2017年10月15日日曜日

どうすれば、上手くなれるのか? -"成長エンジンの設計方法"-

【はじめに】
「上手くなりたい!」
これは、目標の違いはあるにしろ、すべてのディベーターが思うことだと思います。
akも負けず嫌いであったことから、常にうまくなりたいと思っていました。

一方で、「上手くなる方法」があまり体系化されていないのではないか?という問題意識を持っていました。なんとなく、例えば1st SpeakerだったりClosingだったりでの「各論」はあるものの、「総論」としてどのように上手くなるのか?ということを整理することで、より多くのディベーターの成長に寄与できるのではないかと思いました。

そのような意図があり、学会発表も今年の3月にしているのですが、そこでのフィードバックやまた最近考えたことを受け、先日、Tokyoの全体練習会でまさにタイトルのような意識の高い内容のレクチャーをさせて頂きました。ポジティブな反響もあったので、少し内容をアップデートしてこちらも共有させて頂きます。(なお、普段文字が多いことも受け、パワポの練習をしたいので今回はテイストを変えてパワポも一部いれてみました)

【"成長エンジン"の設計において必要な3つの問い】
突然ですが中長期的に成長するため、あなたは下記の3つの問いに対する答えはありますか?また、3つ全ての問いを、常に問い続けていますか?ちょっと紙を出して書いてみるなり、自分で考えてみるなりしてみてください。

もしすでに問い続けている場合は、さすがだと思います。akの場合は、これをしっかり考え始めるのがいつだったのか・・・と思うと恥ずかしくて言えないかもしれません。ただ、周りで上手い人は常にこの3つの問いを何かしら持っていたのではないかと思います。

(なお、蛇足ですがこれは種明かしをすると、教育の現場でも取り入れられているシンプルな問題解決 のフレームワークに沿っています。①がTo-Be(目指す姿)、②がAs-Is(現状)、③がApproach(アプローチ)ですね。)

ただ、多くの場合この3つの問いを意識的に答え続けている人は少ないと思います。その場合、陥りがちな罠というのは下記のスライドです。

【ディベーターが陥りがちな罠】

どれも、ぎくっとしたことがあるのではないでしょうか?
何を隠そう、どれもakが見事にはまった罠です。
特に1-2年生のとき、とりあえずSQ/AP/Impact等の型に終始した後、①目指す方向もわからないまま、②格好いいスピーチもできないな、つらいなと思いながら、③ひたすらにラウンドを繰り返しました。ある種、合併症を引き起こしていたことになります。

少しだけ自分語りをすると、akは上級生のエジュケにも恵まれ、かつパートナーにもかなり恵まれ、客観的には最初結果が出たと言われています。(ありがたいことに、実際1年生の全国大会である紅葉・梅子を連覇し、JBP(当日の冬T)では1年生で全体のベストスピーカーをとることができました。今よりも圧倒的に調子にのっていましたが、WUDC(世界大会)では4試合連続4位をとり撃沈。6ラウンド終わっても3点というぼろぼろの結果でした。年明けをしても、Titech Cup、Debate no Susumeといった大会ではことごとく負け、優秀な伝説級の先輩と組んだ大会でも思うような結果を残すことができませんでした。

そんな中、ディベート戦国時代と呼ばれていた時代であることも相まって、同期はどんどんうまくなっていきます。主要な大会で結果を残す同期を見て、うらやましく、かつ悔しい思いをし続けました。そんな中、やみくもにくそーと思い、なんとなくひたすらにラウンドを馬鹿みたいに繰り返しましたが当然うまくなりません。Geminiのトライアウトにおいても、部長であるにもかかわらず上位チームであるAをとれなかったということは、akとして悔しさしか残りませんでした。

「英語がうまいだけで上手くならなっていない」「結局1年目がうまかっただけ」と、はっきりとは言われなかったものの、それをひしひしと感じ続けていたのがakでした。

そんな中、徐々に上昇傾向に戻ってきたのが下記の3つを意識し始めてからです。

【ak_debateが取り組んだこと】

一番のきっかけは、2年生になってエジュケ(トレーニング)をする立場になったことだと思います。たくさんの後輩が入ってきて、どうやれば教えられるのか必死に考えるわけです。特に当時は、高校生の経験者も入部してきたり、全国模試でトップ10に入るような"化け物級"がたくさん入部したわけです。いわゆる「突き上げ」状態。akの場合はそれまでの部長陣が圧倒的な成績を残していたことから、上からのプレッシャーも勝手に感じていました。(何か言われたわけではないです、決して。)そのあたりから、「ディベートはそもそも何か?」「Argumentとは何か?」「PrincipleとPracticalの違いは?」「強いRefutationとは何か?」のようなことを考え、かつ質問されるようになりました。(=①)このような中、①必死にディベートとは何か、強いディベーターとは何か考えることで、あれ、今自分はこれできていないよな、これはできているな、という現状把握にもつながりました。そんな中、あ、akは別に格好いいスピーチはできないのであると。とはいえWUDCでも唯一評価された反論力をヒントに、Matterで勝負していこうと決意したわけです(=②)。そこでいかにMatterがつまったスピーチを作るかの営みが始まりました。ラウンドを行ってフィードバックをもらってその再スピーチを先輩に見てもらうことを頼むという自己中心的なことをやることを行ったのもこのころからです。いわゆる「スピ練」(スピーチ練習)だけをやり始めたのもこのころです(=③)

別にその後、自分の実績をつらつらと書いたところでも誰も楽しくないので書きませんが、成長軌道に乗り始めたのはこのころだったと思いました。今思うと、本当に3つの問いに、苦しい時でも向き合い続けることだなと思いました。

とはいえ、今までの話はあくまでakの場合だったと思います。それをもう少し再現性の堅い形で、別の角度であるステップ別に考えたものが下記になります。

【ステップ別に、中長期的にうまくなるための取り組み】

結局、当たり前のことでしかないかもしれませんが、インプット・プロセス・アウトプットの繰り返しでしかありません。それぞれのステップにおいていかに効率化をはかるかが、しいて言えばkeyなのかもしれません

これでいうと、akがブログをやる理由は色々ありますが、(主には多くの人にディベート・リソースを公開して、他の人の参考になればというところですが)一つ自分のメリットとして感じていることは、実はiiiのアウトプットを強制的に行うことで、他の人を巻き込むことができるところです。幸いなことに最近はこのブログは英語即興型以外の人からのフィードバックも頂戴しており、それを契機に「ここはいいんだな、ふむふむ」と思ったり「なるほど、そういう視点もあるならこうしたほうがいいかも」のようにブラッシュアップしていくことができているため、akの理解が深まっています。そういう意味で、ぜひ早い段階からブログを書いてほしい(akが読みたいだけ)というのもあります、という蛇足でした。

いかがでしたでしょうか?今回はあえてpowerpointも使いながらの文章にしてみました。
ぜひ、feedback頂けると幸いです。
あえてやや抽象論もあるかと思いますので、「特にこの部分」のようなリクエストがありましたら、ぜひご連絡ください。

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