2014年7月10日木曜日

ディベーターがジャッジに抱く疑問③「なんでアーギュメントが立った/立っていないの?」

久しぶりにこのシリーズを更新します。

今回はArgumentの評価の仕方に関してです。

Berlin WUDCのBriefingによれば、Argumentとは「(モーションに関連する)特定の前提から結論までをロジカルに繋げるもの」とされています。

アーギュメントがどのように評価されたかというのがかなり試合を分けてきます。それは、リーダーであれ、デピュティーであれ、クロージングのエクステンションであれ変わりません。

そこで僕があまり好きじゃない表現を書きます。

 「アーギュメントが立っていませんでした」

なんであんまり望ましくないかというと、アーギュメントの強さは0か1か、すなわち立っているか立っていないかというシンプルな二項対立ではないからです。
アーギュメントの強度という概念は当然あると思いますが、システマティックに立つ・立たないという概念はちょっと違うんじゃないかなぁと思います。

例えば、よくあるのは「genericなので取れませんでした」「話が遠いので考慮しませんでした」「1分しか説明されていないので立ってませんでした」というような説明方法だと思います。


「generic」や「遠い」というのは、アーギュメントが相対的に「弱くなりうる」要因ではあると思いますが、「立たない」理由ではありません。

言い換えると、0か1かで説明するのではなく、グラデーションを意識するようにしましょう。

もちろん、留保として、アーギュメントの強さは、いわゆるジャッジが思う指標がいくつかあると思います。logic, relevancy, exclusivity, example, picturization, reality, word choice……等。それらは説得力を左右するファクターであり重要なのは非常に分かります。ただ、「それが無いから立たない」のようなシステマティックな説明ではなく、「どこまで評価できたがどここから評価できないのか」というのを明確化しましょう。


一つ例をあげます。例えば、ban Nazi symbolsのOppで"Free expression is important because it is about expressing how you believe and how you see the world with your own words.  That is when you convey important message to the society of your belief and thoughts.  That is exactly why liberal democracies have moved away from censorship, and really careful about banning expressions.  USA, for instance, heavily respects the first amendment"のような話をしたとしましょう。

まあぶっちゃけジェネリックですよね。とはいえ、「一般的に表現の自由がなぜ大事か」という説明はしていますし、word choiceも悪くないです。大事そうな雰囲気のアナロジーも出してはいます。とはいえ、やはり今回のNazi symbolとの関連性は薄いのは明らかなのでその分評価は高くしづらく、もしGovがNazi symbolに特有な話をしていた場合はこの話単体では勝てないでしょう。


もう一つ例をあげます。THW allow companies to voteのOppで、Extensionで"This policy does not only affect after elections, but also damages the citizen's opportunity to consider their preference regarding non-corporate issues.  When companies have the stronger right to directly influence politicians and citizens, it would lobby and campaign much more stronger than before as their demands may be realized.  Furthermore, politicians tend to discuss company's issue more in election campaigns in order to get the voting block.  This means that during elections, agendas related to companies would be likely to be prioritized, and thus not focus on issues such as privacy acts, gay marriage, female rights, etc.  These agenda also affect citizen's lives by daily rights of security, progressing rights of minorities, forming national identity, etc. Given that, citizens cannot debate or know about non-corporate issues."

というような話をしたとするとします。
だいたいジャッジとしては選挙後の話を一番に思いつく以上すぐ思いつく話ではないものの面白い視点です。おそらくNewになるでしょう(フレーミングとしても選挙後・選挙中という分け方をしてnewに見せています。)企業関連以外のアジェンダが優先されなくなるロジックも2つ出されていてOppのmodelによって起きそうです。

実は告白するとこの話はAustralsで僕が実際に2nd Negativeでしたような話です。ジャッジからの評価も概ねそのようなものでした。選挙中の情報や考える行為というのはARPとしても重要なのはわかるため評価はされました。事実、RFDにも入っていましたしパネルを含め3人のジャッジからの評価も良かったです。いい話だったと。Motionによって変わる話だし重要性もわかると。

ただし、例えばdemocracyとのつながりというprincipleの視点が少ないことや、election中だからこそなぜ大事なのか(その後の国民の運命を握るだとか)とかはもっと言えてさらに強くなったよねみたいなフィードバックをもらいました。それは確かにその通りで、そこは欠点であることには間違いないと思いました。


いかがでしたでしょうか。
大事なのは「アーギュメントの強度」という概念だと思います。0か1かではないです。間があります。「ここまでは評価できたが、ここが少し評価しづらかった」という説明方法に、してみませんか。

2014年7月9日水曜日

Australs体験記

Australsで感じたこと

6年目にして初めてAustralsに参加してきました。
結果は3勝5敗、スピーカーとしては辛うじてアバレージを越えて真ん中くらいの順位とかでした。
悔しい結果になったのは間違いないですが、同時に学ぶことも多くこれは形にしてディベート界にシェアしたいなと思うので書きます。

なお、個人的にはAustralsに関する考察はけーたのが秀逸だと思います。国際大会で結果を残したい人は確実に読むべきです。
(http://icuds.blogspot.jp/2010/07/auckland-australs-2010by.html)
多くの話はここで既に書かれているのですが、それでも新しいことを頑張って書きます。笑

けーたの書き方をぱくるので申し訳ないのですが箇条書きで行きます。
また、少し紋切り型な日本批判のような口調になるようなところもあるかもしれませんがご容赦下さい。
ちなみにモーションはこちらからどうぞ http://tab.australs2014.com/t/australs2014/motions/


1. ModelのWorkability
一番感じたのはここでした。
よく日本でも「Opp Modelって大事だよねー」とかくらいなことは言われたりすると思うのですが、本当に重視します。
Affirmative, Negativeどちらも「Modelがどのように作用するのか」という説明が強く求められました。

例えば、R2で That we should eject sporting teams from international competitions if their fans are found to have committed racist/sexist/queerphobic etc acts during matches
というモーションをやったのですが、個人的には「いやーこれさすがにかわいそうでしょwwwNeg楽勝!」とかと思っていたのですが普通に負けました。

その最大の理由がNegのModelがどのように作用するのかが説明不足だったとのこと。最初呆気に取られましたがよくよく聞くと確かにと納得しました。
Domestic lawや、Playerをpunishするモデルがどのように作用するのかというのをかなり細かく説明することが求められました。
日本だとよく省略されるようなイメージですが、かなり本当に「それでも罰されて自分が捕まりたくなくて……」というような丁寧な説明が求められるようです。

その反省を生かしたR3ではThat we should promote the notion that the decision to have a child is a selfish one
で、childrenを持つことも持たないことも両方promoteするモデルにより良いところにしっかりと気づくという話を丁寧に説明したところ評価されました。

なお、Modelは当然Affでもしっかりかかってくるため、Aff, Neg共にWorkabilityをかなり丁寧に説明する意識が必要だと思いました。

2. ModelのComparison
上記に関連しますが、「なぜAff/Negのモデルの方が良いのか」というのをExplicitに説明することが求められました。
例えばThat corporations should be allowed to voteのNegにおいては「SQのlobbying, CEOのvote等によって声は反映できているが、voteだとdisproportionateに企業の声を反映してしまうためだめ」というのを明確に言ったところcloseながら勝つことができました。

よくジャッジにComparisonしろ!と言われると思うのですがそれは必ずしも相手が一番守りたいものと自分が一番守りたいものの比較軸というわけではなく、Model全体としての比較を強く求められました。

3. Non-initial arguments(3rd, 4th...)
個人的にAustralsで一番手ごたえを感じたのは2nd Speakerの3rd, 4thが圧倒的に評価されるというところでした。
全てのラウンドで自分のArgumentがReasonに反映され嬉しかったです、という単純な感想文ではなく、けーたも書いているように2nd speakerのコンストは強く求められていました。

確かに1st argumentと比べるとintuitiveではないものの、重要なファクターになってくるのはおそらく1st Affirmative/NegativeのClashである程度重要な話が完結するためさらに議論を深めることが求められるからかと思います。
個人的な感覚として「少しユニークじゃない」「少し遠い」「少し解決しづらい」みたいなものでも、関連性がありPrinciple/Practicalどちらか的に必要だと証明すれば自分のModelの優越性を証明していることにつながっているという判断基準を持っているようでした。

少し批判的になってしまって非常に恐縮なのですが、日本だと相手の1st pointにClashするような形や、自分の1st Argumentの延長線上にあるような説明のしかたが強く求められる気がしました。
Australsにおいては(UADCでも感じていたことですが)、モーションをとって生じるArgumentであれば十二分にとられる感じでした。

例えば、That the West should not import food from nations with chronic food shortagesのAffにおいて、monocultureを止めるという話と、先進国における大量生産大量消費のカルチャーが無くなるという話はどちらも評価されました。
また、That corporations should be allowed to voteのNegにおいて、企業で働いていない人たち(Public servants, Househusbands/wives)へのstigmaの話も評価されました。

とはいえ、この話には当然留保が必要で、かなり丁寧に説明しつつ、イラストをしたりインパクトを盛ることは当然必要だというのは強調しておきます。

4. Uniqueness
「Uniqueness」という言い方はされませんでしたが、日本と同じくモーションの肯定否定に必要なユニークネスはかなり求められると思いました。
日本との違いだけ述べておくと、Uniquenessを多角的に分析することが求められました。
例えば、That developed nations should pay developing nations to not extract their fossil fuel resources (coal, gas, oil) という話において、fossil fuel resourceのUniquenessは環境を破壊するかもとかという話だけでは足りず負けました。
「特にexploitativeになりやすい」という分析などが特に必要になってくるらしいです。(詳しくはリサーチして下さい)
なので大事なのはユニークネス1個思いついて満足しないことなんだなぁと思いました。

5. Manner
これは大きいでしょう。語っても語りきれません。
正直「白人うめええええええええええ」って思いました。いやあ上手いです本当に。Replyとかそれだけでひっくり返して来ます。尋常じゃないです。
それで大事なのは可愛そうなイラストは人一倍訴えかけてきますし、くだらない話にはジョークで返してきたり、インパクトを盛るためにword choiceがかっこよかったり。
日本でも確かに「Mannerもみましょう!」って言うと思うんですが多分AustralsはもろにMannerの分が点数に上乗せされます。

例えばThat ransoms should not be paid to Boko Haram(またボコハラムwwwwUADCに続いて僕は縁がありますね)のNegでBoko Haramにkidnapされた人を助けるnecessityを「まじかわいそう」イラストを自分としてもかなりよくできたなと思ったら、この大会で唯一77を越えました。(やった!)
That we should eject sporting teams from international competitions if their fans are found to have committed racist/sexist/queerphobic etc acts during matches でのAffのメルボルンはgayかわいそうイラストがやばくて「いやいやnon-contentiousだろ」という自分たちのクレームを跳ね除けてきました。

今回NUSがブレイク落ち(まさかの4勝しかできず。。。)という悲劇があったわけですが、もしかしたらアジアとオーストラリアの一つの大きな壁はこれなんじゃないかと。
発音はまだしも、word choice、印象操作等は日本としても積極的に評価していくことが必要な気がします。

6. Reply DOES matter
Replyは本当に重きを置かれています。Best Reply Speakerというカテゴリーがあるくらいですしね。
日本だと一部のジャッジは自分のノートを整理したりしているわけですが(実は僕も昔やっていたのであんまり人のことを言えないのですが……)これはまずいなと。
真剣にReplyでひっくり返しにきます。
ブレイクラウンドの音源は絶対に聞くべきです。

ただ同時にNewは厳しく言われました。あくまで、起こった内容をベースに最大限に魅せるのは非常に大事で、ジャッジもReplyもRFDに必ず入れてきました。


個人的にはこんな感じのAustralsでした。いやーー本当に行って良かった!
オセアニアディベートまじ強いじゃないですか。Berlin WUDCとかGF全部オセアニアでしたし。
強い理由が分かりました。基礎に本当に忠実で、それを一次元上のレベルでやってくるんですね。
・自分のModelがどのように作用するのか、相手と比較してどのように良いのか?
・モーションの肯定否定をする(ユニークネスを説明する)
・強い3rd/4thを出す
・Mannerで持っていく。Replyでも勝負を決めに行く
こういう話って日本でも多少なりともしているわけじゃないですか。これを本当に徹底している印象でした。

そう考えると日本ディベート界も発展してきているんだなぁと本当に思います。でも、さらに発展するにはさらに意識をしていかないといけないんじゃないかなと。
世界のnormをつくっているのは今間違いなくオセアニアだと思います。そこを知るのは本当に大事かと。
これはアジアにおいても当てはまります。特にアジアのnormって強いディベーターがつくるわけで、それはAustralsとかにも理解がある人がジャッジしたりGFでスピーチするわけです。

なので本当に行ってよかったです。

余談ですが、こうやって日本と他のディベート界の考えの相対化とかしていけたらいいんじゃないかなと思います。
日本勢って多分音源とか、あとアジアの一部のディベーターをベースにここ数年発展してきたような気がします。
最近は、日本人以外のディベーターがいたりとか、留学してディベートの考えを持って帰ってきてくれたり、海外のジャッジ・AC・ディベーターの経験を持ち帰ってきてくれていてそれに比例するかのようにディベートのレベルがあがってきていると思います。
(もちろんそれ以外のファクター、例えば各人の努力とかも色々あると思いますが)一つのコミュニティ・ビルディングの一環としてこういう考察を個人的に知りたいなぁと。

学ぶことがたくさんあって本当に有意義な大会でした。組んでくれたパートナーや応援してくださった方に感謝の意を込め、また将来の日本人ディベーターの更なる活躍を祈って終わります。

2014年5月17日土曜日

モーションの作り方④(終) Motion Philosophy

いよいよこのシリーズも最後になりました。
モーションの作り方なのですが、最後に実は一番最初にカバーしておくべき内容を書きたいと思います。

それは、「Motion Philosophy」という考え方です。

僕は、MotionはAdjudication Coreからのメッセージ性があると考えています。
どのようなメッセージ性を込めるかは各ACの好みでもあると思いますが、限られた大会の中でACをやる以上、僕はそれなりの責任があると思っています。(ちゃんと出来ているかどうかは分かりませんが。)

したがって、僕はモーションに関して哲学を持とうと思っていますし、そういうことを早い段階でACと共有しようと思っています。

具体的にMotion Philosophyというのは、その大会で、このACが、どういった問題意識を抱き、どういうことを得て欲しく、ディベート界に何かしら正の遺産を残せないかという問いに答えていく営みだと思っています。

それは、具体的には
①ACがどのような問題意識を持っているか?
・自分がディベート界に足りないと思っているものは?
・今のモーションに足りないものは?
・日本人がさらに活躍できるには?
・僕ら・私たちが出来ることは何か?

②この大会の参加者は何が必要か?
・参加者は何を求めているのか?
・参加者が今後必要になっていくものは何か?

というような問いに答えていくのではないでしょうか。

例えばですが、一番最初のCAは僕はPre Icho Cup 2011なのですが、その際「基本に大切にしっかりすれば思いつくモーション」をコンセプトに、新2-3年生の基礎の確認になればと思って出しました。
最近の春Tでは(少なくとも僕は)世界中の色々な話を知ってほしい、でも背後にある対立軸をおろそかにしておしくないというメッセージがありました。その理由はこの前他のところにも書いたので割愛します。

また、Gemini 2011では「難しいモーションも出来るようになって欲しい」というACの願いが込められていたと聞きました。

こうしたMotion Philosophyがあると、その後モーションを選ぶ際にも取捨選択の軸になりますね。

最後に、少し脱線するのですが、モーションというのは参加しているディベーターだけではなく、将来のディベーターにも影響します。なので、しっかりとしたPhilosophyがあるといいんじゃないかなぁと個人的には思っています。

2014年5月12日月曜日

モーションの作り方③ 最終調整

いよいよシリーズ第三弾です。

モーションの公平性が担保できたら、次は最終調整です。具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

(1) モーションのwordingを最終調整
大事なのは、「初めてこのモーションを見た人が、モーションの意味が分かるか?」「変な抜け穴がないか?」というところです。「こういう範囲のディベートをして欲しい」ということに関して混乱しないのが重要です。

春Tの例を挙げます。
THW outlaw suicide tourism for non-residents. というモーション候補がありました。
ACとしては、基本的には安楽死したい人ができないから海外に渡航する」みたいなイメージでした。海外で臓器移植したりするようなニュアンスですね。

ただ、ニュアンスとしてあったのが、「安楽死が違法の国からきている人」というところでした。それをもう少し明確化したかったため、以下のような変更点を加えました。
THW not euthanize travellers from nations where euthanasia is illegal.

くだらない抜け穴として"non-residents"でも安楽死が合法化されていたり・・・とか変なクレームとかごちゃりを避けることも少し意図としてはありました。

なお、人によってはwordingをかっこよくしたり、短くすることを目指す人もいるようです。僕も紅葉杯の反省から短くしようとしています。。。笑

(2) モーション全体のDiversity
個々のモーションがよくても、全体として偏っているモーション群というのはよくあります。
例えば、ラディカルなモーションが多かったり、CJSが多かったり……というものです。
テーマがかぶっていたり、動詞がかぶっていたり、対象がかぶっていたり、対立軸がかぶっていたり、といろいろな「かぶり」が想定されます。したがって、色々なモーションが無いのであれば必要に応じて特定の分野を考えたりするのも重要です。

どうしてもという時に、もし仮に似たようなモーションを出す場合は、できるだけ離して出しましょう。(予選と本戦等)
また、最近大会で出ていないかのチェックもここで入ります。

(3) (Asianの場合)3-motionの中の公平性
これはAsianに特有な話ですが、3モーションが並んだときに「実質1モーション状態」が起きていないか調べるのが大事です。
つまり、govだったら絶対これveto、oppだったらこれ絶対vetoとか。
また、2つ以上vetoしたいのが並んでいないか、などという点を確認することが肝要になります。

僕がACの時にやるのは、各自がgov, oppで1,2,3のランキングをつくってみることです。
ここでの考えがばらけたり「これは好みだな」という状況であれば大丈夫だと思います。
3-motionは特にACの自己満モーションをいれやすくなるので(経験談)気をつけましょう。

(4) ラウンドのアロケーション
また、どのラウンドにどのモーションを出すのかというのも重要になっています。
ちまたでよく言われる内容はこのようになっていますが、必ずしもそうである必要はないと思います。ACでぜひとも話し合ってください

・R4(予選最終ラウンドは最も公平なモーション
bubbleであるため、最も公平なモーションが求められます。

・OF(本戦初戦)は難しいモーション
実力があるチームとそうでないチームを振り分けるため、難しいモーションが望ましいとされています。

・GFは、ACの色が出るモーションや、最近ホットな内容
ex. HKDO 2012のban the publication of opinion pollは、その当時アメリカ大統領選挙があってホットで、ACの満場一致でした。
BP Novice 2011の THW ban expressions which glorify assassination.も、当時assassinationがほっとでした。
JPDU Spring Tournament 2012の時に古典が3つでましたがあれはACの「基本に忠実に話すこと」
というメッセージがありました。

・R1はwarm up的なモーション
古典や、わかりやすいモーションを好む人がいます。朝一なので。
ちなみに僕はR1から飛ばす方が好きです。


という感じになると思います。いかがでしたでしょうか。
実は「最終調整」というタイトルがありますがまだ続きます。そもそもモーションを出すとき何を最初に考えているかという話があるので。
続きます。

2014年5月2日金曜日

モーションの作り方② 公平性を担保する


アイディアが面白くても公平性が担保されていない場合があります。結局ディベートで一番重要なのは公平性だと僕は思いますし。
このままじゃGov/Opp(ないし、Closing)に有利・不利という可能性があります。

基本的にはAsianでもBPでもそこまで変わらないのですが、BPの場合"depth(richness)"という概念が登場するので、それだけ別で後で書きます。

では、公平性はどのようにして考えればいいのでしょうか?
僕の中でちゃんとした答えはないのですが、Gov/Oppでしっかりプレパしてみるとことだと思います。

ここで、調整していくものとして例えば

・動詞に注目する (ban⇔何かしらのregulate等, force⇔allow等)
・Value motionにしてみる (It is legitimate to, THBT...)
・Assumingでburdenを減らす (Assuming that both options are available...)
・対象をコントロールする (all⇔some、抽象的⇔具体的)
ということもありだと思います。

また、Oppのstrategicなカンプラ、スタンスによって死なないようなwordingであるかも重要になります。

プレパしてみると分かりますが、片方のインパクトがどうしても弱い場合があったりとかもします。
なのでAC会議でも「この話にどうやって対抗するの?」という答えはある程度出ないとあんまり良いモーションではないのかもしれません。


BPに関してはですが、5-6個各サイドで分析がでるかどうかを必ずチェックするのが大事だとよく言われています。(僕がACに入ったときは全部5-6個出ることを確認してから出しています)
そのためにキーワードをちょっと1個増やしてあげたりするとかで話が広がることもあります。
(主体を入れてみたりする等)

また、補足ですが場合によってはinfoslideを作ることも必要でしょう。対象として、キーワードや、backgroundをinfoslideにのっけることが多いと思います。

2014年5月1日木曜日

モーションの作り方① 最初のアイディアの出し方


巷では、最終的に公平性やダイバーシティを重視しながらモーションをつくろうというような事が書いてあります。かなり僕自身も参考にしていて、モーションがある程度出た後どうやって吟味していくかはすごくよく分かりました。
(ex. Shengwuのブログ等)

でもここでは、「そもそも最初のアイディアの出し方」に関して書こうと思います。そういう記事を書いている人って今のところみたことがないので。

あくまで我流ですので参考程度にお願いします。
また、アイディアを出した=そこから必ずしも良いモーションになるとは限らないので、僕の没モーションは悲惨なことになっています……。
大事なのはとりあえずアイディアベースに最初出してみてみるところってところだと思うので、(ブレストはたくさんしましょう)ちょっと書いてみますね。

(1) 新聞記事、雑誌の記事、本等を少し読んで、「problem」を考える
これは完全にTateの受け売りなのですが、HKDOでTateがどんな風にモーションを考えているか聞いたところ「どうすればこの世界がもっと良くなるのか?」という視点を持つことが大事らしいです。
となると、何かしらの「problem」を考えるのが大事なんだと思います。

例えばですが、先日三鷹のストーカー事件ってありましたよね。それから気になってストーカーのドキュメンタリーを見てみまり、ちょっとネットで調べてみました。
そこで知ったのは現行の法律だと、ストーカーに関しては例え警察に相談しにいってたとしても、最終的には被害者の同意がないと動けないとのことでした。
だいたいストーカーというのは第三者ではなく、もともと自分の元恋人だったりするわけで非常にジレンマに陥るとのことです。その間にストーカーの被害がエスカレートしてしまうこともあるとのこと。
「これって問題なんじゃないかな?」と思って生まれたのが以下のモーションです。

THW allow the police to act (ex. warning, prevention measures) regarding the stalker without victim's consent.(JPDU Spring Tournament 2014 R4)


(2) problemの解決方法を考える(動詞・制度に着目)

problemが分かったらrectifyしないといけません。その方法として着目するのが、「動詞」や「制度」だと思います。
例えばよくありがちなのが、何かあったらbanしておこうという考えです。

一つ例をあげます。EUって人権守っている主体のはずなのに、ネオナチとか極右の政党が台頭しているけどいいのかなと。
そこで、廃止しようと思ってつくったのがこのモーションです。(Sharmilaも気に入っていて本当はHKDOで出す予定だったのですが、opinion pollの方がホットだったので見送られました。)
THBT EU states should ban ultra-nationalist/far-right political parties.(Ryoso Cup 2012 GF)

でもban/legalizeって結構extremeなんですよね。なので、他の「動詞」や「制度」を考えてみます。
「あ、この制度使えるじゃん!」シンプルな例を挙げます。なんとなく日本って医療モーション少ないなぁと思いながら医療訴訟とか調べていました。
そういえば産婦人科とか今少ないらしいなぁ、でもありきたりなモーションばかりだなぁと思っていました。
(ex. THW make juries of malpractice litigation comprised by doctors. 等)

なんか無いのかなぁと思って調べていたら、ニュージーランドのACCという試みがあるというのを知りました。
「あ、これいいんじゃないかな?」と思ってかつ、基本的な対立軸は過失責任と無過失責任になるなと思いつつ、そのまんま安直ですがモーションにしてみました。
THW introduce ACC (Accident Compensation Corporation) scheme in doctor-patient relationship.(JPDU Spring Tournament 2014 OF)


でもやっぱりまだレベルってあがりそうですね。オリジナル感が欲しいですし。
例えば、インド等がコンテキストで女性が性犯罪に苦しんでいます。そういう時にそうすればいいかというと、男性側にもっと責任を負わせるパターンも良いですが女性側をどうやってさらにempowerするかという議論になるかもしれません。
それだと、自分で自分の体を守れたほうが良いなと思って生まれたのがこのモーションです。
THBT the government should distribute free lethal weapons to women living in misogynistic community with excessively high rate of sexual violence.(Titech Cup 2013 QF)

ちょっとイメージとしては、THBT US government should subsidize twitter to liberalize oppressed societies.のように、empowerしていこうよみたいな感じです。


他の例をあげます。警察って色々問題起こしたりしているなぁと。あ、あとそういえば民営化ってよくされてるよなぁ、prisonとかもされてるし。
と「民営化」という手法が思いついてつくって、ACから評価が高かったのがこのモーションです。
THW privatize the police.  (HKDO 2012 R1)

とりあえず、アイディアとしては「動詞」「制度」に注目するというニュアンスが伝わると幸いです。
コツとしては、自分が知っている動詞や制度、もしくは他のモーションである動詞や制度を連想することです。

個人的な感想としては、SharmilaとかTateはこういうモーションが好きな印象があります。
例えば、Berlin WUDCではTHBT countries with booming populations should allocate every adult a single tradable permit to have a child.というモーションが出ましたが、これは「carbon emission trading」という市場原理を導入していることに他なりませんし。


(3) 主体を考えてみる
他の発想方法として、主体を発想してみるというのがあります。

最近流行っているTHBT the feminist movement should...というようないわゆる「アクターディベート」モーションですね。
海外の大会を見てみると、TH, as North Korea,...等主体をかえていることが多いです。

例えば、ICCってcrime against humanityとかをprosecuteしているのはもはや最近では有名になりましたね。
ICC should prosecute crimes against democracyとか、色々ICCモーションってありますよね。そこからアイディアをもらったのが以下のモーションです。

THBT ICC should prosecute heads of IMF upon assisted countries' requests. (Ryoso Cup 2012)


(4) extremeに考える思考実験をしてみる
僕が好きなのはとことんの極限状態とか、とことん何かやってみるとか、想像の世界に思いを寄せてみることです。
なんでかというと、過去の哲学者がやっていたように本質的な議論、対立軸に近づくからです。

Assume that a large meteorite is about to hit the Earth.  The international community was able to build a perfect underground shelter which can hold and sustain a small number of people for reasonable years until human can live again on Earth.  There is no way to avert the crisis.
THW choose who survives based on a lottery-of-fate rather than considering any personal ability/professional skills.(Titech Cup 2012 R2)

これは結局資源の分配の仕方という経済学の問いですね。


いかがだったでしょうか。他にもモーションのアイディアの出し方の方法はあると思います。
(僕もこうやって体系立ててやっているわけじゃなくて、結構勘とか暗黙知の部分は多いと思いますが、言語化するとこの4つは思考パターンとしてあるのかなと思いました。)
少しでもお役に立てると幸いです。

2014年4月29日火曜日

JPDU Spring Tournament 2014で工夫した点


春Tでは、こうしたことに気をつけました。
基本的に、ACの皆様とそれを実現させてくれたコミや参加者の皆様のおかげでできました。色々新しい試みができたことを非常に感謝しています。

特にタブのお二人にはかなり大きな負担をかけました。。。ありがとうございます!
繰り返しますが、別に僕がやったぜどやーーーというのではなく、みんなのアイディアと、実行力のおかげです。

今後の大会でも是非参考にして下さい

General Principles
-RookieもMainもどっちも大事に。Rookieのラウンドにも良いジャッジを優先して入れたり、モーションも配慮
-ジャッジがフェアに評価されつつ、ジャッジのためになるような制度づくり

Rules/Briefing
-Mandatory POI  (JBPからの引継ぎ)
-Average Intelligent Voterの強調(Relevancy, Exclusivity等の裁量、Informed Global Citizen)
-Mutual Exclusivityの重要性の強調(briefing, scoring, adj test)
-Motion選びの際の番号を紙に書いて行うことの義務化
-Score Rangeの拡大
-Grand Final Best Speaker/Rookie Grand Final Best Speaker

Motions
-モーションは複雑すぎず。考えれば分かるように。でもIRとかも。
-Asiaモーション
-Motion Diversity
-公平性、3つのモーションの中でも大丈夫か

Adjudication
-ジャッジフィードバックシートの詳細化(全体性・基準の妥当性・比較・分かりやすさ)
-Chair adjによるPanel/Trainee Adjへのfeedback義務(点数つけた後一言)
-Feedback Sheetのコメント義務化
-ジャッジ評価詳細公開
-ハイレベルなAdjudication Test(ハイレベルで難しいラウンドをジャッジできるかどうか見極めたい)
-Adjudication Testで詳細な質問リスト(ラウンドに関してRFD以外の説明)
-Adjudication Testのフィードバック
-2日目もジャッジ間のフィードバックシートの導入

その他
-モーション発表時、マッチアップ時の音楽工夫
-Individual Adjudicatorの大量リクルート