2012年1月28日土曜日
ジャッジの評価公開
Japan Pre-Australs 2010を皮切りに、日本でもAdjudication Core制、Judge Feedback System、ジャッジブレイク制が導入されました。
今や当たり前になったこの制度ですが、どんどん洗練されつつあります。ですが、まだまだ改革の余地はあるのではないかなというのが私見です。
そこで、ジャッジ評価の公開(Adjudicator Standing制)について書いてみたいと思います。
最近自分の周りでよく聞くのがジャッジの評価を公開して欲しい、というものです。
賛成理由は主に2つあるでしょう。
1.ジャッジの成長に繋がる
自分がどれくらい評価されたのかというのが客観的に出ると、次にどうすればいいのかと考えるきっかけになります。
また、Rankingとして公開するのであれば、競争原理も働くでしょう。
ディベーターのSpeaker Scoreと一緒の原理ですね。
2.公平性・権利
これは、ジャッジブレイク・ジャッジアワード等を点数ベースで決める前提ですが、恣意性を排除できるというメリットがあります。
ジャッジも参加者の一員である以上、大会運営システムに貢献しています。したがって、そのRewardとしてそもそも与えられるべきとも考えられます。
実際のところ、Adjudication Coreの恣意性を排除し、公平性を確保し、優秀なジャッジがブレイクするようなシステムのために、UADC(アジア大会)はSpeaker Scoreの順位と同じように、ジャッジの順位も公開しています。
ジャッジテストの点数、各ラウンドの点数、最終点数を公開しているのです。
では、反対理由をみてみましょう。それは主に3つあります。
1.公平な評価をすることが出来なくなる
即ち、自分がこのジャッジにこの点数をつけた、ということがばれてしまうと、気まずかったり心境が悪くなってしまいます。
したがって、高い点になりがちになってしまったりしFeedbackを評価することができないということですね。
2.そもそもジャッジよりもディベーターのほうが感情的になりやすく、高い点・低い点がつきやすい
3.ジャッジの評価が低かった人たちのモチベーションの低下
こう考えると、なかなかどうすればいいのか分からない問題ではあります。
個人的には、「最終的なジャッジ評価のみの公開」を推そうと思います。
ジャッジテスト~予選全体の平均とかでいいと思います。それも無理だったらABCDEランクとかでもいいでしょう。
理由は、
・反対理由①の公平な評価ができなくなるというのは、最終的なジャッジ評価のみ公開すれば、誰がどの点数をつけたかがわかりにくくなる
・反対理由②の感情的になりやすいのは、正直全員が背負うリスクであるということと、評価制度に慣れればあがっていくということ。ある程度の点数の恣意性はSpeaker Scoreと一緒で完全に排除は不可能
・反対理由③に関しては……ジャッジに関するレクチャーや資料、練習を増やすことで対応していくしかないと思います
ただ、公開するにしろ公開しないにしろ、一番大事なのはこれを民主的なコンセンサスをとってから行うことになるでしょう。
各大学等にアンケートをしながら行うことも正統性をあげる上で必要だと思います。
ですが、時期的にそろそろアンケートをとり、試験的にでも(例えば、特にジャッジの育成をコンセプトにあげている大会等では)導入してみるのもいいのではないかなと個人的には思います。
無難な感じになってしまいましたが、これが自分の意見です。
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