2014年5月12日月曜日

モーションの作り方③ 最終調整

いよいよシリーズ第三弾です。

モーションの公平性が担保できたら、次は最終調整です。具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

(1) モーションのwordingを最終調整
大事なのは、「初めてこのモーションを見た人が、モーションの意味が分かるか?」「変な抜け穴がないか?」というところです。「こういう範囲のディベートをして欲しい」ということに関して混乱しないのが重要です。

春Tの例を挙げます。
THW outlaw suicide tourism for non-residents. というモーション候補がありました。
ACとしては、基本的には安楽死したい人ができないから海外に渡航する」みたいなイメージでした。海外で臓器移植したりするようなニュアンスですね。

ただ、ニュアンスとしてあったのが、「安楽死が違法の国からきている人」というところでした。それをもう少し明確化したかったため、以下のような変更点を加えました。
THW not euthanize travellers from nations where euthanasia is illegal.

くだらない抜け穴として"non-residents"でも安楽死が合法化されていたり・・・とか変なクレームとかごちゃりを避けることも少し意図としてはありました。

なお、人によってはwordingをかっこよくしたり、短くすることを目指す人もいるようです。僕も紅葉杯の反省から短くしようとしています。。。笑

(2) モーション全体のDiversity
個々のモーションがよくても、全体として偏っているモーション群というのはよくあります。
例えば、ラディカルなモーションが多かったり、CJSが多かったり……というものです。
テーマがかぶっていたり、動詞がかぶっていたり、対象がかぶっていたり、対立軸がかぶっていたり、といろいろな「かぶり」が想定されます。したがって、色々なモーションが無いのであれば必要に応じて特定の分野を考えたりするのも重要です。

どうしてもという時に、もし仮に似たようなモーションを出す場合は、できるだけ離して出しましょう。(予選と本戦等)
また、最近大会で出ていないかのチェックもここで入ります。

(3) (Asianの場合)3-motionの中の公平性
これはAsianに特有な話ですが、3モーションが並んだときに「実質1モーション状態」が起きていないか調べるのが大事です。
つまり、govだったら絶対これveto、oppだったらこれ絶対vetoとか。
また、2つ以上vetoしたいのが並んでいないか、などという点を確認することが肝要になります。

僕がACの時にやるのは、各自がgov, oppで1,2,3のランキングをつくってみることです。
ここでの考えがばらけたり「これは好みだな」という状況であれば大丈夫だと思います。
3-motionは特にACの自己満モーションをいれやすくなるので(経験談)気をつけましょう。

(4) ラウンドのアロケーション
また、どのラウンドにどのモーションを出すのかというのも重要になっています。
ちまたでよく言われる内容はこのようになっていますが、必ずしもそうである必要はないと思います。ACでぜひとも話し合ってください

・R4(予選最終ラウンドは最も公平なモーション
bubbleであるため、最も公平なモーションが求められます。

・OF(本戦初戦)は難しいモーション
実力があるチームとそうでないチームを振り分けるため、難しいモーションが望ましいとされています。

・GFは、ACの色が出るモーションや、最近ホットな内容
ex. HKDO 2012のban the publication of opinion pollは、その当時アメリカ大統領選挙があってホットで、ACの満場一致でした。
BP Novice 2011の THW ban expressions which glorify assassination.も、当時assassinationがほっとでした。
JPDU Spring Tournament 2012の時に古典が3つでましたがあれはACの「基本に忠実に話すこと」
というメッセージがありました。

・R1はwarm up的なモーション
古典や、わかりやすいモーションを好む人がいます。朝一なので。
ちなみに僕はR1から飛ばす方が好きです。


という感じになると思います。いかがでしたでしょうか。
実は「最終調整」というタイトルがありますがまだ続きます。そもそもモーションを出すとき何を最初に考えているかという話があるので。
続きます。

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