2012年4月10日火曜日

ロジック・ゲームをするな!~実社会で何が起きているかを重視すること~

ちょっとうまくなったディベーターが陥りがちな罠として、よく見受けるのはディベートのロジック・ゲーム化です。
これはかなり単純化した説明をしているので、丁寧に説明したいと思います。

ロジック・ゲームとは、「現実性・社会的妥当性を考慮せずに、「ロジックはたっている!」と考えて説明する」ことです。
ロジックとはこの場合、狭義の論理性を指します。すなわち、SQ→APのメカニズム、人がどう動くかということ、「これが問題ならこうすればいいじゃん!」という強引なオルタナ等を指します。

かたい表現になってしまいました。具体例をあげます。
例えば、
「Child laborは現在起こっていない!なぜなら企業はProfit-seekerだからしていないんだ。」
「売春は現在起こっていない!IllegalでDeterrenceがあるからだ。」
というようなものを指します。

一見、ロジックがたっているじゃないか・・・と思っていたとしたら、相当まずいです。
なぜなら、全部現実社会ではアリエナイことだからです。事実として、児童労働は今でも多くの途上国において行われていますし、売春も蔓延しています。

こういうArgument、主張を聞くと眉唾にならざるを得ません。というのも、Average Reasonable Personとして、それらは起こっているからです。

本来「ロジック」の中には、現実性や社会的妥当性も加味されているはずです。その主張が、ディベート的には成り立っても、現実社会では果たしてどうなのか、道端を歩いている誰かがその主張をきいて首をかしげないか、考えてから発言してもらいたいものです。

当然のごとく、うまいディベーターは実社会のことをよく知っています。BBC等のニュースソースやドキュメンタリー等を見て、実社会で何が起こっているか細かく知っているからです。海外大会で行くと、目の前にいるかのようなイラストに圧倒されることもあります。

また、ディベートの捉え方の一つは、「現実世界のアドボカシー(代弁)」になるはずなので、実際に地に足をついた議論をしたいですね。

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