています。
ü  コミッティーも大変です。何か良いことをやったら褒められるというわけではなく、ミスや遅延で怒られる。そんな世界です。
7.     コミュニティ・ビルディングに関して
(1)   多くの人が参加できるようなコミュニティにしましょう。
²  ジャッジで参加している人にも賞状やトロフィーを。コミッティーをたくさんしてくれている人にも賞状やトロフィーを。初めて来た人にしろ、遠くから来た人にしろ、大学生以外(高校生とか、社会人とか)、いろいろな人にとってディベートがアクセス可能だといいのではないでしょうか
(2)   文句を言うのは簡単。アクションをとりましょう。
²  じゃあどうするの?って言われたら終わりです。ジャッジに文句があるなら昔のOBOGのようにジャッジセミナーを開きましょう。ACのやり方がなってないというなら、どうすればよくなるのか、原因を分析するないし、体系化するないししてSuggestionを出しましょう。
(3)   継続的に建設的な議論を行いましょう。
²  (参考)8年くらいディベート界を見ていて、同じような問題を繰り返しているような印象があります。現在のディベート界の問題は何で、それはなぜ起きていて、どう解決するかという議論を継続的に行う必要はあるかもしれません。それがJPDUなのかもしれませんが。

参考:

ジャッジのやり方とか運営の仕方(モーションの作り方含む)はディベート自由帳にあるので、よろしければ参考にどうぞ。

4 件のコメント:

  1. お忙しい中あの量の議論をまとめてくださりありがとうございます。コンセンサスになった点については網羅されていると思います。

    それ以外で少し細かい話になってしまいますが、今大会感じたことは、アロケーションに不備があればジャッジからだけでなくディベーターからも変更を要求する機会を公に認めるべきだと思うのです。もちろん何となく嫌だ、みたいな理由はダメ。

    一見ACの負担は増えそうですが、ある意味では、事前に完璧にしなければならないというプレッシャーから解放される、ラウンドの勝敗がついた後にアロケーションに文句を言うことはできない(事前に言わなかった自分が悪い)、裏でドロドロとACに政治を行う必要がなくなる、といった効果が期待できそうです。

    倉内

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    1. ご返信ありがとうございます。
      Allocation Policyの明確化、みたいな部分なのかもしれませんね。
      少なくともブレイクラウンドはできそうな気が。

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  2. 常に相手へのリスペクトを持つという点に物凄く賛成します。

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    1. ありがとうございます!それで多くの問題は実は解決できるのかもしれません。

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