2014年1月29日水曜日

Triple A (2) 発展

この記事は、Triple A (1) 基本 の続編にあたります。

Triple Aという型を前回説明しました。これに関していくつか論点を話しておきたいと思います。

Abstractionについて
前回話したとおり、Abstractionは「抽象論」とはいえ、具体性がかなり必要です。
そして、「論」である必要があるため、単純に「こうだよねー」だけではなくて、その基準を正当化することが必要でしょう。
よく、fairness is important!とかで終わるのですが、「どういうfairnessを守っていて」「そのfairnessがなぜ大事なのか」という話が合理的には説明される必要性があるでしょう。
(どこまで説明するかは、一般的にジャッジが分かる程度、というあいまいな表現になってしまうのですが。)

そして、ここは当たり前ですが、Abstractionは相手との関係性で規定されます。
non-contentiousなprincipleってまじ意味ないと思うんですよね、個人的に。一瞬でoppにI agreeと言われてしまうので。このあたりは、Principleというより、Stance/Caseの話になってしまうので省略しますが、要はStanceがAbstractionと整合性がないとだめだよねという話です。

Analogyについて
Analogyに関しては、近いAnalogyであればあるほど良いと思います。
例えば、tobaccoのbodily autonomyの時に、alcoholという例のほうが、junk foodより近くて感覚的に受け入れやすいでしょう。
一時期はやったcoal minerは、やっぱり遠いような気もしますしね。

また、ここではAbstractionとの関連性において「線引き」の議論になることもあるでしょう。例えばcocaineとかと何が違うの、とか。上の「相手との関係性で規定される」ってところを踏まえると、Govは、alcoholとの違いに言及するなど、柔軟な対応が求められるでしょう。

Applicabilityについて
Applicabilityは、「なぜ今回あてはまるのか」という話なので、特にこれ以上はありません。
Practicalの話とほぼつながると思うので、変にPrinciple/Practicalと分けずに考えるほうが合理的であることもあるということにとどめておきます。


最後に、2点ほど補足してTriple Aの記事を終わりにしたいと思います。

(1) なぜこの型に至ったのか?
これは、僕がKoc WUDCに行った時の感想でした。WUDCでブレイクラウンドをみていると、どんな人もExampleをPrincipleにつけていて、すごく説得的だなと思ったからです。
抽象的なPrincipleを具体化していく工程こそが、Analogy/Applicabilityだったと思い、今後日本のディベーターが海外で活躍するにはこれなんじゃないかなあと思いました。

あと、もう一つ付け加えておくと海外だとExampleを「分かって」くれる人が多いというのもありました。つまり丁寧な説明をしなくても「あそこのあれ」というだけで「あーあれね」という共通言語があるというところです。これはWUDCでAverage Intelligent Voter, Informed Global Citizenというような言い方をされるようなところからも、ジャッジの知的水準は比較的高めに設定されているのでしょう。

(2) この型の問題点とは?
これは別にこの型だけに関わる話ではないのですが、型があると「その型に当てはまってないから・・・」というジャッジング/スピーチ構成につながっていく悪循環があると思っています。
分かりやすいのはSQ/AP/Impactの型で、「SQがなくて・・・」とか「Impactが分からなくて・・・」というのは確かに説得力を欠く要因になることもあるとは思いますが、必ずしもマストではありません。

あくまで目的はジャッジを説得することで、そのプロセスにTriple Aなり、SQAPImpactがなくても、分かればいいですし、分からなければ問題というところに落ちるしょう。


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