2018年4月28日土曜日

【即興型ディベート初心者向けポスト】 プレゼンテーションの型・"AREA"

スピーチって結局どうすればいいの?というなった際に、ディベートを始めたばかりの皆さんが最初に触れるのがAREAというプレゼンの型だと思います。

Assertion、Reasoning、Example、Assertion の頭文字で、主張(結論)、理由、例、主張という、結論のサンドウィッチ形式で話すのが良いとされています。
(ちなみに余談ですが、人によってはOREOと呼ぶこともあるようです。この場合はOはOpinionということです。)

念のため図示化するとこうなります。

Assertion
Reasoning
Example
Assertion

例えば、タバコ禁止(THW ban tobacco.)という議題であれば、下記のようなパターンがあり得ます。

Assertion タバコは健康に悪いので禁止すべき
Reasoning タバコには有害物質が含まれているし、中毒性もあるため継続的に健康リスクが高まる
Example 肺がん、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすこともある
Assertion なので健康に悪いタバコは禁止すべき

ここまではよく教わります。ですが、意外とコツとセットでは教わらないこともありまるので、ak_debateが教える際に伝えている点を3つシェア致します。

1.R(理由付け)は直観的 and/or複数で
第1に、Rである理由に関してですが、理由はできれば直観的なものや、複数(できれば3つがよく説得的とされます)挙げられると良いです。
ややハイレベルなことを申し上げますと、理由が出ない場合はTBH思考法を試してみるといいでしょう。初心者の方には、中でもBottom-Upで考えること(具体的にどういう人が影響されるのか?等)をオススメしています。
逆に理由が出すぎる場合は、似たような話をグルーピングするといいです。
ここは余談ですが、プレゼンのとき3は覚えやすい数字だとされています。2つだと少ないな、4つ以上だと多すぎて覚えられないな、となるようです。

2.E(例)は解像度をあげて感情に訴えかけろ
第2に、例はほかの人と共通の理解が得られるほどに解像度を上げる(想像できるほど具体的にする)ところまで深掘りできると良いです。どのような人が、どのように影響されるのかをストーリー的に話せるとよく、特に不満、不安のような負の感情に訴えかけられると良いです。
ak_debateがよくやるのは、具体的な映像を頭に思い浮かべることです。漫画、小説、映画のようなフィクションに頼ることもありますし、家族や友人などの顔を思い浮かべることもあります。またニュースで見たことのあるドキュメンタリーで特集されている人のことを思い出すこともあります。

3.あらゆるレベルでAREAを徹底しろ
第3に、AREAは、スピーチの中のあらゆるレベルで使うと良いということです。サイド全体として言いたい大きなAREAもあれば、具体例としてのアーギュメントとしての小さなAREAもありえます。また、反論もAREAで話すとよいです。相手はこういったがそれは成り立たない、なぜなら・・・例えば・・・のようになります。
要は大きなAREA、小さなAREAを積み重ねる、というイメージでしょうか。いつどこでもAREAを徹底するということですね。

(多くの教育現場で教えられている、いわゆるSQ AP IMPACT(Status Quo, After Plan, Impactの略で、現状(政策導入前)の現象-政策導入後の現象-その重要性)などのフレームの中でもそれぞれでAREAで話すことをおすすめしています)

終わりに
いかがでしたでしょうか。ぜひデビュー戦に向けてAREAを自分のものにして下さい。なお、この話し方はディベートに留まらず、プレゼン全般、就活、社会人生活でも役立つシーンがあるので是非!

補足 AREAのスピーチの型
高校や大学の教育現場では、AREAをもとにしたスピーチのワークシートを準備していることもあるようです。例えば、立論では下記のようなパターンを準備しているようです。型にはめることはよくないですが、守破離でいう守のときには使いやすいのでぜひ。その後、AREAを崩したり、よりいい言葉に言い換えたりするような柔軟性が持てるとよいですね。

[英語]
<Argument>
(A) Our first argument is _______.
(R) We have __ reasons.  / This is because ____
(E) For example, .... / Let me give you an example.
(A) Therefore, ....

[日本語]
<立論>
(A) 第一に・・・
(R) 理由は_つあります・・・/なぜなら・・・
(E) 例えば・・・/具体例を挙げると・・・
(A) したがって・・・

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2018年4月15日日曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論④】Whip編(Asian Style)

総論としての「80点超えのスピーチをするには」を受けた、各論シリーズです。
今までのPrime Minister編、Leader of the Opposition編、Deputy Speakers編の続編となります。

最初に注意しておいたほうがいいのは、Whipはラウンドの流れに影響を受けやすく、また、Deputy Speakersの原則は引き継ぎぐことです。すなわち、「相手の一番強い話をつぶす」ことや、足りない点を伸ばすことも当然Whipでも継続されます。それ以外の点で幾つかポイントを書かせてください。(本当はこれ以外にも色々書きたいのですが、スピーカースコアに直結しそうなポイントであえて絞りました)

1. 汎用的なフレームを活用しながら、ラウンドに固有な纏め方を探す
よく「まとめ方に正解はない」と言います。一部の先輩にフィードバックを求めても「ケースバイケース」だと言われることもあるのではないでしょうか。確かにそうなのですが、「汎用的なフレーム」を参考にできる部分はあります。
例えば、下記のようなフレームがあり得ます。

<ディベートフレーム系>
・Principle, Practical
・説明責任(Necessity, Solvency, Justification) ※Solvencyに相手のHarmも含む

<4W系>
・(When)Time-frame-base (例:Short Term, Long Term)
・(Who)Actor-base (例:Impacts on Female, Impacts on Male)
・(Where)Place-base/Micro-Macro base (例:Impacts on Individual, Impacts on Family, Impacts on Society)
・(What) Keyword-base (例:Why ban?  Why now?)

このようなフレームを意識しながら、今までの双方の議論を纏めにかかります。
例えばですが、Australs 2013 GFのOW(GF Best Speaker)は大きくはPrinciple, Practicalのフレームワークに近いでしょう。(1. Whether this is a "just" law?  2. Impacts of the law 3. Social Perception )
また、Australs 2012 GFのGWもPrinciple, PracticalのClashながら、ラウンドの固有性を出しているサインポストになっています。(1. Is allowing these crimes worthy of criminal punishment? 2. What does the world look like, and what changes do we get under our policy?)。

もちろんフレームは結局のところ「なぜ勝っているか?」の合目的性とフィットしていないと意味がないですが、一つ参考になり得るかと思います。

なお、このフレームとラウンドの固有性を行ったり来たりするところが難しく、akは例えばポストイットを使用しながらラウンドを聞いています。そして大幅にスピーチ中に反論とかを動かし、クラッシュを作り直すこともあります。

2. 「勝たないといけない」部分に全力を注ぐ
「ここを取ったら勝てる」というようなポイントがあります。それは、ラウンドによって様々です。分かりやすく「分岐点」と呼ばれるようにClashの応報があるのであればいいのですが、必ずしもあるとは限りません。「自分がイイタイコトを言う際に、譲れないピース」というのを双方の論理構造からひも解く必要があります。

例えば、A→B→Cというような論理展開をしているとします。その場合、Aが証明されないとB, Cにいかない場合は、Aを全力で守りに行かないといけない場合があります。
この構図だと思っているのは、MDO 2011 Semiとなります。Govの論理構造というのは、「助かる人はZero-sumである(全員を助けることはできない)」→「そのような場合はLegalなchoiceを取った人を優先すべきだ」となっています。GWはその前者の前提を「This is not fair」と言いながらスピーチをしています。「PMからしっかりその前提を言っているにもかかわらず、Oppは反論してこなかった」と冒頭でいいつつ、相手のPOIへの反論で「もしZero-sumじゃない前提でディベートしないといけないのであれば、じゃあGovは負けるよね」という意図をジョークを交えて印象操作し、Govへの勝利を手繰り寄せています。

他にも、例えばTHW punish parents when their children commit crimes.のようなモーションの際に、論点となり得るのは親のcharacterizationです。Govは「親は子供の犯罪に大きく影響し得るため親もpunishすべき」、Oppは「親は子供の犯罪と関係ないので親をpunishするのはかわいそう」という風にラウンドが進んでいたとしましょう。その場合、論点となるのは「親はどのくらい子供の犯罪に寄与しているのか?」という点になるかと思います。Govであれば、多くの時間を子供と過ごすためモラル的な教育も含めて親が一番影響力があるというような話を展開するでしょうし、Oppであれば親以外の影響(social class、学校の先生等)と言ってくるかもしれません。その場合このポイントを全力でどちらかに持ってくるために反論したり伸ばしたりすることがWhipとしてあり得ます。
(あくまとして一例であり、他のstrategyも当然あり得ます)

3. Dropには敏感にあれ
AsianのWhipが、BPのWhipと違う点の一つはDropに対する厳しさだと思っています。(Dropとは、反論を「落とす」ことであり、議論を無視することだとご理解ください)BPは「【SIDO/QDO/HKDO分析】アジアのBP大会で活躍するための3つのポイント」で取り上げたように、Sell your ideaが重要になりますし、briefingでも「全部に反論する必要はない」と明示されることもあります。一方でAsianももちろん全部に反論することは不要だと思いますが、一方でDropに対して厳しい今年も事実です。

akもUADCでWhipをしていた時は、かなり細かめにWhipしました。一つの話に対して複数のレベルで反論しましたし、重要な話(格好いい話、聞こえのいい話、インパクトの大きい話等)は仮に1行だけでロジックが無かったとしても念のため反論しました。「反論していない」という理由だけで負けにするジャッジ陣対策でもありましたが。

また、先方のDropに対してもかなり厳しめにいきました。よくあるのが、PMやLOで話された内容が実はあまり反論されていないことです。これがDeputyでも特に伸ばされないと強いArgumentとなってくれないことがあります。そこでWhipでも改めて一つのClashにするくらいの勢いで「押しなおす」、そしてその際に相手のDropを強調していました。事実、ACに見られた予選ラウンドでも「Deputy以降の話等は優劣つけられなかったが、Whipが1つめに押した話は確かにLeaderから出ておりあまり反論されておらず、それで勝ちにした」と言われました。
(なお、この「押しなおす」というテクニックは意外と重要です。「浮いた」Deputy Speeches等を「埋め込む」ことも大事ですしね。)

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2018年4月9日月曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論③】Deputy Speakers編

総論としての「80点超えのスピーチをするには」を受けた、各論シリーズです。
前回のPrime Minister編、Leader of the Opposition編に続いたDeputy Speakers編です。

Deputyって難しいポジションだと思います。スタイルもフィロソフィーも人によって大きく異なりますし、ラウンドの流れによっても変わります。とはいえ、それでもいくつかポイントがあると思いますのでak_debateが感じるところを書いてみたいと思います。
(なお、前提としてDPMはLOの話にかなり近い部分があると思います。そのような1st Contact特有の内容はLOの記事に譲り、それ以外のポイントを書きたいと思います。)

1. 相手の最も強い話を立論・反論の両輪で全力で対応する
相手の最も強い話を、"Constructive Speech"として対応することができるのは2nd Speakerまでです。また海外や一部のジャッジではWhipから反論されるのでは遅すぎると判断する人たちもいます。そういう意味で、立論・反論の両方を使い切ることが重要になります。
UADC 2013 FinalのDPMは反論を重視しているパターンだと思います。Inheritance Taxの不十分性(構造的な不平等の大きさ等を指摘)を含めてかなり細かく反論しています。
また、UADC 2012 QFのDPMは、LOのFearの話をFlipする形で犯罪がいつ起きるかわからないような状況のほうがむしろfearfulであることを指摘しています。

また、よく先輩にアドバイスされる点として所謂「counterproductive」Argumentを立てろということかと思います。相手が守りたいことが実はむしろ悪くなるorこちらの方で達成できる、という話です。ICUT 2013 GFのDLOでは、conflictがむしろ減るという点を立論として出しています。なお、これらの話は所謂Secondary Mechanismの強化とセットで行わないと、アイデアベースになってしまうかもしれないのでご注意ください。

2. Leaderのスピーチを「足りない点」「多角的な視点」をキーワードに伸ばす
まず、「足りない点」に関して。まず大前提として、Leaderのスピーチで足りない点というのは必ず埋めることが必要になります。説得やArgument等のフレームワークはいくつかありますが、それらに照らし合わせながらリーダーのスピーチを聞いていくというのはまず一手でしょう。分かりやすい話では、LeaderがStatus Quoの話はしたがAfter Planの話をしなかった、抽象的な話をしたが具体性に欠けた、等そういった場合はそこから入る必要があります。また、これより難易度の高い点としては、「特定の前提」が抜けている場合です。そもそもどういう世界観を目指しているのか、そもそもどういったキャラクターを前提としているのか、というような話は見えづらいですが説得力に大きく影響するため、それらもidentifyできることがnext stepになるかと思います。

次に「多角的な視点」に関して。UniquenessやTime Frame等でMECEに考えることも重要になるでしょう。(思考力の習得方法はこちらに書いています。)(なお、特に日本人ディベーターはここが弱く、Asian Styleでなかなか勝ちきれなかったりClosingでExtensionを出し切れずに負けてしまうことをよく見てきたのでナショナル・アジェンダかもしれないと思っています)例えば、JPDU Pre-Australs 2013 GFのDPMではreligionのuniquenessとしてafterlifeの話が伸ばされています。また、ずいぶんと古くて恐縮ですがAustrals 2004 GFのDPMはDomestic/International Implicationの話をきれいに伸ばしていると思います。なお、個人的にはオーストラリア勢は歴史的に総じて2nd Speakerが上手いと思っており、例えば2009のGF等でもそれを感じています。

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2018年4月1日日曜日

フィードバックのコツ② 対初心者向け(新歓期)のフィードバック

前回のフィードバックのコツ① フィードバックの型 ~4つの点を伝えることを目指す~の続きです。

今回は4月ということもあり、初心者向けのフィードバックの話をしたいと思います。
(それにしても、新人だったころって何年前ですかね…ak_debateにも今より可愛い時期があったというと、信じてくれないんですが…)

初心者のときってどういうことを言われたら嬉しかったですかね?不安な中、チャレンジングなゲームをやった際の落ち込みって色々ありますよね。その時を思い出してフィードバックする、ジャッジした目の前の人のことを思ってフィードバックするという当たり前の原則を起点にすると色々な工夫ができるかと思います。今回は、ak_debateが気を付けてきた各論を話そうと思います。(これ以外も当然あると思います)

1.4つの型で言うところの、「良かったこと」を特に多めに言うこと
前回の記事で、フィードバックの"型"として、①良かったこと、②改善できること、③今後の実行方法/練習方法、④今後の期待の4点を徹底することをオススメしたかと思います。
特にこの①の「良かったこと」を多めにしましょう。昔UTDSでは8割くらいのイメージ感というところでやっていました。
「とはいえ、そんなに褒めるところがありますか?」という懸念があるかもしれません。確かに1分のスピーチとかだと最初はなかなか難しいかもしれません。
とはいえ、必ず何かしら褒めることがあるはずなのでそれを探索してください。例えば、ak_debateはassertionでもいい話が一言でもあったら(事実、自分が思いつかない話とかも良く出たので)伝えました。また、フィードバックの際に「どういうことを言おうと考えたりしていたのかも教えてもらってもいいですか?」「他にどういうことが言えそうですかね?」のように「言おうとしたが言えなかったこと」や「今思いついたこと」も聞いたりすることもしていました。(こうやって書きだすと少し恥ずかしいですね)

2.「改善できること」はポイントを絞って、シンプルにすること
特に上級生になると、うまくなっているのでたくさん言いたくなると思います。うわあ、Logicがないな、Refutationで反論と言いながら話をぶつけてるだけだな、Principleっぽい話しているけどふわふわしているな、等、等、等。もちろん細かいフィードバックは当然ありがたいのですがあまりたくさん言うとパンクしてしまいます。キャッチボールは取りやすい球を投げることが鉄則ですが、最初の球が何度も、文字通りハイボールでくると十分に吸収できないことがよくあります。なので、特に一番効果がありそうなことに絞るといいでしょう。(例えば、UTDSでは昔はSQ, AP, Impactというような型をAREAでしっかり言えるようにすること、を最優先にしていました。)

小技ですが、この際「ディベート用語」の多用には気を付けたほうがいいです。Uniqueness、Relevancy、Exclusivity、Framing等の言葉は我々にとっては当たり前かもしれませんが、ディベート初心者からすると新しいことばかりです。特に最初は各スピーカーの名前やルールから覚えたり、POIであたふたしたりしているはずなので、パンクしてしまいます。もちろん、この際例えばUTDSではレジュメと併用していたのでそこで良く出る言葉は書く、のような工夫はしましたが、それでも限界はあるかと思います。

3.普段にもまして具体的に話すことを意識すること
コミュニケーションは徐々に「阿吽の呼吸」になっていくこともあったりしますよね。それはある種お互い「あああの話ね」というイメージ感がより擦りあっていくからできるものです。例えば「具体性をつけよう」と言われたら「ああ、アクターが可哀そうである状態を描写しないと」、「具体的なケーススタディをロジックの後に出そう」のような解釈が一種できる、ハイコンテキストな会話になるのですが、初心者はその前提を共有していないので、ぽかんとなってしまいます。ただでさえディベートはチャレンジングな部分が多々あるため、しっかりと具体的にリードしてあげましょう。

なので、普段にもましてフィードバックでは「例えば」というような話をつけてあげましょう。具体的なアーギュメントを説明する、事例を説明することもいいと思います。反論も「こういうのが良くなかった」という指摘ではなく「こういう風に言うと良い」という例示とセットであることが大事です。

4.今後の期待を話す際は、特に「最初はできないもの」であることを強調すること
最後になりますが、これが一番大事かもしれません。ディベートって難しいです。特に難しい社会問題に関して20分で話すとか、社会人になっても人に驚かれます。特にそれが英語の場合、英語を第二言語としている人の苦労は計り知れません。
そして「うまくいかなかった」ことというのは本人もよーーーくわかります。スピーチが1分しかできなかったらそりゃ落ち込みます。他の人と比較できたらなおさらです。それが負け、というものとセットときたらさらに辛いです。
そこで重要なのは「今後できるようになる」というイメージ感をしっかりと伝えることです。チープなことですが、「最初は1分しか話せなかった人もたくさんいるけど、そのうち7分じゃ足りなくなるよ!」というような話であったり、いわゆる海外経験がない人に対しては「海外経験がある人も倒す例ってどんどん出てくるよ」というような話は本当ですし、とても助かります。

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2018年3月30日金曜日

フィードバックのコツ① フィードバックの型 ~4つの点を伝えることを目指す~

ラウンド後のフィードバックってすごく大事ですよね。
ディベーターからすると、ラウンドを客観的にみてくれていた人からのコメントを通じて次の試合は勝ったり、自身が成長するための貴重なインプットです。

ちなみに、学会の方でも、ジャッジが実質的なディベートの教育者というところで、その重要性はとても認識されています。(なお先日の学会の一つに、調査型ディベートの方のフィードバックを分析していた発表もありました)

フィードバックは奥が深く、ak_debateも色々模索中ですが、今回は今まで個人的に気を付けてきた点を共有します。今回は第1回ということで、"フィードバックの型"をご紹介します。

【結論】
フィードバックの"型"として、①良かったこと、②改善できること、③今後の実行方法/練習方法、④今後の期待の4点を徹底する

このような構成は、部内でのフィードバックの"型"ともしていました。先輩方がこの順番で話してくださっていて、いいなと思ったのでそれを型化しただけなので私はたいしたことはしていないのですが、これはすごく意味があると思っています。
もちろん全部言えるのが理想ですが、一部だけでも言うようにして、徐々に全部言えるようになっていこうと勝手に目標にしていました。

【詳細】
① "良かったこと"
特に、「良かったところ」は自分では見えづらいです(ディベーターの方々はとても自責の念が強い方も多いことも影響しているのかもしれません)。ですが褒められると嬉しいものです。世界最強ともいわれるディベート・コミュニティが一同に集うAustralsに行ったとき、ジャッジの方がかなり褒めてくださったこともとても印象的でした。(ディベーターが陥りがちな罠として"できないことへの傾注"があります。参考:どうすれば、上手くなれるのか? -"成長エンジンの設計方法"-)

特にこれは高校生ディベーターや1年生等、ディベートを始めたときは手厚くやる必要があると思っています。UTDSでは、今はどうか分かりませんが、当時は8割くらい褒めて、2割くらい改善点、という分配だね、と先輩からアドバイスを受けました。

なお、褒める際は、できるだけ具体的に褒めることも大事だと思っています。「1st Argumentのこの話はxxx」のように、具体的に話しましょう。

これを行うためにak_debateは各スピーチのフローの際にそもそもArgumentやRefutationを「いいね!」「good!」「〇」や、「ん?」「△」等とつけているのですが、その結果を受けてささっと良かったところを書いたりしています。(uniquenessが良かった、イントロがパワフルだった、等)

② "改善できること"
一方で、次は勝ちたい、よりうまくなりたい、というようなニーズもしっかりとケアすることが重要だと思います。したがって、「どうすれば良くなるのか」という視点でもフィードバックすることが重要です。

ここでのポイントは、幾つかあります。まず、毎回できるわけではないですが、特に負けたチームに対しては、「どうやったら勝てるのか?」というところまで話せるようにできればしようと思います。競技って勝敗がつくので当然気になるのは「どうやったら勝てたのか?」だと思うので。例えばこういう風にUniquenessをつけて、だとか、この主要な点にこうやって反論して、だとか考えます。(もちろん難易度は高いのでMUSTではないとは思っています。ですが、ak_debateからすると、具体的な改善方法がなくても、気になったところだけ教えてくれるだけでも貴重なインプットですのでドシドシほしいです)

また、あくまで相手の感情にケアした形で言うことも重要だと思います。一方的に「全然ダメで」のような言い方は99%の場合避けたほうがいいです。当たり前ですが人格とは切り離し、I messageで話すことも有効でしょう。「今回のラウンドではXXと言ってくれたのですが、それは残念ながらYYだと私は思ってしまって、ここまでやってくれればさらに評価をあげられたのだけれども…」のような言い回しをできるだけ意識しています。

③今後の実行方法/練習方法
これも難しいのですが、できればラウンドの話だけにとどまらず、他のラウンドでも当てはまるような話まで、だとかpost-roundの話まで踏み込みたいなと思っています。そのためには、一段抽象化した理論化が必要になります。そこまで含めたフィードバックがあると、経験上ディベーターの成長スピードが速くなる傾向にあると思っています。

例えば、以前どこかで残念ながらparallel debateになってしまったラウンドがありました。(akもやってしまうので難しいですよね。ちなみにparallel debateというのは、Gov/Oppでケースが完全に平行線をたどることです。例えばTHW make aid conditional to democracyのようなモーションの際Govが"aidを受け取る!" Oppが"aidを受け取らない”とただただ平行線をたどったりします)この際、私は一段抽象化し、「こういう時は3つの話をできるようになるとよくて、①どちらのcaseがよりlikelyか、②相手のcaseで何が起きるか、③自分のcaseで何が起きるか、まで話すと良いよ」というアドバイスしたところ、ディベーターが深く頷いてくれたことは今でも覚えています。

また、時間がある場合は具体的に今後のために参考となる考え方(例えばTBH思考法、具体的にお勧めの本)やお勧めの練習方法(例えば、プレパ・シートの作り方等)まで踏み込むこともあります。

繰り返しになりますがこれは難易度が最も高いと思っています。なので、毎回akもできるわけではありません。その場で理論化することは難しいですし、日々経験則的に理論化したものをシェアできないと大変だったりします。ですが、できればそこまで踏み込めるようにと日々目指しているところです。

④今後の期待
やはり最後は期待していることも併せて伝えると思います。もちろん、そのトーンなどは人それぞれになりますが、本当に感動した場合は相当に熱量をもって私も伝えます。色々まだ苦労している段階であっても、「ここがすごくポテンシャルがあるのでここを強みとしたディベーターになってほしい」ということとかもあります。

これをわざわざ別建てしているのは、「サンドウィッチ方式」にしたいというのもあります。要は改善点ってセンシティブです。辛いです。できなかったことを自覚している場合はそれがもう一回言われるわけですし。なので最後はまた良かったところでしめることで、前向きになってほしいなと思っています。

ちなみに、ちょっと話はずれますが企業では「3K」が大事だとされています。仕事の種類のほうではなく、「期待する(Kitai)、機会を与える(Kikai)、鍛える(Kitaeru)」の頭文字をとったものらしく、そのように部下を育成することが重要とのことです。最初の期待をするところで人が伸びる、というのは自分もありがたいことにそうだったなと思ったので、それを他の人もやる責任があるし、そのほうが今できなくても、長期的に伸びる、と思っているからかもしれません。

いかがでしたでしょうか。もちろんこの4点のフィードバックは理想像なので毎回することはできません。ですが、その型に当てはめて自分のフィードバックの今を"見える化"して、より良いフィードバックを目指していく一助になれば幸いです。

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2018年3月27日火曜日

【80点超えのスピーチシリーズ各論②】Leader of the Opposition編

総論としての「80点超えのスピーチをするには」を受けた、各論シリーズです。
前回のPrime Minister編に引き続き、今度はLeader of the Opposition編です。

個人的に、Leader of the Oppositionは比較的難しいポジションだと思います。やらないといけないことがたくさんあるので。(余談ですが、日本だとロールごとに担当者を分けることもありますが、海外だと"1st Contact"ということで、LOとDPMは同じ人がやることもあるようです。)

そんな中ですが、Leader of the Oppositionとしてak_debateが行うほうが良いと思うポイントをご紹介します。

①まず前提として、Prime Ministerでも求められる(a)一連の"primary story"を立て切ることや、(b)主要な話への対応はLOとしても必要
これだけでも十分におなか一杯かと思いますが、(Prime Minister編をお読み下さい)結局リーダーというところで、ここはPrime Ministerと同じように重要になります。

② Governmentとの違いの明示化を通じたOpposition Modelの明示化
結局のところ、まずGovernmentとの違いを明確化することが重要だと思っています。これは各論では例えばProblemに対するアプローチの違いということにも表れます。

昔のエジュケでは、①Problemはない、②ProblemはあるがAlternative Wayによって解決できる、③ProblemはありGovernmentで解決できることは認めるがHarmがある、のどれかのスタンスをとれ、と言われた人もいたようです。これは間違いではないのですが、GovのPracticalな部分(Necessity, Solvency, Benefit>Harm)、Principleの部分(Justification)のどの部分にOpposeしているのか、のほうがより正しいとは思います。つまり、①Necessityがない(問題は無い/他の方法で解決できる)、②問題はSolveできない、③Harm>Benefit、④正当化し得ない、の組み合わせかと。

そしてそのスタンスによっては、Opposition Modelが具体的に説明されることが必要になります。特に海外ではその傾向が強いと思っています(参考:Australs体験記)例えば、BPということでやや雑いですが、WUDC 2010 QFのLOはそこを明示化しています。 THW ban all procedures to alter one's racial appearanceのOppositionで、多くの人のChoiceを促進するために、Researchを支援し、さらには同procedureに対するsubsidyもOKだとしています。その中で、cosmetic surgeryと同じように徐々に値段は安くなっていくため多くの人にとってアクセスすることができることも示唆しています。似たようなケースとして、UADC 2014 R8のLOもorgan shortageに対するアプローチをかなりの時間をかけて説明しており参考になります。

③ その上で、一言目から"Oppositionが勝っている感"の醸成
うまいPrime Ministerの後であればあるほど、空気をひっくり返しに行くことが重要になっています。例えば私はEUDC 2008 GF、EUDC 2009 GFにおいて、シェンウーがLOを行う際、あえてゆっくり話しているのはトーンを変えに来ていることも大いにあると思っています。Logicalに来た場合はあえてEmotionalに、Passionateに来た場合はあえてCalmに、と雰囲気を作り変えられると良いと思っています。

内容面で言うと、例えばJapan BP 2013 SFにおけるLOはFragileであるContextを明示した上で、Arm Aidの必要性を言ったうえで、GovernmentのFailureも指摘しています。このように、相手ができていなかったことの指摘や、Opposition Modelの必要性を早めに話すことも一つ有益でしょう。

なお、もしGovernmentがあまりうまく行ってなかった場合は、それを「じゃあ代わりにやってやろうじゃないか」と説明する場合もあります。本来であればこういうディベートであった、というような"This debate is really about..."というイントロで入るパターンはこの例に入ると思います。この場合は勝ちを一気に決めに行く際に有効です。

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2018年3月23日金曜日

【ディベートニュース速報】Kyushu Debate Open(QDO)、世界で初めてSDGsにコミットする国際ディベート大会に

2018年3月22日に、QDOは、世界で初めてSDGsにコミットする国際ディベート大会になることを発表しました。

・SDGsの説明(外務省)
 持続可能な開発目標(SDGs)は,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます

・Kyushu Debate Openの説明

2014年に設立。九州地域の学生を主体に運営される、日本で唯一世界大会フォーマットで行われる即興型英語ディベートの国際大会。昨年は1/3の参加者が海外から参加。外務省・文科省・福岡県・福岡市が後援。

Link:
https://www.facebook.com/QDO.KyushuDebateOpen/posts/562234414152537