百閒は一見にしかずと言いますので、まず実例をお見せしましょう。(あくまで一例です)
このように、チームとしてプレパレーション・タイムにおいて何をするかの「約束事」や「戦略」を紙に纏めたものをプレパ・シートと言います。ak_debateは各大会ごとにその人にあった「プレパ・シート」をつくることを推奨しています。
今回は理論編ということで、下記の3つの問に答えたいと思います。
1.そもそも、なぜプレパ・シートが必要なのか?
2.プレパ・シートには何が含まれるのか?
3.プレパ・シートはどのように使うのか?
(なお、<実践編>ではak_debateが実際に2017年にコーチした事例を通じて、どのようにプレパ・シートをつくるのかというのを詳しくご紹介します。ディベート自由帳初めての試みです!)
1.そもそも、なぜプレパ・シートが必要なのか?
「即興型ディベートのパフォーマンスの8割くらいはプレパレーションで決まる」というのがak_debateの考えです。(なお、良く調べたら東大ディベート部出身の世界大会のEFL 部門の優勝者も言っていました)
一方で、個人レベルでもなかなか自分の思考を「見える化」することは難しいため、毎回良いプレパができているとは限りません。例えば、調子の良い時は自分のサイド・相手のサイドの両方を考えることができても、場合によっては片方しか考えられないかもしれません。TBH思考法の一部しかできないかもしれません。
それがチームになると猶更です。準備時間の短いBP Style、3人で意思決定をしないといけないAsian Styleはどちらも難しさがあります。特に考え方やコミュニケーションスタイルは多種多様で、文字通り「十人十色」になりがちです。(大学や世代などのクセはありますが。)そこでお互いの思考プロセスを「見える化」しながら、プレパ・シートという「共通言語」ができてはじめてプレパが効率化すると言えます。
2.プレパ・シートには何が含まれるのか?
プレパ・シートはチームごとに大きく異なりますが、どのプレパ・シートにおいても以下の4要素を含むことが重要です
①:プレパのステップ(流れ)
上記の例で言うと「Issue特定」「戦略立案」「具体性強化」「Speech化」のように、何をするかです。
②:各プレパのステップで行うこと
上記の例で言うと「Issue特定」では、「相手が一番言ってくることは何か?」「一言で言うと何と何の対立なのか?」のような質問を自ら問いかけることが挙げられます。
③:各プレパのステップの時間配分
その名のとおりですが、それぞれ15~30分という時間をどのように使用するかです
④:チームとしての分業
誰が何を担当するかです。上記の例の場合は、たまたま2人が同じプロセスを同時に行っていくため反映されていませんが、場合によっては色分け等を行い分業を明確化することもあります。有名な例ですが、過去の秋T(秋季全国大会)・ESUJを連覇したチームは片方が「相手の話」、もう片方が「自分の話」を考えるような分業体制でした。
3.プレパ・シートはどのように使うのか?
プレパ・シートは、「チームで練習・試合をするときはほぼずっと」使用します。具体的には、
a.初めての顔合わせにおいて、プレパ・シートの初期ドラフトを作成
(最初はこんな感じだよね?という風につくります)
b.ラウンド前(プレパ練前)に確認
(実施にプレパを行う前にお互いにどのようにプレパレーションを行うか確認します)
c.ラウンド中に必要に応じて確認
(ラウンド中に、必要に応じてそのプレパ・シートを見ながらプレパを進めます。例えば、「この質問答えていないね」だとか、「そろそろ時間だから次のステップにうつろう」のような使用方法になります)
d.ラウンド後にアップデート
(必要に応じて、ラウンド後に2.の①~④がアップデートされます。具体的には、「Issue特定はもうちょっと時間が必要そうだから長めにとろう」「Issue特定のときに"似たようなモーションの対立軸はないか?"って考えるのはどうだろう?」のような会話が繰り広げられます)
そして、b.~d.が何度も繰り返され、どんどんブラッシュアップされていくことになります。
いかがでしたでしょうか?次回は、具体的な<実践編>となります。
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