2014年2月3日月曜日

ロジックってどれくらい大事なの?

「ロジックってどんくらい大事なんですか?」

という問いは、誰しもがなんらかのタイミングで聞いたり、思ったりしたと思います。
僕自身は非常にロジックを重視するタイプのディベーターであるため、多少なりバイアスはあると思いますが、何度考えても重要な気がします。

もちろん、いくつかの条件はあります。

例えば、「信じられないロジック」は僕も否定しています。
とりあえず無理やりcounter-intuitiveなロジックを出されたり、「それって起きるの?」って思うようなメカニズム。これらは、常識的にとれないものはとれないでしょう。

あと、「伝えたいことを効果的に伝えられなくなるほどのロジック重視」も僕は否定しています。
最近「パブリックスピーキングの要素をディベートへ」という声が前より強くなっているような気がしますが、それは同意しています。第三者に説得的に伝えるには、詰め込みすぎても伝わりませんし。
7分という制約の中で、学問書ほど書くのはできないでしょう。

また、「ロジックだけを重視すること」も僕は違うと思っています。
つまり、人を説得する上では感情的な側面とかも出てくるので。陳腐な二項対立ではありますが、ロジックとイラストのバランス、と言ってもいいかもしれません。
感情を持っている人を説得する上では、感情にも訴えかける必要があるでしょう。


しかし、ロジックはディベートの根幹にあることは間違いないでしょう。

僕がこう主張するのは、主に2つの理由があります。


第一に、ディベートの趣旨を達成する上でロジックが不可欠だからです。
そもそも、「モーションの肯定・否定とは何か?」と考えてみた時におそらく結局のところ、一般人がモーションを見たときにどう思って、その疑問を一つ一つ解消していくに尽きると思います。
よく使う例で恐縮なのですが、THBT Japan should possess nuclear weaponsというモーションであれば、「何で日本が?」「なんで自衛隊でも、軍隊でもなく核武装なの?」という疑問は当然に出てくるでしょう。それらの立証責任が出てくるのは当然であり、立証するには何かしらのロジックが必要になってくるわけです。

ここで、有名な演繹法なり、帰納法なりが登場するわけですね。三段論法とかも演繹法の一つですね。一応Wikipediaから「演繹」「帰納」を引っ張ってきます。
演繹(えんえき、deduction)は、一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る推論方法である
帰納(きのう、Inductionεπαγωγή(エパゴーゲー))とは、個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則法則を見出そうとする推論方法のこと。

ディベートのような構造が出ているところから考えても、例えば法廷でも感情に訴えることも必要なところもあるとは思いますが、それ以上に条文や、判例との関係性が重視されています。

ディベートが人の営みについて議論しており、かつそれを参考としている学問でも「学説」などという形で「論理」が非常に重視されています。

したがって、ロジックが相当大事であることには間違いないでしょうし、また「論理的な説得方法」よりも「感情的な説得方法」を優先する合理的な理由もないように思えます。

第二に、日本人に不足しているところだという問題意識があるからです。

また、この前UADCを優勝したバレリーに「日本人は何が足りないと思う?」って質問したところ、「日本人はマターが少なく、分析が浅い」傾向があると言われました。確かに、UADCに言った時に「分析がまだまだ浅く、もっと深めないといけない」と言われたのは覚えています。ABPに言った時も、「Case Studyや、Comparison, Context (3C)でもっと分析を深めろ」と何度も言われました。

テートと一緒にジャッジをした時も、またはされた時もかなり細かくロジックを追っていることが特徴的でした。テートやローガンが"I have 3 levels of analysis"のように「level」と表現して分析を深めている傾向がありました。

「分析の深さ=ロジック」というわけではないですが、分析の深さとロジックの相関関係は強いと思います。というのも、ロジックなしに分析を深めるとなると、限界がありますしイラスト、Case Studyですら背後のロジックに支えられているからです。

僕が伝えたいのは、ロジックだけを鍛えなくちゃいけない!というメッセージではありません。もちろんバランスはあるので。
ただ、ロジックを軽視するのはまずいですし、ディベーターもジャッジも重視しないといけないでしょうし、たぶん今後も磨いていかないといけないところなんだろうなぁというところです。

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